キャスリーン・バトル プレミアム・ナイト
Kathleen Battle Premium Night
Something to sing about!!!
ソプラノ:キャスリーン・バトル
ピアノ:ジョエル・マーティン
曲目 ヘンデル:オペラ『セルセ』から「オンブラ・マイ・フ」
シューベルト:あらゆる姿をとる恋人 D558
シューベルト:夜と夢 D287
シューベルト:ます D550
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン D118 → 若い尼 D828
メンデルスゾーン:新しい恋
メンデルスゾーン:歌の翼に
ラフマニノフ:夜の静けさに op.4-3
ラフマニノフ:春の奔流 op.14-11
リスト:ローレライ
オブラドルス:いちばん細い髪の毛で
トゥリーナ:あなたの青い目
ガーシュウィン:オペラ『ポーギーとべス』から「サマータイム」
ミュージカル『ザ・ショー・イズ・オン』から「バイ・シュトラウス」
ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」
ハッシュ(黒人霊歌)
私の小さなともし火
天国という都
証人 → 馬車よやさしく
アンコール
黒人霊歌:あなたもそこにいたのか
黒人霊歌:Over My Head I hear Music in the Air
黒人霊歌:流れよ、うなるヨルダン河よ
黒人霊歌:水の中を歩け
黒人霊歌:天国は麗しい場所
山田耕筰:この道
黒人霊歌:幼きダヴィデは竪琴をかき鳴らし
黒人霊歌:Two Wings
黒人霊歌:馬車よやさしく
大好きなソプラノ。
前回キャンセルのため行けなかったことを思い出し、1週間を
切ったところで急遽申込み。チャーミングな声の一言。
あの結婚式の時、オンブラ・マイ・フで父と腕を組んで歩いたバージンロード。
今のことのように思い出す。祖父や両親、主人、亡くなった人たちが身近に
感じられ、悲しくなる。
それよりずっと前に亡くなった祖母まで。
1曲目オンブラマイフですでに涙こらえる。
「夜と夢」や「いちばん細い髪の毛」でなど聴かせる曲が続く。
アンコールで日本の曲「この道」を聴いて、彼女の生きてきたこれまで
そして自分のこの道をふりかえる。ディーバ絶頂期のメトからの解雇。
華やかな舞台からは引いていたことを知り、そして昨年復帰を果たしたことを知る。
ラフマニノフの歌曲もとてもよかったけど、アンコールに期待したヴォカリーズは
聴くことができずに残念。
歌声は変わらず美しく、彼女自身も年を取ってしまったけれど
変わらぬ美しさだった。声量はそれほどあると思えなかったけれど、歌うにつれ
声が伸びて行った。黒人霊歌やspritualもすごくいい。リズム感もあるし。
ピアニストとは神経質にやり取りをしていた。せっかちはピアニストは
拍手がまだ鳴り止まないのに次の曲に入り、注意されていた。
カレーラスとそのピアニストは呼吸ピッタリだけど・・
長い旅をして疲れたような感じがした。キャスリーン・バトルを聴いていた時代から
30年以上経っている。
会場はまだ少し人の入るような感じだったけれど、ディーバの復活を喜ぶ人たちの
スタンディング・オベーションに囲まれて、終わることのないようなコンサートだった。
アンコール9曲。
席を立つときに隣にいたブラボーおじさんが、本当にすごかったと
私に語った。
生で聴いたキャスリーン・バトルは透明感のある美しい声で、カラヤンが目をつけたのも
わかるような気がする。ホセ・カレーラスもカラヤンに育てられた感じがするし。
カラヤンってそういう目がすごいと思う。
この上なくチャーミングなソプラノ。
私より1歳年上だったこと知る。自らまいたこととはいえ、メトを追われて
苦労したと思うけれど、そういうことを全く感じさせない。
暖かさに包まれた本当に素敵なコンサートで、1週間前に決断して良かった。
席は全部埋まっていたわけではなかったけれど、彼女を待った人たちに
囲まれたという感じ。
キャスリーン・バトルが22年ぶりにMETに復帰 -「待つだけの価値あり」
Anthony Tommasini
(2016年11月14日 ニューヨーク・タイムズ紙)
(前略)去る日曜、バトルは現在の総支配人ピーター・ゲルブに招かれてMETに復帰した。
(中略)68歳のバトルの歌唱は、並外れた溌剌さと美しさを湛えていた。思い起こせば、
オペラ歌手として全盛を誇った頃のバトルの声質は、ゾフィー役(R.シュトラウス《ばらの騎士》)
やスザンナ役(モーツァルト《フィガロの結婚》)にうってつけの軽やかなリリック・ソプラノである。
しかし同時に、バトルの歌い方は極めて明瞭で華やかであったから、その演奏は、ふくよかながらも
良く通る響きと、燦然たる存在感を兼ね備えていた。去る日曜のバトルの歌唱は、そうした絶頂期の
特長を押しなべて留めていた。時折、息苦しそうなパッセージや、かすかな疲労の気配が目についたが、
バトルの声は総じて見事に響いていたし、何より、美しい高音は健在だった。
(中略)筆者が特に感銘を受けたのは、彼女がピアノとのデュオで披露した黒人霊歌で、なかでも
《天国という都》では、「約束の地」への憧れ、悲哀、そして子どもを彷彿させる天真爛漫さが、
感動的に織り交ぜられていた。バトルは今もなお、骨の髄までプリマドンナである。(後略)
Kathleen Battle Premium Night
Something to sing about!!!
