7月28日
目の奥にその人が見えるような、歌舞伎のお化粧の奥に心の動きを表現する迫力。舞台と違った面白さがシネマ歌舞伎にはあります。
まるでシェイクスピアの劇を見るようにドラマティックでした。
シネマ歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』(かごつるべさとのえいざめ)予告編
勘三郎は前回の可愛い鰯売りから今回は人のいい商人が狂っていく役でした。昨年コロナで行くことができませんでしたが
吉右衛門と菊之助のキャストでありました。先代の染五郎と玉三郎の組み合わせのYouTubeもありましたが、勘三郎がぴったりの
ように思えます。人の良さがすごく出ているし、玉三郎に笑われる感じでしたよね。
玉三郎のあの笑みがすごかった。歌舞伎の様式美がすばらしく、ジェンダーを超えた玉三郎のりりしさにあこがれて
しまいます。もしかしてこれ宝塚と共通している?なんて変な感覚になってしまいました。
切られた時のあの倒れ方はまるでバレエのようでした。
シネマ歌舞伎で表情が近くに見えると脇役の役者さんたちも光っていることに気が付きます。九重やおきつなどいい味が出ています。
仁左衛門もどことなく品があります。いろいろな人たちの思いが絡み合って悲劇へと話しが進んでいきました。
私は気が付かなかったのですが、映画の中の観客席に浅丘ルリ子がいたそうです。やっぱり歌舞伎というのは日本の演劇の
要となる一つのスタイルだったのですね。
キャスト
- 佐野次郎左衛門:中村 勘三郎
- 八ツ橋:坂東 玉三郎
- 九重:中村 魁春
- 治六:中村 勘九郎
- 七越:中村 七之助
- 初菊:中村 鶴松
- 白倉屋万八:市村 家橘
- 絹商人丈助:片岡 亀蔵
- 絹商人丹兵衛:片岡 市蔵
- 釣鐘権八:坂東 彌十郎
- おきつ:片岡 秀太郎
- 立花屋長兵衛:片岡 我當
- 繁山栄之丞:片岡 仁左衛門
中村ファミリーが頑張っていました。ちゃんと次世代を育てていくのですね。
一緒に行く予定だった紫苑さんは当日お嬢さんがワクチンで熱を出したので心配でそちらにいらっしゃり、アルバトロスさんと
Aさんとご一緒しました。映画はその時は29日が最終日でしたが、その後上映延長が決められたことを知りました。
Aさんの綿紅梅の浴衣が素敵です。ぼうしもかわいい!
藍色の型染めの着物、憧れです。三勝のだそうです。
松原工房の藍染も気になる私です。
アルさんはヨットの日々でよく日焼けしていました。アフリカのテキスタイルが素敵です。このあと東京ステーション
ギャラリーにアイヌ出身の彫刻家藤戸竹喜展にいらっしゃるとかでぴったりの装い。夏用の着物を東京に置いてなかった
とのことでした。私も最初浴衣もいいかなと思っていましたが、浴衣を着るパワーがありませんでした。
その日は歌舞伎だけで他に感動が入るキャパがありませんでしたので、ギャラリーにはご一緒できませんでした。
久しぶりに3人で、偶然見つけたトルコ料理の店でランチをして、話をしました。紫苑さんがいらっしゃらなくて残念でした。
アルさんは今スペイン語を勉強中で、難しいと話していました。ラテン語系の動詞のモードと活用には面喰いますよね。
フランス語をほとんどマスターされているのに。ラテン語系を2ヶ国語もできたらすごいです。
July 28 2021 Higashi Ginza