Reflections

時のかけらたち

冬薔薇と女性コーラス「花の風」 ・・・ winter roses and a female chorus " wind of flowers"

2019-01-17 23:56:19 | seasons
昨日、おとといと無呼吸症候群の定期検査のためにお茶の水の病院まで通っていて、ついでに精密検査について
インフォメーションで相談してきました。新宿区の癌検診で引っかかると新宿区指定の病院に紹介状が
書いてもらえるのだけど、どうも聖母病院にしても山手メディカルにしてもピンとこないし、東京医大は論外。
それで医科歯科大に相談したら、今かかっている呼吸器内科が肺がんの精密検査をするところだから検査結果
だけで紹介状はいらないことがわかりました。慣れているし信頼できるところの方がいいので、クリニックの
明日の再検査の方針の相談をキャンセルして、通院している呼吸器内科に確認の電話をして、来週の通院に合わせて
先生に意向を伝えてもらうことにしました。やっと1件解決。

               

写真は14日の紀尾井テラスの続きです。

紀尾井テラスのガーデンで秋薔薇の名残かまだ花がいくつか残っていて、1月にも薔薇が咲くのかと驚きました。
この残っている薔薇になぜか心魅かれました。冬の陽だまりの中に静かに咲いています。薔薇にしては寡黙。















































紀尾井ホールはたくさんの人でにぎわっていました。

女声合唱団 花の風 First Concert
2019年1月14日(月) 開演:14時
紀尾井ホール

出演者 女声合唱団 花の風(合唱),岸 信介(指揮),由良郁子(Pf),なかにしあかね(Pf/委嘱作品自演)
曲目 なかにしあかね:女声合唱とピアノのための組曲「花の風」
中田喜直:女声合唱曲集Iより
信時 潔:女声合唱組曲「沙羅」
なかにしあかね:エミリー・ディキンソンの詩による5つの風景「心の扉」─委嘱初演─


私がこのコンサートに誘っていただいて、行ってみたいと思ったのはエミリ―・ディキンソンの詩を
歌にしたものがあったからです。

なかにしあかねさんは花の風で星野富弘さんの詩に作曲していましたが、エミリ―・デッキンソンの詩を
ご自分で訳して曲をつけていました。とてもいい作品で、合唱も調和があり美しかったです。

久しぶりにデッキンソンの詩を見てみたくなり、亀井俊介対訳の本をめくってみました。
なかにしあかねさんは5曲作曲していましたが、その中から 「水」と「夕陽」と 他にお気に入りの中から
「悲しみのようにひそやかに」を紹介します。




WATER is taught by thirst;
Land, by the oceans passed;
Transport, by throe;
Peace, by its battles told;
Love, by memorial mould;
Birds, by the snow.

水 それは喉の渇きが教えてくれるもの
大地 それははるかに過ぎた大海原が教えてくれるもの
よろこび それは悲しみが教えてくれるもの
平和 それは戦いがおしえてくれるもの
愛 それは思い出の鋳型がおしえてくれるもの
小鳥たち それは雪が教えてくれるもの   
                 (なかにしあかね 訳)

Blazing in Gold and Quenching in Purple(夕陽)

Blazing in gold and quenching in purple,
Leaping like leopards to the sky,
Then at the feet of the old horizon
Laying her spotted face, to die;

Stooping as low as the kitchen window,
Touching the roof and tinting the barn,
Kissing her bonnet to the meadow,—
And the juggler of day is gone!

金色に燃え上がり紫に沈み

金色に燃え上がり紫に沈み
豹のように空に跳び
それから昔ながらの地平線の足もとに
斑点のついた顔を横たえて死に備え
かわうその家の窓まで低く身をかがめ
屋根に手を伸ばし納屋を色に染め
牧場に向けて帽子で投げキッスをし
一日の魔術師は行ってしまった
               (亀井俊介 訳)



合唱曲とは関係ないけれどお気に入りの詩を

As imperceptibly as Grief by Emily Dickinson

As imperceptibly as Grief
The Summer lapsed away --
Too imperceptible at last
To seem like Perfidy --
A Quietness distilled
As Twilight long begun,
Or Nature spending with herself
Sequestered Afternoon --
The Dusk drew earlier in --
The Morning foreign shone --
A courteous, yet harrowing Grace,
As Guest, that would be gone --
And thus, without a Wing
Or service of a Keel
Our Summer made her light escape
Into the Beautiful.

悲しみのようにひそやかに
夏が過ぎて行った--
ついにあんまりひそやかなので
背信とは思えぬくらい--
ある静けさがにじみ出てきた
すでにもうとっくに始まっているたそがれのように、
あるいはひとり引きこもって
午後を過ごす自然のように
夕暮れは前より早くたれこめてきた--
夜明けはよそよそしく輝いた--
立ち去ろうとする客のように、
丁重な、しかし胸をしめつける優美さ--
このように翼もなく、
船の便もなくて
私たちの夏はかろやかに逃げて行った
「美しきもの」の中へ。
             (亀井俊介 訳)


Jan.14 2019 Kioi Garden
コメント
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