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河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

銀のロバ

2006-11-18 16:28:00 | 読書(小説)
ソーニャ・ハートネット。主婦の友社。
「木曜日に生まれた子ども」の著者。
あの本も児童文学ってことになっていたが、
暗くてもの悲しい物語だった。
この作品は、もうちょっと明るい。
マルセルとココの姉妹がフランスの森の中で見つけた盲目の兵士。
戦場から逃げてきた彼(シェパード中尉)を匿い、
なんとかドーヴァー海峡を越え病身の弟が待つふるさと、
イギリスに帰れるよう、算段を尽くす。
兵士が大事に持っているのが、弟のくれた銀でできたちいさなロバの置物。
話の間間に、兵士がロバにまつわる物語を語る。
世界は、美しいのに、醜い行為を重ねて我々は生きている・・・。
兵士は、まっすぐに物事を見つめられるように、なったろうか。
親切にする姉妹も、マルセルは「人に優しくしたい」からであり、
ココは、「ロバをくれないかな」と密かに思い続けている。
二人の兄のパスカールは、勇敢な戦争の話が聞きたい。
思いは、少しずつずれているけど、兄妹が兵士を助けようとしたのは事実。
ほんわり優しい話だけれど、その奥にいろいろなことが描かれていると思った。
コメント
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