SMAP解散協議 存続 微妙な幕引き
生放送謝罪「解散」触れず
生放送謝罪「解散」触れず
解散・分裂危機が報じられた5人組グループ、SMAPは18日夜、フジテレビ系「SMAP×SMAP」に生出演し、騒動を謝罪するとともに活動継続を表明した。
一連の騒動は芸能ニュースの枠を超え、一般紙やNHK、海外メディアも報道するなど社会に大きな影響を与えた。「国民的スター」の存在感が皮肉な形で証明された一方、詳しい説明を避けたメンバーの姿がファンらの新たな困惑を招いているようだ。
「SMAPが空中分解になりかねない状態だと思った」「何があっても、ただ前を見て進みたい」
木村拓哉さん(43)は番組内で、こう決意を表明。草なぎ剛さん(41)は「(事務所社長の)ジャニー(喜多川)さんに謝る機会を木村君がつくってくれた」と語ったが、ほかに事態の経緯などをめぐる説明はなかった。
■瞬間視聴率37%
ビデオリサーチ(東京)によると、番組の平均視聴率は通常の3倍近い31・2%(関東地区)。5人が最後に頭を下げた午後10時22分には瞬間最高37・2%に達し、SMAPへの視聴者の関心の高さを裏付けた。
騒動は13日に発覚。グループを支えてきた女性マネジャーがジャニーズ事務所を近く退社し、木村さんを除く4人が独立を検討しているという内容で、事務所側も協議の事実を認めた。
ファンの間ではヒット曲「世界に一つだけの花」の購買運動が拡大。フジには番組存続を望む8千件近い意見が寄せられ、別の局幹部は「『テレビ局の力で解散を阻止して!』という声もあった」と明かす。波紋はスポンサーや政界へも広がった。
法政大の稲増龍夫教授(メディア文化論)は「SMAPはテレビを通じて世代を超えて親しまれ、あって当たり前の空気のような存在になっていた。それがなくなるかもしれないという危機感が、存在の大きさを再認識させた」とみる。
■ファン困惑と同情
一方、番組で各メンバーが険しい表情で言葉少なに謝罪を重ねたことに対し、インターネット上では「公開処刑」「5人がかわいそう」といった声も上がっている。
上智大の碓井広義教授(メディア論)は「騒動を沈静化するための謝罪に映り、今後もこれまで通り活動できるという確証を得られなかった」と指摘。「報道でいろいろな内部情報が交錯したが、真相は分からず、『簡単には辞められない』という後味の悪さが残った」と話している。 【三品貴志】
(産経新聞 2016.01.19)
日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今週は、 テレビ朝日の新ドラマ「スペシャリスト」について書きました。
テレビ朝日系「スペシャリスト」
ポスト「相棒」を探る戦略商品
ポスト「相棒」を探る戦略商品
今期は、独立騒動の渦中にあるSMAPのメンバーの主演ドラマが複数ある。草剛の「スペシャリスト」もその一つだ。
まず、無実の罪で10年間服役していた刑事・宅間善人(草)という設定が意表をつく。刑務所で学んだ犯罪者の手口や心理など、いわば“生きたデータ”こそが武器だ。
さて初回だが、首を吊った小説家の死体が自宅で見つかる。自殺かと思いきや、背中にはナイフが刺さっていた。奇妙なのはそれだけではない。密室殺人であり、見立て殺人であり、被害者が犯人を示唆するダイイングメッセージまで残っていた。ミステリー小説の定番要素がてんこ盛りだ。
宅間は捜査を開始するが、途中で容疑者の男が射殺されてしまう。しかも宅間がその犯人として裁かれ、刑務所に逆戻り。この辺りから、ベテラン脚本家・戸田山雅司の技が冴えまくる。登場人物が連続して死んでいくことで事態は二転三転。先が読めないので、見る側はワクワクしてくる。
草は、飄々としていながら洞察力に秀でた主人公を好演。「コメとマイナンバーは一生ついて回るよ」などとつぶやく、ひと癖ある上司(吹越満)や、自由過ぎる宅間に振り回される女性刑事(夏菜)といった脇役も上手く生かされていた。
