遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

ジャコメッティ最後の肖像 ~ヤナイハラ~

2019-07-05 06:49:07 | 舞台、映画、DVD
国立国際美術館の鑑賞教育の研修

対象が「ヤナイハラ」
なかなか、難物

書物も5000円越え。しかも書店でなかなか手に入らない。

そこでネット検索してみると昨年1月に封切られた「ジャコメッティ最後の肖像」!


これ、いいやん。ということでAmazon Primeで検索したら400円で観られる。

ということで観ました。

アメリカの美術評論家ジェームズ・ロードをアーミーハマーが演じている。
ジャコメッティを「シャイン」の鬼才、ジェフリー・ラッシュ!
もう、ジャコメッティにしか見えない!


監督がまた、あのプラダのニコじゃなかったスタンリー・トゥイッチ
この人ほーんと多才。


手っ取り早く、ジャコメッティの晩年を知ることができるし、
どんなふうに制作していたかが、一目瞭然。

すごーくわかった。

矢内原さんて凄く秀才だったんだけど、
ジャコメッティに見初められて、されるようにされて、
そんで妻のアネットさんと三角関係になるんだ。



これは映画の中の矢内原さんとアネット。実際のアネットさんはもっと美人で素敵。


わかるような気がする。
最大の人たらし。いや芸術家か。

出会ったころのジャコメッティとアネットさん。


アネットに新しい恋人ができたら、矢内原も渡仏しなくなるし、
あっ違うか?違う理由があったかもしれない。
それと、ジェームズ・ロードという新たな獲物を捕らえたからかもしれない。

矢内原の肖像


自分の代わりができて、ほっとしたかも知れない。

矢内原は足掛け4年、夏の休暇をほぼ全面、モデルになることに費やしたが、
ロードは18日間で逃れた。こんな言い方で、ごめん、ジャコメッティ。

日本人は我慢強いが、アメリカ人はそれほどでもない。

でもそのあと、だんだん、ジャコメッティは食べるのを少しずつ減らしていく。
食べなくなってきて最後は老衰のように亡くなる。

それって緩慢な自殺だと思う。




いずれにしても、どの作品を観てもやっぱりすごい。

ひしひしと伝わって来るものがある。
人によると「死への恐怖」という意見もあるけど、そうかなー。

私はジャコメッティの、作品を観てるとハンス・コパーの陶芸作品を思い出す。


どちらかというと「死へ向かう」。ハンス・コパーも自死してしまう。


ジャコメッティの初期のシュールリアリズムの作品が何となくあざとく見えてしまう。

実存主義をもっと勉強しなきゃ。

余談ですが、アーミー・ハマーってかっこいいです。

何故かゲイの役が多い。ティモシー・シャラメの、共演した名作
「君の名で僕を読んで」もバイセクシュアルだし。




実生活は4つ上のすごく美人の奥さんと二人の子供に恵まれ、
身長194㎝の長身に加えお祖父ちゃんは大金持ち、
お父さんはどこかの企業のCEO。

俳優になりたいと言ったら家族全員に反対されたそうです。
奥さんとはソウルメートだそうです。

「天は何物も与える」人もいるんだ。の典型です。