テレビは,生放送で始まりました.
カメラの撮像管は,イメージオルシコン管が使われていました.
イメージオルシコンの光電面の面積が
写真の35ミリカメラのフレームと
一緒だったので35ミリカメラ用レンズが
そのまま使われていました.
レンズはニッコール35ミリ,50ミリ,85ミリ,135ミリの
レンズをテレビカメラ用のマウント(パイ・マウント、RCAマウント)に
取り付けて使われました.
テレビドラマのセットのフルショットは,
35ミリレンズで撮ります.
出演している俳優さんのクローズアップは
135ミリレンズでした。
中座の藤山寛美「松竹新喜劇」からの
テレビ中継も生中継でした。
テレビ中継の演目はテレビ放送時間に
合わせて幕を開けました.
いまからはとても考えられません….
… … …
舞台の袖に,テレビを置いて,テレビのAD(エーディ)さんと
劇場の舞台監督(ぶたかん)さんは
前番組の後コマーシャルが終わるのを見守っています.
… … …
時間がきて,テレビに劇場中継の主タイトルが写ります
前コマーシャルが終わって,
スタジオで,芝居の解説(前ふり)を
アナウンサーが喋ります.
.
「それでは、道頓堀・中座からの
松竹新喜劇「××」をご覧ください」
を聞いた劇場の舞台監督(ぶたかん)さんは
舞台袖でブザーを鳴らします.
ADさんは、客席に居る、カメラマンと音声ミキサーに
懐中電灯をグルグル廻して
合図をくれます.
場内は暗転して,幕が開きます.
… … …
劇場中継のテレビカメラカメラが3台です。
レンズ構成は
,
舞台の俳優さんの大写し用に600ミリ,
舞台グルーブショット用に400ミリ,250ミリ,
舞台全体を捉えるのに135ミリのレンズ4本が
レンズターレットに付いています.
カメラで,舞台上の寛美さんをアップで狙うのは
一番長い600ミリレンズを使います。
レンズターレットを廻して、600ミリレンズをのぞくと
ファインダーにじゃじゃボケで何が写っているのかわかりません.
大体ピントを合わせて寛美さんを探します….