きつけ塾 いちき

「きもの」の袖に手を通す時に、「ときめき」を感じる日本の女性たち。
この「胸の高まり」は、いったい何なのでしょうか。

成人式の振袖着付けが無事にすみました。

2014-01-13 20:11:11 | 振袖着付け
150名の新成人を着付け…
「きつけ塾いちき」の、1月1日(元旦)に始まった振袖着付けは、3日(金)と12日(日)の成人式まで、約150名を着付けをさせていただきました。
この着付けには、平成25年からお勉強を始めた新人の着付け師から、この道35年のベテランまで、宮崎・鹿児島・福岡の約25名の着付け師集団がかかわりました。



上達への道は…「勘(感)を磨き、くり返しの熟練…」
今年も、振袖を通じて多くの皆さまとの出会いをさせていただきました。
着付けをさせていただく皆さまに、最高の技術を提供するわけですが、その着付け師の技術を高めるために何が必要でしょうか。
これから着付けを学ぶ方に知ってほしい幾つかの事を書いてみたいと思います。

着付けが好き=着付けを身に付けたい方にとって、着付けが大好きになっていただく事は絶対条件です。
仕事に必要だからお勉強したいという方も、着付けの楽しさをわかってもらえなかったら、長続きをしませんし上達にも時間がかかります。
勘(感)を養うこと=街を行く振袖に興味を持ち、観察をしてセンス、つまり感性の「感」を磨くことです。
着付け技術は職人の技です。着付け技術における職人の「勘」は教えることのできないもの。個人の努力でしか培えません。がんばれば、この感性の「感」と職人の「勘」は、多くの経験を通して養われるものです。
くり返しの熟練=私どもの「きつけ塾いちき」では、「十二単」や「時代風俗衣裳」、「歌舞伎衣裳や日本舞踊」などを専門に着付けさせて頂いている関係で、前後二人での着付けが基本です。その方が早くてきれいに着付けられるからです。
ベテランの着付け師二人が着付けをすると、振袖の着付けを補整から帯結びまで7~8分、遅くても10分で完了します。
これは特別のことをしているわけではありません。「同じ作業を二度しない…無駄な動きをしない…着付けの作業に静止する時間をつくらない…考えてながら動かない…」などがそうです。
これらは、成人式だけではなく、一年を通じて着せ付けをし続け、熟練のくり返しの中で生まれるものです。
日本舞踊の着付けなどしなくても、振袖着付けのない時期に、くり返しお稽古して経験を積んでこそ上達するものです。
熟練の技は、成人式が迫ってから慌ててお稽古しても身に付くものではありません。
着付けの環境=最後に着付け環境の問題です。
着付けをするときに使う「腰紐」やベルト、補整用のタオル、帯枕に巻くガーゼなどは、着崩れしない着付けをするために欠かせないものです。腰紐などは材質を落としたりすると着崩れの原因などになります。
しかし最近、貸衣裳の業界では、利益を優先するあまりその質を落としたり、削減しているところまであります。建築物に例えると「手抜き工事」…。手抜きなどしない着付けの環境も着付けには欠かせないのです。



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