Reflections

時のかけらたち

失われた色を求めて~植物染め・伝統100色を今の世に~ ・・・ Sachio Yoshioka and the Art of Natural Dyeing

2020-05-16 23:55:19 | art
日本の色の復元



プレミアムカフェ 失われた色を求めて(初回放送:2017年)

ハイビジョン特集 失われた色を求めて~植物染め・伝統100色を今の世に~(初回放送:2017年)
藍、紺、群青…青系色だけで20以上の名がある日本の伝統色の豊かさは、世界に例がない。英国V&A博物館から
永久保存用に「植物染めのシルク」の制作を依頼された染織家・吉岡幸雄さんは、植物を求めて山中を探し、自ら草を
植え、色抽出の手法も奈良時代の文献まで遡る。日本人が愛でてきた「色の世界」とは何かを探る。

NHKのドキュメンタリーの再放送で知った染の吉岡幸雄さん。若い頃、草木染をやっていたので、やっぱり自然の色
には魅かれます。 吉岡さんの色に出会ったのが、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の学芸員です。
植物で染められた日本の色が永久保存されることになりました。世界を探して巡り会った豊かな色で、世界に類がない
とのことです。この美術館は若い頃何度も通ったという吉岡さん。昨年お亡くなりになったとのことで、その仕事は
京都伏見の工房で娘さんにひき継がれています。

現在V&A博物館で特別展が6月まで延長されたもののイギリスではまだ緊急事態宣言解除になっていないようです。
日本ではなく、海外で永久保存とかとちょっとがっかりですが、世界の遺産はどこでもそれを大切にする人々に
よって遺していただければ嬉しいです。学芸員の方はロンドンに帰るまで興奮が続いたと出会いについて
語っていました。

【V&A博物館 YouTube チャンネルより】短い画像を見ることができます。

In Search of Forgotten Colours - Sachio Yoshioka and the Art of Natural Dyeing

英国V&A博物館
吉岡幸雄作品展
In Search of Forgotten Colours
失われた色を求めて
2018年6月〜2020年6月21日 ロンドン

.

日本の文化の中で色が鮮やかだったのは天平から平安時代にかけてだそうです。以前、池田さんの所のコーディネート講座で
昔の日本に色が少なく暗かったなかに、着物の色はどれだけあざやかに映ったことかと話していました。江戸時代以降は
地味な色に囲まれた世界だったことでしょう。



吉岡さんは植物染めがなくなたのは産業革命によるけど150年200年の間で、それまでは人間はずっと植物で染めて
いたので短い間と話されていました。ただ美しい色を出したいからと言う気持ちからだけです。
正倉院の色を復元し、お水取りや仏教行事で使われるものを作り、日本古来の色を求めて活動を続けられてきました。



定年退職間近に卒業旅行のつもりで京都で開催された職場同期のOB会に参加しました。みんなが辻留に行っている間、
一人奈良のお水取りに向かった時のことを思い出します。京都より、奈良の方が好きだった私。おおらかで異国の香りが
する文化。その時の写真や、主人が亡くなった後の娘を連れて、主人のルーツ愛媛から直島までの旅行、足立美術館と
山陰・倉敷の旅、諏訪・八ヶ岳、北海道、祇園祭から最近の沖縄まで、旅行の写真はすべてアップ途中で、いつかブログに
続きをと思っていたのが、何年も経ってしまい、今この時間がある時と思っても日々の今の日常を追ってしまっていて、
取り掛かれていません。

私は山崎青樹の草木染の本を2冊持っていて、染の参考にしていました。らせん工房にいた時、みんなで草木染にはまり、
家の近くでとれたすすきやセイタカアワダチソウ、皆が持ってきたくりや、いたどり、車輪梅、くちなし、コーヒー、紅花
クサギなどで染めました。藍染もトライしました。当時赤坂にあったカフェ・イ・アルテの織家律子さんがメキシコに買い付けに
行くときにコチニールを持ってきてくれたこともありました。葛を求めて、鎌倉や真鶴まで行ったこともありました。
木曽に旅行に行った時も栗のイガを分けてもらって持って帰って来たこともありました。中心になってくださったのが
国立博物館で館長秘書をされていた今は亡きNさんでした。紅花や藍染もしましたね。素敵な時間でした。独身時代の頃の話です。
燃え尽きてしまった林辺先生のことも思い出します。個性的な方でした。染と織の基礎を教えていただきましたが、先生の教え方
は自分で考えてできるようにするように思えました。





