Reflections

時のかけらたち

俵屋宗達 ・・・ Tawaraya, Sotatsu

2020-09-11 23:46:21 | art
8月の最後の日

ヨガから帰って、昼食後テレビをつけたら「オペラ座の怪人」をやっていたので途中から見てしまいました。
50年近く前に市村正親主演、劇団四季のミュージカルの舞台を見ました。舞台の作り方が面白かったことを
覚えています。斬新でした。市村も上手で、今も活躍していてすごい人です。

そのままつけていたら、昔の再放送か俵屋宗達の番組があり、見ていたら面白くて、光悦とコラボした「鶴図下絵和歌巻」
が広げられたらその素晴らしさに急いで録画開始。

ザ・プレミアム】風神雷神図を描いた男 天才絵師・俵屋宗達の正体

チャンネル[BSプレミアム]
2020年8月31日(月) 午後3:22~午後4:51(89分)
番組内容:国宝「風神雷神図屏風」。描いたのは、江戸時代の絵師・俵屋宗達だが、生没年も人物像もわからない謎の絵師。
この天才の正体を求めて、女優・中谷美紀が京都を旅する。
出演者ほか:【ゲスト】河野元昭,奥平俊六,土屋禮一,林進,【出演】中谷美紀,【語り】中山庸介
詳細:国宝「風神雷神図屏風」。日本屈指の名画を描いたのは、江戸時代の天才絵師・俵屋宗達。しかしこの宗達、数々の
作品を残しながら、いつ生まれいつ死んだのか、どんな人となりだったのか、ほとんどが謎に包まれた正体不明の絵師。
日本美術史上最大のミステリーとも言われている。その謎を追うのは、日本美術をこよなく愛する女優の中谷美紀。
京都を旅しながら、最新の研究成果と残された名画を手がかりに、宗達の人物像に迫る。

偶然2年前の小学校のクラス会の京都旅行でけっこう宗達を見ました。建仁寺で風神雷神図のレプリカを見て、
(本物は京都国立博物館に置いてある)養源院ではたまたま見学ができることがわかり、皆で急いで行った記憶。
宗達の絵が目の前でいくつもみれる稀な寺。間近で見れて素晴らしかったです。去年祇園祭で京都に行った時も
等伯の絵とかレプリカで本物は美術館ですと答えられたお寺がありました。今個々の寺で保存することは大変で
そういうケースが増えそうです。本来あるべき場所で見るのが一番いいのですが。

この番組を見て、この時代稀であった画家のことがわかっている範囲内で良くわかりました。時代の先端を行って
いたのですね。画面に入りきれないくらい大きく描かれていた絵。

絵にも落款を残さず、手紙もほとんど残っていない謎の絵師、宗達。天皇家とのかかわりも多く、今回のゲストの
推測では一休と同じように天皇家のご落胤だったのではという説。一休さんがそうだったなんて知らなかった。
宗達が故意に痕跡を残さないようにしたのではないかと。阪大の奥平先生の見解です。
「不思議な明るさとおおらかさを持ち続けている。晩年までちゃんと子供でいられた人。物おじしない性格は
身分の高い人のご落胤だったせいではないか。」

光悦との創作活動、俵屋宗達と角倉素庵の友情などいくつかのエピソードは伝えられています。

躍動感がすばらしい絵と書のコラボレーション。文化花開いた時代を身近に感じることができます。
百人一首などで知られるの人達の和歌が次々登場します。書も絵に合わせて濃くなったり、薄くなったり。
説明された阪大の奥平教授はジャズセッションのように即興で同じ場所にいて書き加えたりしていたのでは
とのお話でした。なんと華やかな時代だったのでしょう。






女優の中谷美紀さん 大阪大学 奥平俊六教授































三島由紀夫



棟方志功


























画家 土屋禮一 たらし込み技法を実演



林 進 関西大学講師



角倉素庵の墓  病により嵯峨野に隠遁した素庵に変わらぬ友情を持ち続けた宗達













二人の友情を知るとこの絵の見方も変わってくる。風神・雷神がどこか楽しげで・・










数年前に初めて行った五島美術館でも宗達の絵を見ることができ、それより前に伊勢物語の絵を出光で見ました。
私は特に光悦謡本の表紙が斬新で素敵だと思ったことを思い出しました。







17世紀の京都で活躍した宗達は、やまと絵の様式を基盤としながら、デフォルメやトリミングといった斬新なアレンジ
により、装飾性と意匠性に富んだ独自のスタイルを確立。また、宗達が下絵を描き、本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)
が書を記した一連の作品では、平安時代の料紙装飾をモデルとしながら、書と絵が見事に協調しており、グラフィック
デザインに通じる感性をみてとることができる。こうしたデザイン性豊かな造形は、18世紀の光琳に継承され、19世紀に
入ると大名家出身の抱一が洗練さを加え、江戸琳派の様式を誕生させた。

[特別展]琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ―
山種美術館
2018.05.12 - 06.03, 2018.06.05 - 07.08



参考)
琳派400年 俵屋宗達と角倉素庵の友情物語 
『俵屋宗達 傑作10選』日曜美術館

【国宝】 風神雷神図屏風 を解く!俵屋宗達のしかけたからくりとは


独身時代に油絵を習っていたのが鹿島建設のアトリエ。そのおかげで鹿島美術財団の講演会とか聞くチャンスもありました。
その時にイタリアのフレスコ画を復元している人と、この時代の日本画を研究している人の講演があり、池大雅、円山応挙、
そして俵屋宗達の話があったと思うけれど、その時すごいと思ったのはたぶん写実的な円山応挙だったような気がする。
今回見慣れた宗達の絵を見直すいい機会でした。時代を越えている画家でした。
コメント (2)
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