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2012年11月10日
ユ-ザ- 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、ロシア漁業庁長官クライニーは、2012年10月17日、記者会見を行い、今秋、IUU漁業(密漁密輸)防止協定に署名したにもかかわらず、日本当局は、ロシアからの密漁密輸カニを防ぐための十分な対応をせず、日本の港を経由して韓国へ搬入される等の流通が増加していると語りました。また、クライニーは、現在も毎月300-600トン、ロシア海域のカニが、カンボジア、ベリーズ、グルジア等の第3国船により密漁密輸されており、その背景に、日本が発給する書類を根拠に、日本を経由して韓国へ搬入される流通もあると指摘、署名した、ロシアと日本のIUU漁業防止協定が発効するまでの、この2-3ケ月間についても、日本当局は秩序回復のための対応を待つ必要はなく、今後、この問題が改善されない場合には、日本と韓国に対し、ロシア排他的経済水域における水棲生物資源の漁獲割当を与えない可能性があると言及しました。
前月に引き続き、今後の日ロの水産分野の協力に大きな影響を及ぼす可能性のある、この問題を、今月号のTopNews としてご報告申し上げます。
なお、ロシア漁業会社を実質支配し、ロシア海域のスケトウダラの漁獲枠を不当に管理しているとされる中国企業“パシフィックアンデス”(PacificAndes International Holdings)が、ロシアの水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)と主要事業を合弁で行う可能性がでてきたと伝えられました。“パシフィックアンデス”の展開に関する問題を、ロシア政府が平和的に解決させるためのシナリオとみられ、2012年10月7日からの週、石油トレーダーで“ルスコエモーレ”主要株主のチムチェンコとロシア第1副首相シュバロフが、この件について協議したとされます。今後の極東漁業に波紋をよぶ問題と位置づけ、この件についても集約して、お知らせ申し上げます。
(*11月下旬から東京において日ロ漁業委員会第29回会議が開催予定で、報告担当者も当漁業委員会に交渉団随行員として参加の可能性があり、例年どおり、12月号は新年1月号との合併号とさせていただきます。今年も変わらぬご愛顧をいただき、誠にありがとうございました。) 敬具
Contents
・TopNews ロシア漁業庁が密漁カニ流通の新たな物流を指摘
・ロシア 韓日に「スケトウダラのクオータ中断」警告
・ロシアは日本と韓国の漁獲割当拒否で脅かす
・日本と韓国への漁獲枠は確保するが提供は抜本的改善が見られた時
・ロ米漁業委員会に漁業庁副長官ファミンが出席 IUU漁業防止を協議
・ロシアから日本への密漁カニ停止が始まる
・“特別な憤り” IUU漁業防止協定違反の場合 日本と韓国の漁業者は漁獲割当を失う
・ロシア 韓国と日本に漁業枠割り当てない可能性
・日本当局はロシアからのカニ密漁密輸を防ぐための対応を十分に行っていない
・ロシアとカナダによるIUU漁業防止覚書の公式手続きが始まる
・ロシア漁業庁は中国とのIUU漁業防止協定署名のため譲歩を検討する
・第7回国際漁業者会議のテーマは“WTO” ロシア漁業者は外国の経験に学ぶ必要がある
・ロシアのWTO加盟、最初の1ヶ月を振り返る
・問題解決のため“パシフィックアンデス”と「ロシアの海」が合弁へ
・極東漁業会社と業界団体の独禁法公判審理が10月23日に設定される
・中国企業“パシフィックアンデス”の株価低迷
・中国企業“パシフィックアンデス”はロシア漁業会社への資本提携をあらためて否定する
・ロシア独占禁止庁が極東漁業会社と業界団体を提訴
・ロシアスケトウダラ漁業者協会の活動は独占禁止法に違反している
・南クリール漁業区のシロザケの生産量が約4,200トンとなる
・ロシア漁業者による太平洋サケマス生産が42万トンに達する
・ロシア漁業者のサンマ漁獲量が5万5,200トンとなる
・サンマ豊漁で追加処理能力が公募される
・ロシア漁業者のサンマ漁獲量が約4万5,800トンとなる
・ロシア漁業者のサンマ漁獲量が3万6,800トンとなる
・ロシア漁業者のサンマ漁獲量が3万5,100トンとなる
・ロシア漁業者のサンマ漁獲量が約3万トンとなる
・カムチャツカ水産業は三井物産と投資プロジェクトを検討する
・沿海地方国境警備局が違法活タバガニ所持のカンボジアFOC船を拘束
・中国向け旅客バスで運転手がナマコ密輸を試みる
・ロシアFSB連邦保安庁が科学調査漁獲物販売を申し出る
・極東漁業者団体調整協議会会長にズベレフを再選
・カムチャツカでトリバルコミュニテイのイクラが押収される
・サハリン国境警備局がカニ密漁密輸FOC船を拘束
・沿海地方国境警備局が密漁密輸カンボジアFOC船を拘束
・中ロ国境のハンカ湖で中国漁民4名が拘束される
・サハリン州知事ホロシャビンとベルホフスキーが択捉島事業を視察
・極東開発相イシャーエフが水産物違法輸出に懸念を表明
・サハリン・クリール海域の2012年9月期操業レヴュー
・ロ中国境のハンカ湖で中国人が大規模な密漁、約3km分の漁網を没収
・北太平洋溯河性魚類委員会ホスト国代表をロシア漁業庁副長官ファミンが務める
・ロシア漁業者による今漁期漁獲量が約320万トンに達する
・ロシアと米国の国境警備当局が協力協定合意
・ロシア中国合同漁業取締活動が行われる
・ロシア極東からモスクワへの水産物冷凍貨物のトラック輸送が拡大
・日中問題から露中関係を考える“世界政治の中のロシア”
・ロ日操業においてイトヒキダラとサンマ漁業の操業条件の改善を求める
・クリール列島海域の漁獲量が前年を42%上回る
・ペトロパブロフスクカムチャッキー港を北極海航路拡大で物流のハブに
・農相フョードルフが択捉島を訪問
・沿海地方国境警備局がカニ密漁密輸カンボジアFOC船を拘
・北朝鮮漁船、韓国領海に侵入
・ロシア政府は新しい水産業再構築計画を承認する
・水棲生物資源保護と国家安全保障に関する会議が開催される
・農相フョードルフがカムチャツカへ出張
・オホーツク海においてロシア冷凍運搬船が沈没
・モスクワの日本食スーパー「ジャプロ」15年以上賞味期限切れ商品を販売