連休中日。
松竹座の歌舞伎

「関西で歌舞伎を育てる会」が発足し、道頓堀で関西歌舞伎が再開されてから
早40年。
思い返せば40年前、私は初めて行われた船乗り込みを観に行った。
感無量だった。初心者として観始めた歌舞伎が関西で年に一度は観られる。
その頃は中座が常設で時には朝日座なんて時もあった。
勘三郎一門もよく来てくれた。東西融合のガッツリ芝居が観られた。
そのうち、南座で顔見世以外も花形歌舞伎を演るようになったり、中村座が公演したりして関西の公演数も増えた。
学生時代はよく東京まで歌舞伎座、新橋演舞場はしごで観て夜行バスで往復なんてこともあった。
(遠い目)
名古屋の御園座、神戸市民ホールなんかもよく通った。
近年、歌舞伎会も役者充実時期に入り老若取り混ぜ見応えがある。
そんな中での40周年。
夜の部は珍しい芦屋道満大内鏡通称「別れ葛の葉」
よく観た。学生向けの歌舞伎教室で片岡秀太郎さん、先代芝翫さんや澤村藤十郎さんなんかが演じていた。
とっても切ない話。狐忠信と鶴の恩返しを、足して2で割ったような話である。
最後の子役を抱きながらの左の鏡文字、口で筆を咥えてなどケレンミもたっぷり。
1000年も生きた年上狐と安倍保名との恋もなんとも切ない。
私好きです、この芝居。近年あまり上演されなかったけど。
最後の道行きはあんまり観たことない。
良かったです、時蔵さん。
これ、あんまり若い役者さんだと母性が出ないのですね。不思議と。
当たり前か。
福助さんが倒れてから、毒婦から赤姫まで難なくやれる人が少なかった。
ここでバイプレイヤー的存在として、オールマイティーの時蔵さんが俄然生きる。
女方の役なら何度も及第点が取れる。貴重です、今。
及第点どころか、今回は時蔵さん大活躍と言った感じ。きっと松竹から
「今あんたが頑張ってくれへんかったら、できひん芝居がたくさんあんねん。」なんて
いう殺し文句を言われたと思うくらい良かった。
次の「弥栄芝居賑」は口上の代わり。
これはご愛敬でしょう。
最後の昭和8年初演の「上州土産百両首」は初めて観た。
こういうがっつり芝居は歌舞伎公演でやるべきである。
日本の芝居は生きていると実感する。
ここは捨て身の菊之助がすごい。
初演では、芝翫演じた正太郎を先代菊五郎、菊之助演じた牙次郎を先代吉右衛門。
なんとも贅沢な配役だろう。ここは両方の血を引く菊之助がこの難役をよく演じたと思う。(すごい上から目線(笑))
こういう芝居の上手さを感じさせる出し物を古典に交えて演っていかないと歌舞伎もしんどくなると思う。
時蔵と菊之助の芝居があったからこそ、今回はすごく厚みのある公演になったと思う。
何はともあれ、40周年、めだたい限りである。
昔、後援会に入っていて、何度か楽屋にお邪魔した藤十郎丈も元気で楽には舞台に上がらはると聞いてほっとした。
楽屋でお話を聞いていた時、ふらっと入ってきた今の仁左衛門さんが孝夫だった頃。一緒にトランプを始めはったのを
見たのは夢のような気がする。かれこれ40年前のことです。
松竹座の歌舞伎

「関西で歌舞伎を育てる会」が発足し、道頓堀で関西歌舞伎が再開されてから
早40年。
思い返せば40年前、私は初めて行われた船乗り込みを観に行った。
感無量だった。初心者として観始めた歌舞伎が関西で年に一度は観られる。
その頃は中座が常設で時には朝日座なんて時もあった。
勘三郎一門もよく来てくれた。東西融合のガッツリ芝居が観られた。
そのうち、南座で顔見世以外も花形歌舞伎を演るようになったり、中村座が公演したりして関西の公演数も増えた。
学生時代はよく東京まで歌舞伎座、新橋演舞場はしごで観て夜行バスで往復なんてこともあった。
(遠い目)
名古屋の御園座、神戸市民ホールなんかもよく通った。
近年、歌舞伎会も役者充実時期に入り老若取り混ぜ見応えがある。
そんな中での40周年。
夜の部は珍しい芦屋道満大内鏡通称「別れ葛の葉」
よく観た。学生向けの歌舞伎教室で片岡秀太郎さん、先代芝翫さんや澤村藤十郎さんなんかが演じていた。
とっても切ない話。狐忠信と鶴の恩返しを、足して2で割ったような話である。
最後の子役を抱きながらの左の鏡文字、口で筆を咥えてなどケレンミもたっぷり。
1000年も生きた年上狐と安倍保名との恋もなんとも切ない。
私好きです、この芝居。近年あまり上演されなかったけど。
最後の道行きはあんまり観たことない。
良かったです、時蔵さん。
これ、あんまり若い役者さんだと母性が出ないのですね。不思議と。
当たり前か。
福助さんが倒れてから、毒婦から赤姫まで難なくやれる人が少なかった。
ここでバイプレイヤー的存在として、オールマイティーの時蔵さんが俄然生きる。
女方の役なら何度も及第点が取れる。貴重です、今。
及第点どころか、今回は時蔵さん大活躍と言った感じ。きっと松竹から
「今あんたが頑張ってくれへんかったら、できひん芝居がたくさんあんねん。」なんて
いう殺し文句を言われたと思うくらい良かった。
次の「弥栄芝居賑」は口上の代わり。
これはご愛敬でしょう。
最後の昭和8年初演の「上州土産百両首」は初めて観た。
こういうがっつり芝居は歌舞伎公演でやるべきである。
日本の芝居は生きていると実感する。
ここは捨て身の菊之助がすごい。
初演では、芝翫演じた正太郎を先代菊五郎、菊之助演じた牙次郎を先代吉右衛門。
なんとも贅沢な配役だろう。ここは両方の血を引く菊之助がこの難役をよく演じたと思う。(すごい上から目線(笑))
こういう芝居の上手さを感じさせる出し物を古典に交えて演っていかないと歌舞伎もしんどくなると思う。
時蔵と菊之助の芝居があったからこそ、今回はすごく厚みのある公演になったと思う。
何はともあれ、40周年、めだたい限りである。
昔、後援会に入っていて、何度か楽屋にお邪魔した藤十郎丈も元気で楽には舞台に上がらはると聞いてほっとした。
楽屋でお話を聞いていた時、ふらっと入ってきた今の仁左衛門さんが孝夫だった頃。一緒にトランプを始めはったのを
見たのは夢のような気がする。かれこれ40年前のことです。