河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

飛行士たちの話

2024-10-17 23:28:40 | 読書(小説)

ロアルト・ダール、ハヤカワ文庫。
飛行機乗りの短編集。
ロアルト・ダールといえば、
「チャーリーとチョコレート工場」だけど、
これは、読み口は軽く、ちょっと中身は重い、戦争の物語。
サン=テグジュペリ「南方郵便機」を思い出す。
宮崎駿の「紅の豚」の私の好きなシーンは、
この中の「彼らに歳は取らせまい」そのまんまだった。
飛行中、雲の中に入って、出られなくなり、
ぽかっと抜け出た青い空間の遠くに、飛行機の群れが見えた。
死んだパイロットとクルーたち、ありとあらゆる機種の飛行機。
「人を殺す」のが仕事の飛行機乗り。
酒に酔い、狂い、怪我して生き延びた者、
死んだ息子を思い亡くなる母親、
家族を殺した飛行機に立ち向かう九歳の少女。
なかなか重かったなあ。

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千歳ヲチコチ

2024-10-17 22:00:46 | 読書(マンガ)

マガポケで途中まで読んで気になって、
えいやっと古本で。後悔はしていない。
これって少女漫画なん?

平安時代が舞台のお話。虫愛づる姫、チコ姫と、
上達部の次男だけど内裏で働く青年貴族、享。
ちょっと風変わりな姫が友達に送った文を、
誤って享が受け取り、文の内容に惹かれて
正体を隠して返事をしたのが、物語の始まり。
と書けばロマンチックなように思えるが、
実際は、登場人物らは現代語を駆使してしゃべくり、
そのくせ平安時代の生活の実態をリアルに紹介して
くれたりする珍作品。怪異は普通に出ます。
チコの文の内容、みんな虫を怖がるけど、
虫からしたら人間の方が怖いんじゃないか、みたいな。
変わった子が愛されて育って、幸せになるの、よかったねえ。
ついでに坊さんも救われて、よかったよ。
8巻あるけど、「君の名は」状態で、近くまで来るけど、
なかなか出会わない。
お互いが、お互いのことを、わからないのになんとなく探している。
出てくるキャラがほぼ表裏なくストレートな人ばっかりで
なんかみんな好きだわ。絵も見やすい。
知的好奇心を満たしつつ、ギャグはオタクならもっと面白いのかも?
カバー裏の現代人バージョンは、誰かわからんひとがいました。

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