2019年09月30日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国海洋水産部 トロール漁船と釣り漁船のイカ共助操業集中取締]
韓国海洋水産部は昨日2019年9月29日、*“トロール漁船と釣り漁船のイカ共助操業”などの違法漁業について、翌10月に集中取締活動を展開すると発表した。
今回の取締活動には、海洋水産部のほか、漁業管理団、自治体、海上警察、水産協同組合などが参加し、漁業指導船50隻が投入される。
トロール漁船と釣り漁船のイカ共助操業のほか、無許可操業、操業禁止区域侵犯、違法漁具使用、稚魚の違法捕獲などが重点対象となる。
海洋水産部は、未成魚保護のため、水産資源管理法と同法施行令で、魚類25種、甲殻類5種、貝類6種、その他の3種など39種の体長制限と重量制限を設定している。
洋上での取締活動には限界があるため、陸上班10チームを編成して水協販売、卸売市場、刺身店など流通・販売行為についても監視を行う。
海洋水産部は、今回の取締活動で摘発した違反事項について直ちに法的手続きを行い、漁業許可取り消し、または停止などの行政処分も課すとしている。
漁業資源政策官チェ・ヨンソクは、慢性的な問題となっているトロール漁船と釣り漁船のイカ共助操業などの違法漁業や流通行為を根絶するための取締活動を継続して近海水産資源を保護し、漁業秩序を確立していくと述べた。
(報告担当者 原口聖二)*トロール漁船と釣り漁船のイカ共助操業は、釣り漁船が集魚灯を照らす中、トロール網を引き行われる。漁獲物はトロール漁船が販売することになるため、トロール漁船側が釣り漁船に対価を支払う。二つの漁業種間の「取引」は、摘発を避けるため、主に第3者の口座を利用したり、直接現金でやり取りするほか、金券も利用される。
(関連過去情報)
2018年04月20日 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国 トロール漁船と釣り漁船のイカ共助操業 違法のメカニズム]
イカ資源の急減が指摘されている傍ら、韓国ではトロール漁船と釣り漁船の違法なイカ共助操業が横行している。
これらを取り締る必要がある東海漁業管理団の漁業監督公務員も船主等から金品や接待を受け、取締情報を事前に漏えいする不正行為をして摘発され衝撃を与えている。
浦項海洋警察署は、東海海上で違法共助操業を行ってイカを漁獲した大型トロール漁船7隻とイカ釣り漁船58隻の船長など71名が水産資源管理法違反などの疑いで検挙した。
違法共助操業はイカ釣り漁船が集魚し、大型トロール漁船がその魚群を漁獲する等して行われる。
違法共助操業は、昨年2017年7月から今年2018年1月まで合計422回行われ、イカ1,970トンを漁獲、87億ウォンの不当な利益を得ていた。
このうち16億ウォンは、大型トロール漁船側からイカ釣り漁船側に支払われた。
海上警察などによると、海洋水産部所属機関東海漁業管理団の違法操業取り締まり公務員は漁船船主等から金品や接待を提供されてイカ共助操業を黙認していた。
大型トロール漁船は原則として東経128度(慶南三千浦項付近)を超えた南海東部と東海では、操業できないにもかかわらず、当該海域でイカ共助操業が行われていた背景として、この漁業監督公務員の行動があると見られている。
2018年04月19日 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[賄賂を受け情報を流した韓国漁業指導船の船長が摘発される]
違法操業の幇助を目的に、取締計画を事前に漁業者に漏えいした韓国指導船船長(事務官)が海上警察に摘発された。
漁業指導船の船長が取締関連で賄賂を受けて拘束され捜査を受けるのは初めてである。
釜山海洋警察は2018年4月18日、取締情報を事前に知らせる対価として金品を受け取った疑い(収賄・公務上の秘密漏洩)により東海漁業管理団漁業指導船“ムグンファ”の船長Aを拘束した。
また、漁業者Bなど、Aに金品を与え、浦項、釜山、統営などで違法操業をした20名を書類送検した。
Aは、昨年2017年4月から2018年3月まで漁業者から30回にわたり、計2,330万ウォンを常連客となっている居酒屋の社長Cの口座を経由し受け取り、違法操業などを見逃した疑いを受けている。
海洋警察の調査の結果、Aは、主に東海と南海一帯で、イカ釣り漁船が集魚し、大型トロール漁船がその魚群を漁獲する違法操業を黙認、沿岸では、漁船の取締計画などを事前にBなどに教えていたことが確認された。
大型トロール漁船は原則として東経128度(慶南三千浦項付近)を超えた南海東部と東海では、操業することができないが、最近、イカ釣り漁船が集魚し、大型トロール漁船がその魚群を漁獲する違法操業が横行していたとされる。
この違法漁業の背景に賄賂を受けた漁業指導船があると見られている。
さらにAは、“国家漁業指導船行動計画”を漁業者Dの携帯端末に事前に転送していた疑いも受けている。
Aが漏えいした行動計画に、出港日時、活動海域などが詳細に書かれていた。
海洋警察の関係者は「違法操業の漁獲量を確認し、取締船と漁業者間の癒着疑惑を更に確認する」と述べた。
2017年08月04日 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国 トロール漁船と釣り漁船の違法イカ共助操業 取締は容易でない]
違法にイカの共助操業を行ったトロール漁船と釣り漁船の漁業従事者36名が海洋警察に検挙された。
イカの違法共助操業は、洋上で密かに行われ、取締が容易ではない。
東海海洋警察は2017年8月4日、西海海上でイカの違法共助操業(水産資源管理法違反)により63億ウォンの不当利益を得た疑いで、大型トロール漁船船主A(54)と船長B(54)、加担した釣り漁船船長C(54)など36名を検挙した。
東海海洋警察によると、釜山出荷の大型トロール漁船の船長Bは、2015年から今年2017年2月まで釣り漁船が集魚灯を照らす中、355回にわたってトロール網を引き、2,100トン以上のイカを漁獲した。
違法共助操業により稼いだ収益は63億ウォンに達する。
違法共助操業には江原道と慶北出荷の釣り漁船20隻が加担したことも分かった。
これらの釣り漁船は対価としてで約11億ウォンを受け取っていた。
違法共助操業を遂行するため、トロール漁船側はいくつかの釣り漁船に数千万ウォンのプリペイドを支給、釣り漁船の集魚灯設備を交換したり、超過漁獲すること等を事前に約束していた。
光に集まるイカの特性を利用し行われた。
釣り漁船が集魚灯の光でイカを集め、トロール漁船がイカを大量漁獲する方式である。
しかし、現行法は、これを厳格に禁止している。
海洋水産部東海漁業管理団もイカの価格が急騰し、違法操業が横行すると予想、大々的な取締を予告していた。
しかし、二つの漁業種間の「取引」は、ますます巧妙な方法で行われ、取締が容易ではないのが実情である。
これらの取締を避けるために、主に第3者の口座を利用したり、直接現金を支給する方式で取引されていた。
東海海洋警察は、今回の取締のために8ヶ月間粘り強く、販売代金の分析と金融口座を追跡した。
産業界のある関係者は、もう少し厳しい取締活動と強力な処罰が必要だと述べ、それが無ければ今後も同様の事件は起きると加えた。
韓国国家統計ポータルによると、昨年2016年、大型トロールが漁獲したイカの量は4万5,542トンで、当該魚種の総漁獲量の37.5%を占めている。