ソプラノ:キャスリーン・バトル
ピアノ:ジョエル・マーティン
曲目 ヘンデル:オペラ『セルセ』から「オンブラ・マイ・フ」
シューベルト:あらゆる姿をとる恋人 D558
シューベルト:夜と夢 D287
シューベルト:ます D550
シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン D118 → 若い尼 D828
メンデルスゾーン:新しい恋
メンデルスゾーン:歌の翼に
ラフマニノフ:夜の静けさに op.4-3
ラフマニノフ:春の奔流 op.14-11
リスト:ローレライ
オブラドルス:いちばん細い髪の毛で
トゥリーナ:あなたの青い目
ガーシュウィン:オペラ『ポーギーとべス』から「サマータイム」
ミュージカル『ザ・ショー・イズ・オン』から「バイ・シュトラウス」
ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」
ハッシュ(黒人霊歌)
私の小さなともし火
天国という都
証人 → 馬車よやさしく
アンコール
黒人霊歌:あなたもそこにいたのか
黒人霊歌:Over My Head I hear Music in the Air
黒人霊歌:流れよ、うなるヨルダン河よ
黒人霊歌:水の中を歩け
黒人霊歌:天国は麗しい場所
山田耕筰:この道
黒人霊歌:幼きダヴィデは竪琴をかき鳴らし
黒人霊歌:Two Wings
黒人霊歌:馬車よやさしく
大好きなソプラノ。
前回キャンセルのため行けなかったことを思い出し、1週間を
切ったところで急遽申込み。チャーミングな声の一言。
あの結婚式の時、オンブラ・マイ・フで父と腕を組んで歩いたバージンロード。
今のことのように思い出す。祖父や両親、主人、亡くなった人たちが身近に
感じられ、悲しくなる。
それよりずっと前に亡くなった祖母まで。
1曲目オンブラマイフですでに涙こらえる。
「夜と夢」や「いちばん細い髪の毛」でなど聴かせる曲が続く。
アンコールで日本の曲「この道」を聴いて、彼女の生きてきたこれまで
そして自分のこの道をふりかえる。ディーバ絶頂期のメトからの解雇。
華やかな舞台からは引いていたことを知り、そして昨年復帰を果たしたことを知る。
ラフマニノフの歌曲もとてもよかったけど、アンコールに期待したヴォカリーズは
聴くことができずに残念。
歌声は変わらず美しく、彼女自身も年を取ってしまったけれど
変わらぬ美しさだった。声量はそれほどあると思えなかったけれど、歌うにつれ
声が伸びて行った。黒人霊歌やspritualもすごくいい。リズム感もあるし。
ピアニストとは神経質にやり取りをしていた。せっかちはピアニストは
拍手がまだ鳴り止まないのに次の曲に入り、注意されていた。
カレーラスとそのピアニストは呼吸ピッタリだけど・・
長い旅をして疲れたような感じがした。キャスリーン・バトルを聴いていた時代から
30年以上経っている。
会場はまだ少し人の入るような感じだったけれど、ディーバの復活を喜ぶ人たちの
スタンディング・オベーションに囲まれて、終わることのないようなコンサートだった。
アンコール9曲。
席を立つときに隣にいたブラボーおじさんが、本当にすごかったと
私に語った。
生で聴いたキャスリーン・バトルは透明感のある美しい声で、カラヤンが目をつけたのも
わかるような気がする。ホセ・カレーラスもカラヤンに育てられた感じがするし。
カラヤンってそういう目がすごいと思う。
この上なくチャーミングなソプラノ。
私より1歳年上だったこと知る。自らまいたこととはいえ、メトを追われて
苦労したと思うけれど、そういうことを全く感じさせない。
暖かさに包まれた本当に素敵なコンサートで、1週間前に決断して良かった。
席は全部埋まっていたわけではなかったけれど、彼女を待った人たちに
囲まれたという感じ。
キャスリーン・バトルが22年ぶりにMETに復帰 -「待つだけの価値あり」
Anthony Tommasini
(2016年11月14日 ニューヨーク・タイムズ紙)
(前略)去る日曜、バトルは現在の総支配人ピーター・ゲルブに招かれてMETに復帰した。
(中略)68歳のバトルの歌唱は、並外れた溌剌さと美しさを湛えていた。思い起こせば、
オペラ歌手として全盛を誇った頃のバトルの声質は、ゾフィー役(R.シュトラウス《ばらの騎士》)
やスザンナ役(モーツァルト《フィガロの結婚》)にうってつけの軽やかなリリック・ソプラノである。
しかし同時に、バトルの歌い方は極めて明瞭で華やかであったから、その演奏は、ふくよかながらも
良く通る響きと、燦然たる存在感を兼ね備えていた。去る日曜のバトルの歌唱は、そうした絶頂期の
特長を押しなべて留めていた。時折、息苦しそうなパッセージや、かすかな疲労の気配が目についたが、
バトルの声は総じて見事に響いていたし、何より、美しい高音は健在だった。
(中略)筆者が特に感銘を受けたのは、彼女がピアノとのデュオで披露した黒人霊歌で、なかでも
《天国という都》では、「約束の地」への憧れ、悲哀、そして子どもを彷彿させる天真爛漫さが、
感動的に織り交ぜられていた。バトルは今もなお、骨の髄までプリマドンナである。(後略)