Reflections

時のかけらたち

グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独 ・・・ GENIUS WITHIN: THE INNER LIFE OF GLENN GOULD

2022-12-20 23:58:23 | movie

とうとう娘も発熱して昨日病院に行ったらコロナ陽性との結果でした。検査キット2回共陰性だったのに。
私の隔離期間はどうなるの? 翌日一日で解除となるところでしたが・・ よく読むと7日間隔離ですが、さらに3日
自主的感染予防行動の徹底期間となっていました。娘が感染者となると私も今度は濃厚接触者でもある立場。
うつした人からはうつらないでしょうと先生に聞いてみたけれど・・・ とにかく療養期間が終わっても
菌が0になって排菌の状態になっているかどうかわからないわけだし・・  二人とも感染者になったら
除菌しまくりをしなくても済むわけだけど買い物とかこまります。昨日連絡があった友人も10月に感染していて
知り合いの感染者も増えてきました。(今日オリーブオイルがイタリアより届いたと連絡いただいた友人もご夫妻で
かかってしまったとのことでした。)

ブログに最近借りたり、録画したり、地上波で見た映画などの記録を残そうと思いながらつい後回しになってしまっています。
書いたのはCoda だけ。音楽が好きでしょっちゅう聞いていたし・・

11/15 キャロル 11/19 アンナ・ハーレント 11/21-24 山猫    ブレードランナー2049はギブ・アップ

11/26 ヴァイオレット・エバーガーデン Carmen (スペイン映画) 11/27 Coda 

12/2 グレン・グールド

 

NHKFMで聴いた特集。若い頃グールドのレコードを持っている友人も多く、ゴールドベルグ変奏曲は注目の
レコードでした。もう一人の友人はブラームスの間奏曲集を教えてくれました。この記念の年にもっとグールドについて
知りたくなりました。

 

 
映画『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』

2009年/カナダ/HD/16:9/英語/カラー/108分
監督:ミシェル・オゼ、ピーター・レイモント
出演:グレン・グールド、ジョン・ロバーツ、ウラディーミル・アシュケナージ、コーネリア・フォス
   ローン・トーク、ペトゥラ・クラーク、ロクソラーナ・ロスラック、フランシス・バロー
   ハイメ・ラレード、フレッド・シェリー

解説 孤高の天才ピアニストとして没後も圧倒的な人気を誇るグレン・グールドの最新ドキュメンタリー。
これまで製作されてきたドキュメンタリーと異なり、彼の日記や、友人、恋人の発言を通して、“エキセントリック“と
称さることの多かったグールドの素顔と、彼が音楽を通じて伝えたかったもの、彼のこれまで語られなかった側面を
描き出していく。

ストーリー カメラは孤高の天才ピアニスト、グレン・グールドを愛した女性たちを捉え、彼女たちの証言から彼の
知られざる本質と謎を解き明かしていく。また、彼を知る人々のインタビューや未公開の写真、日記などから伝説の
人物としてではなく人間としてのグールドに迫る。

 

とても興味深いドキュメンタリーでした。

グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独

 

グレン・グールド 27歳の記憶

ほんとうはこのドキュメンタリー映画を借りたかったのですが、ありませんでした。ドイツ映画。

 

Glenn Herbert Gould, 1932.9.25-1982.10.4

映画では彼の言葉、友人?や仕事を一緒にした人たち、音楽家、伝記作家、彼を愛した女性たちの言葉から
グールドという人間に近づいて行きます。

アスペルガーと言われた彼の孤独で音楽に対して熱い生涯が語られたドキュメンタリーでした。
コンサートの舞台から31歳で引退して、録音に没頭した彼ですが、聴衆を嫌っていたが音楽が人の心に
届くことを願っていて、彼の音楽を聴いて救われたと話す人達の言葉にいやされたということがわかり
ました。彼の音楽はボイジャーに乗って宇宙のかなたまで運ばれているとか・・・ 本当に宇宙的
レベルの人です。

借りてきたDVDには特典がついていてインタビューがたくさんあり、興味深かった。
特に彼の尊敬する音楽家の妻で画家であり、良き相談相手、そして家族と一時なったコーネリア・フォスの
インタビューをさらに聞くことができ、よかったです。

演奏中の彼は超越していた。恐れや世俗的な感情を忘れさせてしまう。自分を森羅万象と融合させることができた。
自分をとりまく宇宙と一体化して、人間としての存在を深めていくことができる。

 

映画の中の気になった言葉をメモしました。

グールドの言葉
音楽は私を世俗から守ってくれる。世俗から距離を置いた生活ができるのは芸術家の特権。

人付き合いが苦手。人嫌いではないが孤独。
芸術家 創造性、オリジナリティがなければならない。

自然で明快なBach

求めていたのは
人々の心の糧になる音楽を届けたい。

ガラスのように繊細で、ユーモアがあり、チャーミングで知的。

演奏だけでなく、生き方が人々を魅了した。

作品、作曲家の内面に突入して、反対側に出て作品を個性的な自分のものにした。
作品を乗っ取ったと語っていた人がいた。
コーネリアは作品を分解してパーツを使い組み立てなおしたと説明していました。

生演奏から引退して、ラジオ番組を制作。「北の理念」で自分を見つめなおす。
このラジオ・ドキュメンタリーは自伝的要素が強いと言われている。

主流から外れた孤独。理解を拒む人を遠ざけて小さな世界を築く。それが現実からの逃避か
どうかは誰にもわからない。その世界で安らぎが得られなけばあとは破滅でしかない。

派手なものが嫌いで、動物を愛したグールド。

その後録音技術の進歩に貢献したグールド。
(リアルタイムで知っていた時のグールドはモーツァルト全曲に挑み、録音を続け完成させていた
記事を日経新聞で読んだことがありました。山また山の道のりだったと語っていました)

コーネリアが去った後、音楽制作を一緒にしたソプラノ歌手は彼に家庭を教えようとしたと
話していました。周りの人たちからも最も幸せだった時期とコメントがありました。

グールドは明かりや色を嫌っていて、夜仕事をしていたそうです。
朝は希望の兆しの背後には暗雲があると・・

最後に再びゴールドヴェルグの録音を行い、デビュー作とは全く違うものを作りました。
曲を再び分解して組み立てる。グールドはその曲に「最良の光を当てる」と語っていました。

あなたの音楽に救われたとのファンレターにとても喜んだそうです。
彼は演奏だけに安らぎを感じていた。その安らぎが人々の心を癒し、自分の心も癒した。

最後のゴールドベルグ変奏曲は思慮深さと美しさが深まったと評されました。

グールドは50歳で死ぬと話していたとコーネリアがインタビューで答えていました。彼は子供(連れ子)や
日常生活を愛し、普通の人でしたと・・ 多くの神話は彼の奇行を大げさにしていたと・・

50歳で突然の病死。彼の遺産は救世軍と動物愛護協会に寄付されたという彼らしい最後でした。

グールド・イヤーに彼を偲びました。

 

コメント (2)
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