■■連載小説 経営コンサルタント竹根好助の先見思考経営 28
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【本書の読み方】
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。
ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあるかも知れませんので、ご容赦ください。
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■■ 3 アメリカ初体験 4
【回想1】
日本語のアナウンスを依頼したが、日本語をしゃべれるスタッフは、アナウンス部門にはいないという。今ならロサンゼルスやサンフランシスコの空港には日本人があふれていて、日本語のアナウンスも日常的になっている。
そこで、竹根自身がアナウンスをしたい旨を伝えたが、そのようなことは許されないという。ボブにも薬である、チップが必要なのだと思って、薬を差し出すと、例外を認めてくれるかどうかわからないが掛け合ってくれるという。
アナウンス係の責任者にも掛け合ってくれたというがアナウンスは許されなかった。その責任者にと二十ドル紙幣を渡したら、再び竹根を残して掛け合いに行ってくれた。ところが、十分、二十分と立っても一向に戻ってこず、ボブと二度と会うことはなかった。
そんなときに、日本人のスチュワーデスらしい人が通ったので、竹根が声をかけた。日本航空の地上職員であった。状況を説明したところ、彼女によると、ボブはアナウンス係には全然掛け合っていないだろうというのである。最初の女性係員が動いてくれたときには、チップの威力をまざまざと感じたのであるが、ボブにはすっかりだまされたようである。
『これがアメリカなのか』とまだアメリカに来たばかりの竹根は思い知らされた。『前途多難だ、この俺に本当にアメリカで仕事ができるのだろうか。』と心配になった。
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