おけいこ場の三つの基本を大切にしながら…。
「日本舞踊の着付け、浅草西会館講座」は、8月22日(水)に、楽しく行われました。
今回の午前の講座では、「裾引きの着付けの基本」と、「花柳流の後見結び」が行われました。
また、午後は、「男の角帯の三種類の結び方」と、「関東芸者(柳結び)」の講座が…。
参加したのは、向島の芸妓さん・木更津の芸妓さん・着付け教室の先生方・花嫁の着付け師が参加され、おけいこされました。
私たちの指導の基本は、①時代考証を学びながら、②舞台裏の現場に役立つ、③楽しいおけいこ です。
笑いの絶えない楽しいお稽古場だからこそ、いろいろな質問や疑問も出来るわけです。
イベントの担当者もご見学に…
当日は、イベントを受けている会社の担当が、見学にお見えになりました。
講座の内容もお話しさせて頂きました。
結論は、じっくりお考えになったうえでお出し頂くようにお願い致しました。
鬼が笑いますが、…浅草西会館の、来年の講座日程も内定致しました。
11月くらいの本ブログでお知らせ出来ると思います。
「日本舞踊の着付け、浅草西会館講座」のお問い合わせは、
090-4489-9745 いちき までお電話頂ければ、ご説明をさせていただきます。
楽しい…人に教えたくない私だけの技術にしたい。
浅草で行なわれている、「日本舞踊着付けの浅草西会館講座」が、7月19日(木)に行なわれました。
当日は、着付け教室の先生方や、花嫁着付けの着付け師などが参加されました、
この日のカリキュラムは、「両角の後見結び」や、「舞踊の男袴の着付け」、「つの出し結び」をおけいこされました。
おけいこされている着付けの先生に、講座の感想をお聞きすると…「時代考証を学べて楽しいです。」、「ここで学んだ技術は人に教えたくない私だけのものにしたい…」などとおっしゃっていました。
千花さんが衣裳方に初挑戦!➠しっかり出来上がりましたよ。
さて今日は、芸妓の千花さんが、「衣裳方・初級の認定試験」に挑戦されました。
浅草講座が始まって半年が過ぎ、浅草で初めての認定試験を受けた千花さん。
緊張の中で、①「前割れ後見の着付け」 ②関東芸者「裾引きに柳結び」 ③舞踊着付けに関する「筆記試験」の三つの課題に挑戦!
きれいに出来上がりましたよ。
自分の腕一つで、人にいろんな衣裳を着せてあげられるなんてすごい…
浅草講座で、はじめての衣裳方の認定試験を受けた千花さんが、衣裳方初級コースを学んだ感想を寄せてくれました。
「着付けから、日本の歴史、時代背景まで知ることが出来ました。」
「とても勉強になり、テレビの時代劇や歌舞伎を見るのが面白くなりました。」
「自分の腕一つで、人にいろんな衣裳を着せてあげられるなんてすごい…」とおっしゃっていました。
関東芸者の柳を結ぶ千花さん
着付けの基本から、「裾引き」、「後見」などを楽しく指導
1月から始まった、「浅草西会館講座」も、6月のおけいこを迎えます。
この間に、関東の芸妓さんや着付け教室の先生方が、舞踊の着付けを学ぶ仲間になって頂きました。
普段の着付けと日本舞踊の着付けは、似て非なるもの。
今回は、「着付けの基本」や「裾引きの着付け」、「両角の後見結び」などを、三人の講師とともに、楽しく学んでまいります。
合理的な手法に、「目からうろこ」
これまで、日本舞踊の舞台裏の着付けは、歌舞伎と同じく男性の(衣裳方の)職場。
一般には公開されることもその必要もありませんでした。
学んでみると分かるのですが、普段の着付けにも大いに役立つ合理的な技術が数多くあります。
着付けの先生方が、「目からうろこ」とおっしゃるのは、これまでの経験では気付かなかった合理的な手法を、講座で見つけた時です。
「もっとゆっくり結んで…早過ぎてわからない」とお叱りを受けます。
それは、「普段の着せ付け」と、「舞台裏で早代わりをしたり、番組進行に追われる衣裳方」では、流れる時間が違うからだと思われます。
職人のワザは盗むもの…教えない世界
昔から、職人が自分の技を他人に教えることはありませんでした。
以前、松竹衣裳の海老沢さん(現社長)が、「つの出しは教えますが、帯の中の手の動きは教えません。」と言われていました。
先輩の手元を見て、想像力を膨らませ、盗んで覚えるのが常識の世界。
私は、京都の小林衣裳店の大先輩に、いつも着付けの現場を見せてもらっていました。
利益にもならないよそ者の私にですよ。信じられないことですが…。
邪魔にならない所で、質問なし、メモなし、イスなしは当然のこと。
舞台裏で、ただただ一日中、立ったまま、見せてもらう…
有名な大先輩の仕事を一日中見せてもらう。なんとありがたいことでしょうか。
質問したい事は山ほどありましたが、質問しなくても解答が目の前に現れるのですから、一日立っていても楽しくて…。
見せてもらったときは、目で見て盗んだ記憶を忘れないように、帰ってから必死でノートをしたものですが、結局、問題を抱えていたものだけが、記憶とワザに残されていきました。
その衣裳方も体調がが思わしくなく、数年前にリタイヤされました。
これまで盗んだもん、返してや!
先日、その方の相棒だった方と、舞台衣裳の打ち合わせでお電話をする機会がありました。
彼が笑いながら、京都弁で曰く、「いちきさん、これまで盗んだもん返してや!」。
いつかご恩返しはしたい…そう思ってはいるのですが、何せまだ未熟で。
もうしばらくお待ちを!
私たちは、何事によらずいろいろな方に教えてもらい、お世話になってお勉強させてもらいます。
その方々から盗んだものを、少しでも多くの方に学んでもらって、次世代に伝えていけたらと考えています。
浅草西会館講座は、そのためにあると思っています。
興味がおありでしたら、あなたもどうぞお越しくださいませ。