さすが東映の制作であり、大人が見ても楽しめる。“ポスト「相棒」”を探る戦略商品だ。
(日刊ゲンダイ 2016.01.19)
芸能生活35年は同じでも
ギンギラ「マッチ」と哀愁「トシちゃん」
ギンギラ「マッチ」と哀愁「トシちゃん」
マッチこと近藤真彦(51)といえば、対のように思い出され、人気もやや上回っていたのはトシちゃんこと田原俊彦(54)である。ともに芸能生活が35年におよび、片や紅白歌合戦で白組のトリを務めるなど今なお“ギンギラギン”だが、トシちゃんのほうは……。
昨年の紅白歌合戦について、上智大学の碓井広義教授(メディア論)は、「ジャニーズ祭り」と名づけたうえで、こう語る。
「一事務所から7組、総勢34人もの出場は過去最大です。NHKは、人気がある彼らを今後も使っていきたい。そこでトリまで任せる重用ぶりをアピールした。近藤真彦は、NHKがジャニーズをこれだけ遇していますよ、という象徴です」
だが、実は、ジャニーズ事務所にとって、かつて救世主であったのは、マッチよりもむしろ、トシちゃんだったのである。
「1980年代、テレビ各局の人気音楽番組で、田原も近藤も引っ張りダコ。75年に郷ひろみが移籍後、パッとしなかったジャニーズ事務所から久々に登場したスターで、人気は田原のほうが少し上でした」(同)
実際、田原は80年6月に歌手デビュー以来、ジャニーズの記録を次々と塗り替えた。古参の記者が言う。
「『ザ・ベストテン』の最多出場記録を誇り、ドラマで主演のジャニ・タレが主題歌を歌うという、現在よくあるパターンの走りも、田原が『ラジオびんびん物語』に主演し、『どうする?』を歌ったのが最初。次作『教師びんびん物語』は、フジテレビの“月9”で初めて視聴率30%を超えた。ベストジーニスト賞もベストドレッサー賞も、田原の受賞がジャニーズ初で、『an・an』の“好きな男”ランキングでも、87年から4年続けて1位でした」
一方、田原に半年遅れて歌手デビューした近藤は、
「せめて歌で田原に勝ちたいと、慕っていた作家の伊集院静に泣きついて『ギンギラギンにさりげなく』や『愚か者』などの歌詞を書いてもらい、レコード大賞も獲りましたが、ドラマの主演もある田原のほうが露出は多かった」(同)
■従順な社畜
その立場がすっかり逆転してしまったのは、94年のことだった。あの「ビッグ発言」とジャニーズ事務所からの独立である。
だが、そこに至るまでの伏線があった。
「中山美穂と交際してマスコミの取材攻勢に遭い、91年、婚前旅行先のハワイにもマスコミがついてくると、田原は雲隠れし、中山1人が成田に帰国。他事務所の若い女性をエスコートしなかったことも怒られた田原は、事務所に不満を募らせます。中山と破局し、モデルの向井田彩子と結婚すると、94年3月に独立しますが、その前月、長女の誕生報告の際に“プライベートは何ごとも隠密にしたかったけど、僕くらいビッグになるとそうもいかないんだよね”と発言。もはやジャニーズ事務所に遠慮が要らないマスコミは一斉に批判し、独立後も、テレビ局はジャニーズに遠慮し、よほどのことがないと起用しなくなりました」(先の記者)
で、トシちゃんの現状である。新曲が4作続けてオリコン30位以内、という吉報もあるが、
「グアム政府観光局のCMでは、赤いスーツを着て往年のステップで砂浜を踊りながら叫ぶ。うかれっぷりに切なさが止まりません。唯一のレギュラー番組、TBSの『爆報! THEフライデー』も、往年の姿で発言して爆笑問題にたしなめられるというもので、滑り具合が痛々しいんです」
と、ライターの吉田潮さん。マッチについては、
「一時はカーレースにのめり込んでも、ジャニーズ事務所に“長”として所属し続けた結果、ご褒美に紅白のトリがもらえた。かつての不良な感じはどこへやら。今や従順な社畜です」
寄らば大樹、という教訓にすべきか……。
