2019年05月29日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[色丹島の漁業コンビナート“アストロブノイ”がスキャンダルの中心となる]
色丹島の漁業コンビナート”Островной”(アストロブノイ)がスキャンダルの中心となっている。
ロシア一般紙(WEB)が伝えた。
サハリン州元水産担当副知事Игорь Быстров(イーゴリ・ビストロフ)がサンクトペテルブルグで逮捕され、身柄がハバロフスクへ移送されている。
現在も拘束されており、刑事起訴された。
ビストロフは、破たん状態にあった色丹島の漁業コンビナート”アストロブノイ“を再建するための任務において、法的権限を越えた(刑法286条:重大な結果の原因となる公権力の超過)疑いがかけられている。
ビストロフがどのように公務権限を越えたのかはまだ明らかになっていない。
(関連過去情報)
2017年07月07日 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[南クリールの先行発展特区“ТОР”への投資の根拠は色丹島“アストロブノイ”]
2017年7月5日設立が決定された南クリールの先行発展特区 “ТОР”(Территории Опережающего Развития)の根拠は、色丹島の漁業コンビナート”アストロブノイ”(Островной)だとサハリン一般紙(WEB)が伝えた。
”アストロブノイ”への投資プロジェクト計画は約50億ルーブルとされている。
プロジェクトは、冷凍・冷蔵水産物、缶詰、食品の生産・物流のための複合体の建設で、製品は、ロシア国内市場ばかりでなく日本、中国、韓国等のアジア太平洋諸国へ向ける計画となっており、島内で1,000人の雇用創出を見込んでいる。
また、プロジェクトは3段階で展開され、第1段階は今年2017年、護岸工事、管理棟、寮の修復、第2段階は来年2018年、新たな缶詰工場の建設と加工プラント、ラインの設置、1万5,000トンの処理冷蔵庫、管理棟の建設となっている。
更に、最終段階となる2019年には、マダラ、太平洋サケマス等を対象とするロボット化された高次加工設備の導入を計画としている。
なお、ロシア極東発展省は、この“ТОР”は、“2016年から2025年までのクリール列島社会経済発展計画”の枠組みによるものだと指摘している。
2017年07月07日 サハリン発
[色丹島アストロブノイが債務完済 設備投資へ]
昨年2016年春、経営破綻し操業継続が危ぶまれていた色丹島漁業コンビナート”アストロブノイ”(Островной)が、その債務を完済したとサハリン一般紙(WEB)が伝えた。同コンビナートは同年9月操業を再開、単一シフトあたり10万缶の缶詰出荷が可能で、従業員への賃金支払いも月2回、遅滞なく行われている。
また、同コンビナートは、イワシ・サバ資源の出現にあわせて、新たに4つの新工場を建設すること等の設備投資を計画している。
2017年06月30日 北海道機船漁連内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[共同経済活動調査水産分野 色丹島ではアストロブノイを視察]
日本のビジネス代表団(北方領土日ロ共同経済活動調査団)は、本日2017年6月30日、色丹島で漁業コンビナート”Островной”(アストロブノイ)等を視察した。
2017年06月13日 モスクワ発
[インテルルイブフロートはスルメイカ漁業拡大を目指す]
今年2017年漁期、色丹島の漁業コンビナート”アストロブノイ“(Островной)の再建に関わる“インテルルイブフロート”(Интеррыбфлот)社は、イワシ・サバに加え、イカ漁業の拡大を計画している。
昨年2016年、“インテルルイブフロート”社は、2,700トンのサバと、2,000トンのスルメイカ(Тихоокеанский кальмар:チホーオケアンスキー・カリマル:太平洋イカTodarodes pacificus)を漁獲した。
これまでロシア市場では、ドスイカ(Командорский кальмар:コマンドルスキー・カリマル:コマンドル・イカ Berryteuthis magister)はロシア国内で良く知られていたが、スルメイカはほとんど知られていなかった。
同社は、スルメイカについて、韓国、日本、中国で大きな需要があり、当該資源へのアクセスは極めて要望だとしている。
2017年03月29日 モスクワ発
[色丹島は投資クオータの活用を準備する コンブ生産施設整備を計画]
ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフは、色丹島の水産業界の代表者らと会合し、水産分野の発展等について協議した。
この中で、一度経営破たんした、漁業コンビナート”Островной”(アストロブノイ)の再建に関わった投資グループ “Курильский универсальный комплекс”(クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス)の貢献が報告された。
