ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

“ルスコエモーレダブイチャ”「ロシアの海 生産」が社名変更へ

2014-10-30 02:32:54 | 日記

2014年10月29日 モスクワ発

[“ルスコエモーレダブイチャ”「ロシアの海 生産」が社名変更へ]

ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の一部だった"Русское море добыча"(“ルスコエモーレダブイチャ”「ロシアの海 生産」)の社名が“Русская рыбопромышленная компания”(“ルスカヤルイボァプロムシレナヤカンパニヤ”「ロシア漁業会社」)に変更されることがわかったとロシアメデイアは伝えた。

現在、“ルスコエモーレダブイチャ”「ロシアの海 生産」は、“ルスコエモーレ”「ロシアの海」グループに含まれていないが、その主要株主は共通となっている。

“ルスコエモーレダブイチャ”「ロシアの海 生産」は、中国、韓国資本の不祥事を起こした漁業会社の買収を続け、ロシア最大のスケトウダラ漁業会社となった経緯にある。

なお、同社の社名変更は数日中に公式に発表されるとしている。

 (関連過去情報)

 2013年10月28日 モスクワ発
[ロシア大手“ルスコエモーレ”「ロシアの海」のスケトウダラ関連漁業会社買収6社に]
ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の"Русское море добыча"(ルスコエモーレダブイチャ)による、中国、韓国資本の不祥事を起こした漁業会社の買収が続いている。
“ルスコエモーレ”「ロシアの海」が、スケトウダラ、ニシン等の漁獲割当をもつ極東漁業会社の“ТУРНИФ”(トウルニフ)“Интрарос”(イントラロス)、“Востокрыбпром”(ヴォストークルイブプロム)“Совгаваньрыба”(ソフガバニルイバ)の4社に続き、"Балтстар холдинг"(バルトスタルホールデイング)と"Маликс"(マリックス)を買収したと、ロシアのメデイアは伝えている。
以前に買収された4社はいずれも、ロシア独占禁止庁が違反指摘した、中国企業“パシフィックアンデス”(PacificAndes International Holdings)に実質支配されていたとされる漁業会社の中に含まれているが、情報によると、"バルトスタルホールデイング"と"マリックス"についても、直接、漁獲割当を所有していないためリストにはないものの、同庁が指摘したスケトウダラ漁業の実質管理チェーンの一部とされている。
“ルスコエモーレ”「ロシアの海」はこれまでの買収により、所属漁船が合計11隻となり、これらの船団の昨年2012年の総漁獲量は18万8,700トン以上で、TACの占有率は10.7%に達し、"ルスコエモーレダブイチャ"は、ロシア最大のスケトウダラ漁業者に位置づけられている。
ロシア独占禁止庁は、今年2013年7月に韓国企業が、20のロシア漁業会社を実質管理し、ロシア排他的経済水域におけるスケトウダラ年間漁獲割当を、TACの12%-15%相当(22万トン-25万トン)違法に確保していたと指摘し調査を続けている。
この件についてロシア漁業庁は、外国人漁業者が、政府間協定の許可なしにロシアの排他的経済水域で操業することはできないとし、違法が確認された場合、その企業が持っていた漁獲割当は没収され、オークションに上場されることになるとしており、“ルスコエモーレ”「ロシアの海」は、これらの韓国資本の漁業会社買収の機会をうかがっていると伝えられている。

 

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ロシア沿海地方漁業会社が200万個体のナマコ種苗を放流

2014-10-29 17:32:06 | 日記

2014年10月29日 ウラヂオストク発

[ロシア沿海地方漁業会社が200万個体のナマコ種苗を放流]

ロシア沿海地方漁業会社“Дальстам”(ダリスタム)社は、今年2014年7月に海面で天然採苗した、稚ナマコ(трепанг:Apostichopus japonicus マナマコ)を約200万個体放流した。

海面で採苗された稚ナマコは、“Дальстам”社の施設で、自然環境に定着する0.3グラムまで育成された後、放流された。

市場流通に適した個体に成長するまで4年間を要する。

ナマコ市場は成長を続けており、中国、韓国、そして日本等、沿海(日本海)地域で主に取引される。

今年2014年、ロシア沿海地方漁業会社は、計950万個体の稚ナマコを放流したことになる。

なお、これらの活動は、2013年から2017年までの沿海地方水産業発展プログラムの枠組みで展開されており、同地方政府の予算措置を利用している。

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カムチャツカ地方知事がプーチンと会談

2014-10-28 15:26:15 | 日記

2014年10月28日 モスクワ発

[カムチャツカ地方知事がプーチンと会談]

カムチャツカ地方知事イリューヒンは、大統領プーチンと会談し、同地方の水産物のロシア中央部への物流に関する支援について陳情を行った。

イリューヒンは今年2014年漁期のサケマス漁業等について報告するとともに、製品のウラヂオストクを経由する鉄道物流について要する時間とコストの問題を指摘し、これに対する補助金を要請した。

カムチャツカ地方で生産された製品をウラヂオストクを経由して鉄道で中央部へ輸送する場合、現状60日を要している。

これに対して北極海航路を利用した場合、出荷から22日目にはサンクトペテルブルグに到着しており、有望な選択肢として、その具現化等を求めた。

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西カム海域タラバ増枠問題について農業省等関係省庁間の調整が求められる

