Reflections

時のかけらたち

中村哲医師と館野泉 ・・・ Tetsu Nakamura & Izumi Tateno

2019-12-08 23:07:15 | people
世界で中村哲氏の死の反響があまりにも大きいので驚いています。若い頃から彼の活動はかなり知られていて
私もTVなどでインタビュー番組があればよくお話を聞いていました。

  


多くの著書もあり、講演活動も日本に帰ったおりに精力的にされていたのですね。
彼の生き方は日本の平和貢献への道を示していました。武器ではなく水で命を守ること。
平和憲法のもと日本の取るべき道はこれだと身を持って主張されていたのです。






                        


今いち体調がすぐれなくて、家で宿題の編み物を追いつかないけれどする日々。
昨日の教室の日も、ベルカントレッスンはやめてできるだけ宿題に近づきたいと思い家で
編んでから自由学園明日館のニット洋室に出かけました。

編み物は結局教室でかなりほどくことになりました。模様が少し飛んで、Deep Forest が 一部 Dark Forest
になってしまいましたが、ほどくとかえって目を拾いそこない、もっとひどい結果になるので、先に進みましたが、
先生から1作目からそれではということで数段ほどいて、目の拾い方とか教わりました。どんなことでもやってみると
勉強になります。目をすべて拾った後に先生が編み針に糸をかける感じでこういう風にして編むのかとわかりました。
もうあまり先を急がないで、とにかく正確に丁寧に編むことにしました。先生がおっしゃるには気持ちが編み方に
出るとか・・ この傲慢でいいかげんな性格なんとかしなくてはと思います。もうすこし先に行くと編んだところにはさみを
入れるという劇的な場面になります。こんな編み物見たことありません。





そんな編み物の日々、館野泉のドキュメンタリーの再放送があり、かけながら編み進めていました。久しぶりに見る館野泉です。
その昔に左手のピアニストとして復活するまでの番組はいくつか見たことがありましたが、これを見たのだったかは
よく覚えていません。

若い頃、好きだった日本の音楽家の一人です。他にはチェリスト安田謙一郎、ピアニスト井上直幸が好きでしたね。
よくコンサートに行きました。

彼のバースデーコンサートに行ってからもだいぶたちます。草笛光子さんも登場して和やかなコンサートでした。
まだフィンランドに行く前だと思いますが、上野の文化会館の精養軒でまだ人が誰もいない時間に食事をしていた
ところに出会ってチケットの裏にサインをしてもらったことがあります。コンサート前に大変失礼なことをしてしまったと
今では思います。若い頃、「音楽の友」に掲載の自叙伝もとてもおもしろかったことを記憶しています。

ハイビジョン特集 左手のピアニスト~舘野泉 再びつかんだ音楽~(初回放送:2005年)
出演者ほか【出演】舘野泉,間宮芳生,ペール・ヘンリック・ノルドグレン,【スタジオキャスター】渡邊あゆみ
フィンランドを拠点に、世界の舞台で活躍していた日本人ピアニスト・舘野泉。70歳を前に脳出血を起こし、右半身に
後遺症が残った。リハビリの結果、日常生活は不自由なく送れるようになったが、ピアニストとしての右手は戻らなかった。
彼が「左手のピアニスト」として復活するまでの執念の日々に密着。


  

左手でも音が出せるようになり、そこには音のうねりが同じようにあることを知った彼は再び、生きる歓び、生きる意味
がつかめたと話していました。

今回のドキュメンタリーではなぜフィンランドに行ったのかが良くわかりました。
ドイツやフランス、イタリアなどの音楽文化の伝統が強いところは避けたということです。日本の感性の中で育った彼は
音楽の歴史の中にどっぷりつかることの危険を感じ、西ヨーロッパ、日本から距離を置くことを考え、北欧にしたとのこと。
自然の中へ行ったということです。シベリウスにはとても魅かれていたようですが。

冬や夜についての言葉もおもしろかったです。冬は命が続いていて、咲き出る準備をしている時間。
冬も夜も再び命を輝かすのに必要なもの。

ブラームスがクララのために書いた左手だけのバッハのシャコンヌ。単なる練習曲と思っていたら
それは片手だけだからこそ表現できるバッハの世界があったとのことです。ヴァイオリン曲をピアノ曲
になかなか移すことができなかったけれど、たまたま右手が使えなくなったクララのために書いた曲が
バッハの世界を見事に表現することができました。ヴァイオリンと違って和音がたくさん表現できないため
シンプルにすることが良かったのです。館野は少ない音の豊かさ、単純でありながら豊かで深い音の世界に
到達することができました。
一音一音にいとおしさを感じて、今も彼の音楽は人の心を動かします。

自然の中で彼の音楽と向き合い、少ない音の中で広がる世界に浸っています。




シベリウス 樅の木 作品75の5(「樹」の組曲(5つのピアノ小品集)より)

なぜか心が締めつけられそうなシベリウスの曲です。

彼は今音楽を続けることができる幸せの中で生きています。
そうならなったらわからなかった世界があると。




昨日のニット教室が終わって




「婦人の友社」前のクリスマスツリー
コメント
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