欠かせない小道具のひとつです。
舞踊の着付けに行くと、踊る時の形を崩さないために、衿止めや衣紋の箇所を長襦袢の衿ときものの衿を、糸で固定します。
能衣裳などは留める箇所が多いのですが、舞踊も例外ではありません。
長襦袢の衿などが衣紋から出てくると、野暮ったくなること請け合いです。
松竹衣裳や京都の衣裳屋さんの本格的な拵えで着せる場合はなおさら糸で留める必要があります。
これらの衣裳は生地が厚くて、針が通りにくく、ピンチの腹の部分で押し込むのですが、すべって危険な場合があります。
こんな時に使っているのが十円玉の指貫です。
この指貫は、名古屋の有松絞りに伺った時に、「縫締め絞りの職人さん」に頂いてから使い出したものです。
いまでは、着付けに欠かせない私のアイテムです。
使ってみると、使い易い人と使い難い人に分かれるみたいですが、十円で出来る小道具ですから、挑戦してみてください。
五円玉を上に重ねて使うと、針の頭が逃げないので安全です。右側の赤い指貫の真ん中が凹んでいるのが五円玉です。
(※)決してケチって、五円玉だけで作らないでくださいね。ケガをします。
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