河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

星間商事株式会社社史編纂室

2010-02-13 14:54:29 | 読書(小説)
三浦しをん、筑摩書房。
読んで後悔。
これが婦女子か。
ふくやまけいこのひなぎくでなんとなく雰囲気は分かってたけど、
活字はちがうなあ。やだなあ。中年親父と青年って。
まあ、本題はそれじゃなくて、社史編纂室に飛ばされた幸代が、
妨害に遭いながらも社史を完成させ、ついでに裏社史を
同人誌で刊行するという仕事と友情と恋の物語。
英語のタイトルがひっそりついてて、
The Mystery of HOSHIMA Trading Co. って。
こっちの方が内容を正しく表しているような。
で。東南アジアの架空の国サリメニだとか、
60年代にありそうななさそうな星間商事の暗い過去?
って当たりは、同人誌制作の方に重きを置いてしまって
いまひとつ。
っていうかすべて、一昔前の少女マンガのノリだろう。
遠藤淑子のにあったマリモの命が惜しけりゃ・・・みたいな。
くうだらねーぞー。
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獣の奏者4完結編

2010-02-11 15:15:43 | 読書(小説)
上橋菜穂子、講談社。
異世界獣医師物語、全4巻完結。
もう、これ以上は続かないだろう。
ちょっと読んでて泣けそうなくらい、
凄絶な終わり方で、びっくりだった。
野生動物を、人間の都合で飼い慣らすことに、
真っ向から反対していた少女エリンは大人になり、
野性味を取り戻しつつ、人間のために使うという
前代未聞のことをしたつもりが、
実は、古代の建国者たちが行ってしまい
封印した技だったという・・・
知るべきこと、知らざるべきこと。
荻原規子の「西の良き魔女」を思い出した。
我々の人間界には、ここまでの能力を秘めた動物はいないけど
こっちの人間だったら、なんとかして制御しようとするだろうな。
しかし、イアルのよき夫ぶりが、とても女性的なような。
あと、音無し笛の秘密は、秘密のまま?
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船に乗れ!3合奏協奏曲

2010-02-07 21:52:02 | 読書(小説)
藤谷治、JIVE。
最終巻だ。
タイトルの「船に乗れ!」、よく意味はわからんかった。
強いて言うなら「悟浄嘆異」の「生の渦巻きにまかれよ」か?
仏教的な内容を、ドイツの哲学にしたらこんな感じ?
ともあれ、津島サトルの音楽生活の終焉と現在までが描かれ、幕。
わざわざ時代設定を1980年前後にしてるのは、作者の歳かもしれんが、
南枝里子の言動が、今ではあり得ないからなんだろうな。
お母さんは、お父さんのことだけ好きなんだ、そうでなきゃ
生まれてくる子どもが混乱する・・・。

特別赦しがあるわけでもなく、サトルは生き続ける。
それは皆、人生という航海に出ている者すべてに課せられた使命だ。
生きていくこと。
そしてそれは、特別なものでも何でもない。
人は皆自分の物語の主人公かも知れないけど、
他人から見たら脇役以外の何者でもないんだし。
・・・ってなことを読み終わって星空見ながら考えた。
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本質を見抜く力

2010-02-07 12:49:00 | 読書(その他)
養老孟司と竹村公太郎の対談集、PHP新書。
最初は、かみ合ってんだかないんだか分からない、
じじいどもの勝手なおしゃべりにしか聞こえず、
ちょっとイライラしたけど、
終わりの方の神門氏を交えての鼎談あたりから、
ちょっとまあ言いたいことが見えてきて、
最後の章でなんとなく納得した。
私が最近思ってることにも言及してたし、
私の考えはかなりじじいだということは分かった。
しかし、これからの日本、どうなっていくのか。
正しい答えなんてないんだから、やったモン勝ちだ、
ととある人に教えられて、半ば反発しながらも
受け入れた大学生の頃・・・。
みんな通る道というわけではなかったのだね。
江戸時代の水防とか、大学の基礎研究もそうだけど、
いままでの先人が何百人もかかってようやく築いた基礎を、
その意味もしらないまま無視したり、壊したりするのは、
やっぱり間違ってると思う。
改革は必要だけど、どうしてその方法でやってきたのか、
その意味も知っていないと、連鎖がぶち切れてしまう。
伝えて欲しいし、なにより、知ろうとして欲しいなあ。
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かいじゅうたちのいるところ

2010-02-05 22:51:31 | 映画
どこ映画?
センダックの絵本の映画化。
絵本の存在は知ってるけど読んだことはない。
かんしゃく持ちの少年マックスは、
家を飛び出し、船に乗って見知らぬ島にたどり着く。
そこにいたのは、おおきな頭を持つ二本足の獣たち。
原題は、かいじゅう=Wild thingsだってから、
マックスと奴らが叫んで暴れてたのも頷ける。
すべては子どもの論理で話が進む。
マックスはかいじゅうたちの王様になって砦を築く。
しかし、かいじゅうたちの表情が切ない。
暴れるけど、ホントは寂しい。
ずっと、ご飯を食べる描写がないのが不思議で、
リアリティないなあと思ってたけど、
うちに帰った瞬間食べてたから、演出かな。
説明はなかったけど、きっとどこかで夢を見てたんだろう。
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