カラーテレビカメラになってレンズは
単レンズ・ターレットからズーム・レンズになりました。
イギリスのテーラー・ホブソン製から
キヤノン、フジノンの両社製,国産ズーム・レンズになります。
そして両社のズーム比競争が始まります.
キヤノンがズーム比18倍レンズを出すと、
すかさず、フジノンは22倍を出します.
次にキヤノンは25倍…、30倍…
フジノンはやがて40倍を出します.
テレビカメラのパン棒にスイッチボックスがついています.
スイッチのON・OFFでエクステンダーがレンズの
中間に挿入されるようになっています。
このエクステンダーは写真カメラのズームレンズの
リア・コンバーターと同じものです.
そのスイッチを入れると,プランジャーで
リア・コンバーターがレンズに挿入されます.
一般のズーム・レンズと同様、エクステンダー(リア・コンバーター)を
入れると,レンズの開放絞りは暗くなります.
2倍のエクステンダーでは絞り開放のレンズF2→F4になります.
1,4倍のエクステンダーではF2→F2、8に暗くなります.
また、ズームレンズは望遠端にズーム・インすると、
開放F値が暗くなります.
ナイター野球中継で暗い球場の場合は,
中継車内の映像技術者から
望遠端のズーム・インは使えません.
エキステンダーも無理です…などと言ってきます.
ピッチャー、キャッチャー,バッター,野手の寄りのサイズが
ルーズになります。
… … …
キヤノンとフジノンのズームレンズの外観は
目立たない暗い色に塗られていましたが、
倍率競争になって
温度に影響されやすい新種光学レンズ(蛍石など)を
使うようになりました。
レンズの外観は両社とも白いクリーム色になりました。
暗い色彩だと気温に影響されるのでしょう.
夏の服装が白っぽいのと似ています.
デジタル一眼レフ用の望遠ズームレンズも、
白っぽい色をしています。
カラーカメラは技術革新(ソリッドステート)で
どんどん価格が安くなっていきます.
しかし、ズーム・レンズは光学ガラスの塊ですから、
カメラとレンズの価格に釣り合いがとれなくなってきます.
ズームレンズの価格を維持するのにズーム比の倍率を
上げざるを得ないのでしょう。