北朝鮮 小型木造漁船による遠洋漁業禁止発令

２０１９年０４月１０日
北海道機船漁業協同組合連合会　原口聖二
[北朝鮮　小型木造漁船による遠洋漁業禁止発令]
北朝鮮が、本格的漁期を前に、公海等、遠洋漁業に小型木造漁船が着業することを禁止する命令を発した旨の情報が確認された。
自由アジア放送（RFA）が本日２０１９年４月１０日伝えた。
情報によると北朝鮮は、小型木造漁船が公海等、遠洋漁業に着業することを禁止し、東海（日本海）近海のみで操業する緊急措置を発した。
RFAは北朝鮮の内部消息筋のインタァヴューを引用、同国小型木造漁船の公海等への出漁を厳禁し、発覚した場合、厳重に処罰する方針を下したが、東海近海は水棲生物資源が枯渇した状態で、漁業者の生活が憂慮される状況だと伝えた。
咸鏡北道の消息筋は、RFAとのインタァヴューで各水産部門機関、事業所、協同組合が、一斉に“タコ”（北朝鮮でイカ）漁を始める5月から小型木造漁船の遠洋漁業を禁止するという内容の内部方針を通達したとし、具体的には、100馬力以下がその対象だと語った。
この消息筋によると、北朝鮮が方針を決めたのは、昨年2018年、北朝鮮の小型木造漁船が数十隻遭難、日本の海域に流れていった事件が発生し、再発防止のためとしている。
消息筋は、これまで、ロシアや日本に近い海域で、イカのほかに、スケトウダラ、ズワイガニ、エビなどの高い価値の資源を漁獲できたが、この措置で大きな打撃を受けることになり漁業者は困惑していると加えた。