(週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号)
反応イマイチの「小林幸子」と
「ねば~る君」をイジメ続けた「細川たかし」
緊張感なき紅白歌合戦
「ねば~る君」をイジメ続けた「細川たかし」
緊張感なき紅白歌合戦
今回の紅白歌合戦で、久方ぶりにNHKの舞台に帰ってきたのが、小林幸子(62)。事務所トラブルのみそぎは済んだと判断されたのか、4年ぶりに復帰した小林は09年に話題を呼んだ巨大セット「メガ幸子」を復活させて臨んだが、視聴者の反応はいまいちだった。
「NHKは話題作りのために小林幸子、というか巨大セットというコンテンツを復活させたのでしょうが、美川憲一と対決していた当時のようには楽しめませんでしたね。ニコニコ動画とのコラボで新たな層を取り込んだと思っているのかもしれませんが、申し訳ないけどそれはNHKの独りよがりです」(上智大学の碓井広義教授(メディア論))
■ねば~る君をグイグイ
小林と同様、細川たかし(65)にも、自らの不祥事によって紅白から離れていた時期があり、復帰を果たしたのは09年。それから大分時が流れたせいで再び気が緩み始めているのか、
「本番中、彼の不真面目さが目立ちました。例えば、関ジャニ∞の出番の際には、茨城県非公認マスコットの“ねば~る君”の頭を小道具のウチワで叩き続けていました。ねば~る君が急に上に伸びた時は、さすがに驚いたようですが……」
と、芸能記者は明かす。
「震災復興をテーマにしたチャリティソングを皆で歌う場面でも細川は1人歌おうとせず、エンディングの『蛍の光』の時にも、再びねば~る君の頭の部分を両手でグイグイ引っ張っていじめていた。歌を披露しにきたのではなく、遊びにきているように見えました」
■紅白“バラエティ”合戦
緊張感なき今回の紅白について、芸能評論家の肥留間正明氏はこう総括する。
「一言でいえば、品がない。もう次回からは、紅白歌合戦ではなく、紅白“バラエティ”合戦にタイトルを変えたほうがいいのでは、と思うほど歌の存在が希薄になっています」
歴代最低の視聴率を記録した今回の紅白は、「国民的番組」の終わりの始まりとなるのか――。
(週刊新潮 2016年1月14日迎春増大号)
及第点が出た
堺雅人「真田丸」初陣
堺雅人「真田丸」初陣
「幸村も年をとったなあ」
古くからの時代劇ファンならそう思ったかも・・・。
今年の大河ドラマ「真田丸」(NHK総合)がスタートした。好調が続く朝ドラに対し、大河は2010年の「龍馬伝」以降、年間平均視聴率は、6作連続で20%を下回っている。
そこで時代は戦国期、主役は誰もが知る真田信繁(幸村)にして、原作・脚本には三谷幸喜を、「新撰組!」以来12年ぶりに起用。
大河で真田家を描くのは初めてだが、「やはり30年前の池波正太郎原作『真田太平記』と比べてしまいますね」とは上智大学の碓井広義教授(メディア論)である。
「真田太平記」は大河ドラマが近現代ばかりを扱うようになった80年代半ば、時代劇大河ファンのために水曜日に放送された“NHK新大型時代劇”のひとつ。
そこで幸村を演じたのが、今回幸村(堺雅人)の父を演じている草刈正雄(63)。
「父役は丹波哲郎でしたから重みは違うが、草刈のとぼけた感じは親しみやすい。ファンが語れる材料を仕込む三谷流ですしょうね」(同)
そういえば「新撰組!」でも土方歳三の兄役として、往年の土方役者・栗塚旭を起用していた。
「三谷ギャグも抑えられていて第2回も観てみようという気持ちにさせる出来だったと思います。主人公の子供時代からダラダラと辿るよりも危機的な教協から始まるのもいい」(同)
ただし物語のスタートが武田家滅亡が迫った天正10(1582)年というのも、「真田太平記」とまったく一緒。これも三谷流?
(週刊新潮 2016.01.21号)
・・・連続ドラマは2回目が重要。
さて、今夜の”三谷流”は、どんなふうでありましょうか。