テレビカメラの側板を開いたところに、
カウンターがついています.
家庭の電気のメーターのような形をしています。
テレビカメラに電気が入りますと,
このカウンターからジーッとモーター音が聞こえます。
このカウンターでカメラの通電時間を計ります.
新しく「イメージオルシコン管」や「プランビコン管」を
カメラに取り付けたときにカウンターの目盛を記録します。
このカウンターが一定の時間を表示すると
「イメージオルシコン管」「プランビコン管」の
賞味時間が終わります.
そのカメラの撮像管を取り換えることになります.
モノクロの「イメージオルシコン管」は1本でしたが、
カラーカメラでは,「プランビコン管」が3本(赤・緑・青)を
替えなくてはなりません.
「イメージオルシコン管」も「プランビコン管」も
1本が××万円しましたから大変です。
… … …
モノクロ用の「イメージオルシコン管」は東芝で、
カラー用の「プランビコン管」は松下電器
(現・パナソニック)で国産化されました.
カラーカメラのレンズの話です.
フィリップス・カラーカメラのテーラー・ホブソン製の
バロタール・レンズのズーム比は10倍でした。
… … …
間もなく,キヤノンでズーム比18倍の国産レンズが作られました.
… … …
富士フイルムの関連会社に富士写真光機(株)(現・フジノン)が
あります。
この会社は、カメラやレンズを作っていました.
劇映画用のシネクリスターというレンズで実績があります.
この会社が,カラーカメラ用のズームレンズ製作に参入してきました.
キヤノンの18倍に対抗して,
冨士(フジノン)は22倍ズームレンズを出しました.
次にキヤノンは30倍のズ゜ムレンズを作りました.
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キヤノンとフジノンでズームの倍率競争に突入します.
45倍,50倍とエスカレートしていきます。
… … …
今は、どちらのメーカーのレンズの倍率が高いのか知りませんが,
101倍になっているはずです….
120メートル離れた甲子園の外野のカメラで、
キャッチャー、バッターの大写しが撮れるはずです.