きつけ塾 いちき

「きもの」の袖に手を通す時に、「ときめき」を感じる日本の女性たち。
この「胸の高まり」は、いったい何なのでしょうか。

小裂で作った和の小物、大阪から…part3

2012-05-25 13:55:52 | 和の小物
糸も針穴に簡単に通す「中川とし」さん
戦前戦後の90年の人生で、娘二人、孫8人、ひ孫2人に恵まれた、大阪・十三で一人暮らす中川としさんは現役の和裁士。
宮崎きもの学院の講師でもある、娘の林朋子さんは、「きものを仕立てている時の母は真剣で怖かったのを覚えています。特に、きものの生地にヘラを当てている時は近寄れませんでした。」と当時を振り返ってくれます。
今でも針穴に糸を簡単に通します。三回にわたって掲載させて頂いたとしさんの小裂の小物は、そんなプロの技術に裏打ちされたものなのです。

蕗の薹(ふきのとう)、アサガオ、ツバキの三種です。
下に写真は「ふきのとう」。色と風合いが何とも言えません。
「アサガオ」のうすいピンクもいいでしょう。手に取って見たくなる作品です。
「ツバキ」の花びらの生地は選んだ生地がツバキの微妙な色合いを表現していると思いませんか。
最後の一枚は、琴爪入れの小箱は含まれていませんが、今回ご紹介した作品を集めたものです。
   
素敵な作品を提供して頂いた中川としさんと、林先生に感謝致します。ありがとうございました。

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小裂で作った和の小物、大阪から…part2

2012-05-25 13:02:31 | 和の小物
今でもシングルで暮らす、十三のとしさん
90才の中川としさんは、現在でも大阪の自宅で一人暮らし。
幼い時に母親が他界し、十代の時に大好きだった父まで亡くして、強く生きてきた女性の片りんを見る気がします。

琴爪入れを精魂込めて
下の写真は、琴の爪を入れる小箱です。
後ろのの琴は、印刷したイラストなので小物が大きく見えますが、本当は「ヨコ7cm」「奥行き4cm5mm」「高さ6cm」というかわいいものです。。
昔の琴爪入れを復刻したもので、置いているのが琴爪。右の平たい板状のものは、つまみ細工を施した中蓋の裏面で、おしゃれな粋さを感じます。


乱菊とアジサイ
次の作品は、乱菊とアジサイです。
縮緬地で作られた、乱菊の花びらの一枚一枚の作りが見事というほかありませんし、アジサイの表現も素敵で、白地の縮緬の柄を選んで、微妙な質感を表現した作品です。
和裁士ならではの和の小物だと思います。
 

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