当時のサンプル帳ですが、他に写真アルバムのポケットに糸を入れる形で作ったサンプルもあったと思ったのですが、
みつかりませんでした。シルクとカシミアを合わせてショールやマフラーを織りました。シルクだけではテーブルマットとか
長くすれば帯にもできそうなパターンでも織ってみました。最初は化学染めだったけれど、草木染を始めたら、化学染めは
しなくなりました。

年取って、和服を着るようになってから、呉服屋さんが世の中に草木染信仰があるけれど、化学染めの色もとても
よくてと話していて、そうなのかなと思いましたが、丹後で草木染をしているというご夫婦の糸を見せてもらったら
やっぱりいいなーと思ったことがありました。あの時呉服屋さんは草木染の色は退色するようなことを話していましたが
私が染めたものは色が変わったとは思えませんでした。

追記)
イギリスのクラフトの感覚は日本と似ている感じがします。とても近くに感じます。
林辺先生のらせん工房に通っているとき、丸善を通して、イギリスの雑誌”CRAFT"を取り寄せてもらっていました。
フランスとは食の感覚が非常に近いと思います。あの繊細さ。おたがいに影響を与え合いながら進んでいく文化。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真夜中のTV-2 ・・・ midnight TV-2

2020-05-16 14:45:18 | my favorite
5月12日の深夜に何気についていたTVを消そうと思ったらおもしろい番組をやっていて、思わず見て
しまいました。以前、時々見ていたコズミック フロントとそれに続くプレミアムカフェ。さすがプレミアムカフェは
全部見れなかったときのために録画しながら見ました。

コズミック フロント☆NEXT「謎のゴールデンハット 秘められた古代天文学」



今から3000年前に作られた黄金の帽子「ゴールデンハット」が、ヨーロッパ各地で相次いで
発見された。高度な技術で黄金が薄くのばされ、表面には不思議な円模様の装飾。いったい誰が何のためにつくったのか?
表面の円模様や同心円の数や規則性をしらべていくと、ゴールデンハットにはカレンダーの役目があることが分かってきた。
しかも、日食や月食という複雑な天体現象の予測にも使っていた可能性があるという。


高校生の頃、地学や物理は本当に苦手でしたが、宇宙についてはその謎にひかれます。空間に限度があるのか、永遠とは何か
とか小学生の時、思いめぐらせて、先生にどうしたの?と言われたことがありました。大人になってからも宇宙についての
物理学の本を借りてきてもさっぱり。こういう画像でわかりやすく解説してくれる番組は助かります。

地球は太陽と月の影響を受けて動いている天体です。3千年前のこの輝ける帽子は月の動きを記したもので、暦は
月の動きをもとに造られ、農業の時代に入り、月の満ち欠けで暦を作り、種をまく時期とかがスケジュール化されて
行きました。潮の満ち干とか引力とか月は不思議な力を持って影響と与え続けます。月の周期だけだと太陽の周りを
回ることで決められある1年との誤差が生じ、このハットを解析すると数式が出て、現代の暦とぴったり合うということでした。
確か月と地球と太陽がぴったり一直線に並ぶ時と・・・ 
このハットは権力者がかぶり、農耕をつかさどったと考えられそうです。農業の時代になり、土地を得、争いが発生し、
そして階級が生まれたという歴史です。鉄の時代が来て、武器を作っていった人間。
ナスカの地上絵の謎も・・古代の底知れない力。



インカやマヤの日時計みたいな陰で暦がわかるのもすごいですよね。レオナルド・ダ・ヴィンチがあの時代にすでに
地動説を語っていたことも凄いけど。


プレミアムカフェ 失われた色を求めて(初回放送:2017年)




ハイビジョン特集 失われた色を求めて~植物染め・伝統100色を今の世に~(初回放送:2017年)
藍、紺、群青…青系色だけで20以上の名がある日本の伝統色の豊かさは、世界に例がない。英国V&A博物館から
永久保存用に「植物染めのシルク」の制作を依頼された染織家・吉岡幸雄さんは、植物を求めて山中を探し、自ら草を植え、
色抽出の手法も奈良時代の文献まで遡る。日本人が愛でてきた「色の世界」とは何かを探る。





