碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

テレビ60年とNHK「メイドインジャパン」

2013年02月13日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイの連載「TV見るべきものは!!」。

今週は、テレビ60年とNHKの記念ドラマ「メイドインジャパン」について書きました。


「メイドインジャパン」全3話
テレビ60年
作り手たちの「まだまだこれから」が伝わった

1953(昭和28)年2月1日に、NHKがテレビ放送を開始してから今月でちょうど60年。人間ならめでたい還暦だが、現在のテレビは祝杯どころではない。

広告収入の低下や視聴者のテレビ離れへの対応策はもちろん、新たなビジネスモデルも構築できていないからだ。一番問題なのは視聴者側の「テレビの見方」の実態とのズレだろう。

先日、朝日新聞の記事にもなったが、ドラマの中には「録画再生率」が視聴率を上回るものもある。にもかかわらず、「リアルタイム視聴」のみを重視する現在の放送ビジネスには無理があるのだ。放送開始60年を機に、こうしたテレビの存続にかかわる議論もして欲しい。

そんな中、恐らく「録画率」も「録画再生率」も高かったと思われるのが、NHK「メイドインジャパン」全3話である。舞台は倒産の危機に直面した巨大電機メーカー。唐沢寿明をリーダーとする再建チームの取り組みを描いて見応えがあった。パナソニック、シャープ、ソニーなどの現状を見れば、これは民放では出来ないドラマだ。

モノ作りと技術、個人と組織といった問題だけでなく、会社や仕事、生きがいとは何なのかにまで迫った井上由美子の脚本に拍手。「日本人こそがメイドインジャパンそのものだ」というセリフが鮮烈だ。テレビ60年、作り手たちの「まだまだこれから」の思いも伝わってきた。

(日刊ゲンダイ 2013.02.12)



大学院入試の実施

2013年02月13日 | 大学

なんだか、ぐっと寒くなった一日。

大学院の入学試験を行った。

キャンパスは、高校生たちが集まる学部入試とはまた違う、静かな緊張感に満ちていました。