また、やはり“アストロブノイ”の再建に関わっている、“Интеррыбфлот”(インテルルイブフロート)代表ミハイル・ザイツエフは、フィッシュミール・魚油工場と白身魚対象の加工場の建設、港湾インフラ整備等に加えて、コンブ生産のための施設整備にかかる計画を示した。
更に、地域ファンド“Родные острова”(ロドヌイ・アストロワ)理事ドミトリー・パショフは、今後の色丹島の水産加工業発展のため*投資クオータの活用を提案した。
(*報告担当者 原口聖二:投資クオータ)
今年2017年から申請受付が開始される2019年の漁獲割当の更新に向けた新たな仕組み。
TACの20%以内でロシア国内で漁船を建造する者(15%以内)と陸上水産加工場を建設する者(5%以内)に、一定の条件を満たすことで優先的に漁獲割当が配分されることになる。
2017年03月02日 モスクワ発
[再稼働の“アストロブノイ”500万缶以上を生産]
昨年2016年春、経営破綻し操業継続が危ぶまれていた色丹島漁業コンビナート“Островной”(アストロブノイ)が同年9月、サンマ処理を再開、これまでに500万缶以上の缶詰を生産して市場への出荷が始まっている。
昨年、ウラヂオストクで開催された東方経済フォーラムで、経営支援のため新たな投資家”Курильский универсальный комплекс”(クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス代表アレクサンドル・カン*1 Александр Кан)を加える覚書を、サハリン州政府とロシア漁業庁が調印、再構築事業には、“Интеррыбфлот”(インテルルイブフロート代表ミハイル・ザイツエフ*2Михаил Зайцев)が参加している。
アストロブノイの新たな代表ミハイル・ザイツエフは、現在、ノルウエーとアラスカの最も近代的な機器メーカと協力して生産にあたっており、イワシ資源の受け入れの準備も完了しつつあると語った。
(*報告担当者 原口聖二:アレクサンドル・カン*1は、ネヴェリスクの合弁企業“Вакканай”ワッカナイを振出に極東の“カニ王”と呼ばれるまでになったアレッグ・カンОлег Канの実子とされている。なお、ミハイル・ザイツエフ*2は、ロシア延縄漁業者協会の会長でもある。)
2016年09月16日 サハリン発
[色丹島“アストロブノイ”がサンマ処理を再開]
今年2016年春、経営破綻し操業継続が危ぶまれていた色丹島漁業コンビナート“Островной”(アストロブノイ)がサンマ処理を再開した。
“アストロブノイ”は、提携企業"Корифена"(コリフェナ)から冷凍サンマの最初のロット400トンを受け入れた。
2016年9月2日、ウラヂオストクで開催された東方経済フォーラムにおいて、経営支援のため、新たな投資家"Курильский универсальный комплекс"(クリルスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス)を加える覚書をサハリン州政府とロシア漁業庁が調印していた。
サハリン州政府とロシア漁業庁は、原料供給のための漁獲割当の確保、インフラ整備のための投資ローンの金利助成等の支援を行っていくことになる。
なお、“アストロブノイ”は設備の近代化の準備も進めており、来年2017年には、それらのラインによる操業も開始される予定となっている。
2016年09月03日 サハリン発
[東方経済フォーラムにおいてサ州と漁業庁が“アストロブノイ”危機克服のための覚書]
2016年9月2日、ウラヂオストクで開催された東方経済フォーラムにおいて、経営破綻し操業継続が危ぶまれている色丹島漁業コンビナート“Островной”(アストロブノイ)支援のため、新たな投資家を加える覚書をサハリン州政府とロシア漁業庁が調印した。
サハリン州政府とロシア漁業庁は、原料供給のための漁獲割当の確保、インフラ整備のための投資ローンの金利助成等の支援を行っていくことになる。
覚書によると、近代化された“アストロブノイ”は来年2017年から操業が開始される。
なお、新たな投資家として、"Курильский универсальный комплекс"(クリルスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス)社の取組が伝えられている。
2016年05月30日 サハリン発
[色丹島サンマパッカー“アストロブノイ”再稼働のため投資家を募る]
サハリン州知事コジェミャコは、先に経営に行き詰まって裁判所から破産宣告を受けたサンマパッカー漁業コンビナート“アストロブノイ”(Рыбокомбинат Островной)の再稼働を目的に、投資家とともに、プラントの評価、投資額等を見積もるため色丹島を訪問した。
“アストロブノイ”は2016年5月13日、経営に行き詰まり裁判所から破産宣告を受けた。
同年4月14日行われた大統領プーチンと国民との直接対話において、“アストロブノイ”の給与未払い問題が指摘され、その後、工場側は一部の従業員に対して未払い分の給与を支給したものの、破産宣告を受けるまでに至り、従業員らは大統領プーチンへ書簡を送り雇用の確保を求めていた。
なお、創業者で株主のユーリ・ベルキン(Юрий Белкин)は姿を消しており、当局はベルキンに対して国際捜査手配と逮捕状がだされたと発表している。