若い頃、草木染を結構やっていたので、やっぱり自然の色には魅かれます。
吉岡さんの色に出会ったのが、ロンドンのアルバート&ヴィクトリア美術館の学芸員です。植物で染められたものが
永久保存されることになりました。世界を探して巡り会った豊かな色で、世界に類がないとのことです。
この美術館は若い頃何度も通ったという吉岡さん。昨年お亡くなりになったとのことで、京都でその仕事は娘さんに
継がれています。
通っていたらせん工房で草木染にはまり、山崎青樹と言う染織家のテキストで皆でいろいろな植物と媒染でシルクや
カシミヤを染めて、それを織っていたことがありました。それぞれの家のまわりで採集したものや、時に箱根や真鶴まで
一緒に植物を取りに行きました。自然の色に触れた貴重な時間でした。仕事をしていたので夜原宿の工房に行って11時近くまで
皆で作業をしていました。あの時の染の感覚を少し思い出しました。

とても貴重な番組で、それぞれの色を染める工程がわかり、永久保存版にしたい番組でした。


プレミアムカフェは以前の番組で反響の多かったものなどやっていますが、来週は志村ふくみさんが織の原点を
たどるトルコへの旅で見逃せません。志村さんは名前が出始めた頃から、婦人の友などによく作品が載っていて
とても印象が強く残った人でした。人間国宝になっちゃったんですね。私の職場の先輩のお父様とだした
対談集「一茎有情」を買った時は資生堂ギャラリーかどこかで個展もやっていて、本にサインしていただき、お話も
したことを覚えています。

宇宙の話と織の話は私にとってはとても刺激的なものです。





ツグミさんからのお知らせで5月6日の音楽番組の再放送を録画していました。先日時間があったのでかけてみました。

「外出自粛の夜に オーケストラ・孤独のアンサンブル」
オーケストラのトッププレイヤーたちが、外出自粛の中自宅でたった一人で音楽を奏でる。仲間も聴衆もいない。
でも音楽が心をつなげる。孤独だけど、ひとりぼっちじゃない。

N響、都響、新日フィルなど、オーケストラは演奏会中止、練習もできず、メンバーは自宅にこもり孤独と向き合う
毎日だ。これまで仲間と一緒に聴衆の前でアンサンブルをしてきた各オケのトップ演奏家7名が、今回の外出自粛の中、
たった一人、自宅でクラシックの名曲を孤独に奏でていく。祈り・希求・ぬくもり…今だからこそ生まれる音楽。
同じように一人だけで家にこもる視聴者の方々に、心揺さぶる感動と癒やしをお届けする。


■演奏者・曲目

東京都交響楽団 ソロ・コンサートマスター 矢部達哉
マスネ「タイスの瞑想曲」

東京交響楽団 クラリネット首席 吉野亜希菜
チャイコフスキー「花のワルツ」

NHK交響楽団 トランペット首席 長谷川智之
ドニゼッティ 歌劇「ドン・パスクァーレ」第2幕 前奏曲

新日本フィルハーモニー交響楽団 チェロ首席 長谷川彰子
バッハ・無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調から ブーレ 

NHK交響楽団 第一コンサートマスター 篠崎史紀
シューベルト「万霊節のための連祷」プシホダ編曲
ハイドン 弦楽四重奏曲 第77番 「皇帝」より 第2楽章

東京都交響楽団 オーボエ首席 広田智之
サン=サーンス「オーボエ・ソナタ」 ニ長調 より 第2楽章
グノー 「アヴェ・マリア」

東京フィルハーモニー交響楽団 トロンボーン副主席 辻姫子
「アメージング・グレイス」



それぞれの楽器の音色がとても美しかったです。
矢部達哉さんのタイスの瞑想曲が一番感動しました。何時も心に響く曲なのですが、
なんだかこの状況の中で聞くと家族のありがたさとかも感じてしまいます。
たとえ子供が独立しても家族は家族だと思いますが。社会の最小の基盤ですね。

車もほとんど走っていない東京の道を静かにカメラが回っていきます。
人が全然いない風景と言うのは寂しいものですね。誰もいない街に音楽だけが静かに響きます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする