アリステア・マクラウド。新潮クレストブックス。
「灰色の輝ける贈り物」「冬の犬」は短編集だったけど、
これは、長編。
短編よりも、おもしろかった。
「百年の孤独」とか「ブッテンブローグ家の人々」とかそういう
一家の系譜をつづる物語とはちょっと似てて、ちょっと違う。
18世紀末にスコットランドからカナダ・ケープ・ブレトン島に
移り住んだ「キャラム・ルーア」の一族。
語り手の「私」はその末裔、「ギラ・ベク・ルーア(赤毛の男の子)」アレグザンダー。
異郷の地で、赤毛や双子を見かけては、クロウン・ルーア(ルーア家の末裔)か、と
旅先で親切にされたり、初対面の人々とゲール語の歌で盛り上がったり。
歴史は、教科書に載っているものではなく、すぐ身近にあるものなのだ、彼らには。
スコットランドのおじいさんと、カナダのルーアの子孫は同じようにいうのだ。
300年前のことを「あのとき、フランスの船がきてくれていたらなあ!」と昨日のように。
長兄キャラムや「私」の双子の妹との昔話、おじいさんやおじいちゃんとおばあちゃん、
ちいさな物語がたくさん詰まっていて、失われていく歴史を記録しようとしている。
人一人死ねば、その人の関わってきた記憶の中の人々も死んでしまう、という話を
また思い出す。人間って、はかない生き物だと、強く思う。
「灰色の輝ける贈り物」「冬の犬」は短編集だったけど、
これは、長編。
短編よりも、おもしろかった。
「百年の孤独」とか「ブッテンブローグ家の人々」とかそういう
一家の系譜をつづる物語とはちょっと似てて、ちょっと違う。
18世紀末にスコットランドからカナダ・ケープ・ブレトン島に
移り住んだ「キャラム・ルーア」の一族。
語り手の「私」はその末裔、「ギラ・ベク・ルーア(赤毛の男の子)」アレグザンダー。
異郷の地で、赤毛や双子を見かけては、クロウン・ルーア(ルーア家の末裔)か、と
旅先で親切にされたり、初対面の人々とゲール語の歌で盛り上がったり。
歴史は、教科書に載っているものではなく、すぐ身近にあるものなのだ、彼らには。
スコットランドのおじいさんと、カナダのルーアの子孫は同じようにいうのだ。
300年前のことを「あのとき、フランスの船がきてくれていたらなあ!」と昨日のように。
長兄キャラムや「私」の双子の妹との昔話、おじいさんやおじいちゃんとおばあちゃん、
ちいさな物語がたくさん詰まっていて、失われていく歴史を記録しようとしている。
人一人死ねば、その人の関わってきた記憶の中の人々も死んでしまう、という話を
また思い出す。人間って、はかない生き物だと、強く思う。