どこかでソール・ライター展のポスターを見て、久しぶりに写真展に行きたくなりました。恵比寿の写真美術館には
よく出かけて行きましたが、最近はあまり行っていません。
台風が近くまで来て、冷たい雨の東京。こんな日は美術館があっています。朝一番で行ったら、最終日が近いのにもかかわらず
すいていて、ゆっくり見れました。土日は予約制となっていました。
コロナ対策でエスカレーターは3段おきとなって、入口では検温がありました。
会場にはモノクロからカラーの世界へ、そしてフィルムのベタ焼きや小さなサイズの大切に手元に置いていた家族の
ポートレートなどが展示され、最後に彼の部屋に残されていた彼の油絵などが飾ってありました。(ボナールによく似ている)
今年1月から開催されたこの展覧会はコロナで中断され、幸い運よくアンコール開催されて見ることができました。
セルフ・ポートレート
静かで、空気が伝わってくる写真でした。気持ちや雪の冷たさや、思い・・ 何とも豊かに語りかけてくる写真です。
シスターからも軽やかな明るさが。町が軽やか。働いている人も自然。シンプルにまっすぐものを見るライターの写真。
ブレッソンを見て、写真が単なる記録でないことに気づいたという。コラージュのようだったり絵画のような写真たち。
ガラスや鏡のリフレクション。ボナールが好きだったのね。それで暖かい。雪はユトリロと同じよう。 宗達や浮世絵も
好きだったという。アングルが面白いと思ったら、浮世絵と同じ構図だった。
まるで絵画のような写真。あんな写真が撮れるようになりたいと思いました。
「成功するか大事な人に出会えるかどちらかを選ぶなら後者。人の心に寄り添って生きたいから。」というような内容の
言葉が展示してありました。まさにソール・ライターの生き方だったのですね。
尼僧の足取りまでも軽やか モンドリアンの労働者
参考)
心に響く:写真家ソール・ライターの言葉
ソール・ライターのこと
摩天楼の街を切り取る、ソール・ライターの独自の目
写真はしばしば重要な瞬間を切り取るものとして扱われたりするが、本当は終わることのない世界の小さな断片と思い出なのだ。
映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』予告編
ニューヨーク、ロウアー・イースト・サイド
ドイツ・シュタイデル社が再発見した
伝説の写真家の半生を追う
いま、彼の写真が
私達の心を強く打つその理由は…
ソール・ライターという写真家を知っていますか?1940年代から絵画のように豊かな表現力でニューヨークを撮影したカラー写真
の先駆者であり、「ハーパーズ バザー」や「ヴォーグ」など有名ファッション誌の表紙も飾った写真家です。しかし、写真に芸術性
よりも商業性が強く求められはじめた80年代、彼は表舞台から姿を消してしまいました。
ところが2006年、写真集で定評のあるドイツのシュタイデル社から、それまで封印されていた個人的な写真などをまとめた初の
作品集が出版されると、80歳を超えた”巨匠の再発見”は世界中で熱狂的に迎えられ、今も多くの国で回顧展や出版が続いています。
いま、彼の写真が私たちの心に強く響くのはなぜなのか?
「人生で大切なことは、何を手に入れるかじゃない。何を捨てるかということだ」と語り、あえて名声から距離を置いて生きた
ソール・ライター。その人生がわれわれに語りかけるものとは?