日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、TBSの深夜番組「よるべん」を取り上げました。
「よるべん」
好奇心と遊び心とユルさがマッチした
笑える大人塾
好奇心と遊び心とユルさがマッチした
笑える大人塾
ゴールデンタイムには見るべきものが少ないTBSだが、深夜番組は頑張っている。以前取り上げた「マツコの知らない世界」と、今回の「よるべん」(木曜深夜0時55分)はその代表格だ。
「よるべん」のコンセプトは、ビジネスマンが知ったかぶりにならないための秘密スクール。劇団ひとりがいわば級長さんで、若手ビジネスマンたちと一緒に専門家のレクチャーを受ける。
先週は「不動産投資vs.金(きん)投資」がテーマだったが、登場した2人の専門家の話が具体的で実に分かりやすい。片方がボロい家を手に入れてリフォームし、ルームシェア形式で貸し出すことを提唱。
もう一方は金を短期で売買するのではなく、長期の積み立て投資を勧めた。途中、劇団ひとりが投げかける、「初心者にもできるんですか?」といった素朴な疑問にもしっかり応じてくれて、納得感も十分だ。
この番組が発見した真実は、「本物の先生は巷(ちまた)にいる」。自分たちが知らないこと、知っているつもりでよく分からないことを教えてくれるのは学校の先生ばかりじゃない。むしろ街場の実戦で鍛えられ、成功も失敗も経験してきた“その道のプロ”から直接学ぶことは多く、そして楽しいということだ。
劇団ひとりの好奇心と遊び心が深夜枠のユルさとマッチして実現した、笑える大人塾である。
(日刊ゲンダイ 2013.02.19)