2014-10-27 11:35:36 | 日記

2014年10月23日 モスクワ発

[西カム海域タラバ増枠問題について農業省等関係省庁間の調整が求められる]

今年2014年漁期、懸案となっている西カムチャツカ海域(以下西カム)とカムチャツカ・クリール海域(以下カム・クリール)にかかるタラバガニのTAC期中見直し増枠に関し、その審査状況を明確にするため、農業省、会計検査当局等、関係省庁間の調整が求められている。

先に、ロシア極東カニ漁業者協会(会長ドウプリャコフ)は、“国家環境アセスメント”(Государственная экологическая экспертиза“ГЭЭ”)がとっている行動について、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフへ状況調査の要請を行っている。

問題解決は緊急を要しており、既存の漁獲割当の消化状況、関連手続き等を考慮し、同年11月3日がその期限となっている。

極東研究機関が、科学調査船による当該大陸棚のトロール調査の結果等により、西カムとカム・クリールのタラバガニの資源状況の安定が確認されたことから、今年2014年漁期、当初TAC設定、西カム3,310トン、カム・クリール1,792トンについて、それぞれ6,100トンと3,780トン、両海域計9,880トンに増枠する勧告を行ったことを、ロシア海洋漁業研究所ヴニロは支持した。

しかし、審査の段階で“国家環境アセスメント”は、判断材料が不十分だとして追加的資料の提出を要求、これに対してヴニロは、既に必要な資料は提出済とし、これに応えないことを表明した経緯にある。

ドウプリャコフは、カニは国家の資源であり、当然、漁業活動には税金が発生しており、公共と民間の双方の利益に反する負の意思決定は排除され、合理的な利用が重要だと指摘した。

この件について、全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ファミンも、カニの問題ばかりでなく、TAC設定には確立された手順があり、それを遵守することが重要で、それを逸脱するものは排除しなければならないと言及している。 

 (関連過去情報)

 2014年10月10日 ウラヂオストク発

[カニ漁業者協会が西カム海域タラバ増枠にかかる環境アセス問題の調査を依頼]

ロシア極東カニ漁業者協会(会長ドウプリャコフ)は、今年2014年漁期、懸案となっている西カムチャツカ海域(以下西カム)とカムチャツカ・クリール海域(以下カム・クリール)にかかるタラバガニのTAC期中見直し増枠に関し、“国家環境アセスメント”(Государственная экологическая экспертиза“ГЭЭ”)がとっている行動について、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフへ状況調査の要請を行った。

極東研究機関が、科学調査船による当該大陸棚のトロール調査の結果等により、西カムとカム・クリールのタラバガニの資源状況の安定が確認されたことから、今年2014年漁期、当初TAC設定、西カム3,310トン、カム・クリール1,792トンについて、それぞれ6,100トンと3,780トン、両海域計9,880トンに増枠する勧告を行ったことを、ロシア海洋漁業研究所ヴニロは支持した。

しかし、審査の段階で“国家環境アセスメント”は、判断材料が不十分だとして追加的資料の提出を要求、これに対してヴニロは、既に必要な資料は提出済とし、これに応えないことを表明した。

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ロシアFOC/IUU取締情報192“Аракс”

2014-10-22 09:53:12 | 日記

2014年10月22日 カムチャツカ発

[カムチャツカ国境警備庁がカニ密漁トーゴFOC船を拘束]

ロシアFSBカムチャツカ国境警備局は、2014年10月21日、オホーツク海において3時間の追跡の後、カニ密漁トーゴFOC船“Аракс”(アラクス)を拘束したと発表した。

当局は、オホーツク海においてトーゴ旗の不審船を発見、呼び出したが、逃走を開始、3時間の追跡後、これを停船させた。

当局が、“Аракс”を検査し、船内に166トンの冷凍カニとツブ製品を所持していたことが分かったが、これらの活動を認める許可は得ていなかった。

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リトアニア漁船“Juros Vilkas” カムチャツカ地方では良く知られた船

2014-10-21 17:31:30 | 日記

2014年10月15日 カムチャツカ発

[リトアニア漁船“Juros Vilkas” カムチャツカ地方では良く知られた船]

カムチャツカ地方水産専門のフリーランスのジャーナリストは、2014年9月19日、15トンのズワイガニをバレンツ海ロシア排他的経済水域で密漁し、ロシアFSBムルマンスク国境警備局に拘束されたリトアニア漁船“Juros Vilkas”について、カムチャツカ地方では良く知られた船だとリポートした。

今年2014年春から、リトアニアがバレンツ海におけるカニ漁業に着業したが、このため、カニ漁船“Karalius”と“Juros Vilkas”を買収していた。

この2隻は、2007年まで極東の“Восточные рыбные ресурсы”(ヴォストチヌイ・ルイブヌイ・リソース“)社に所属し、”Бристоль“(ブリストリ)と”Саяны“(サヤニ)という船名だったが、この会社代表が逮捕され、船主がペトロパブロフスクカムチャツキーの”Чатка“社(チャトカ)にかわり、船名は現在のものとなった。

”Чатка“社と神秘的に同住所の”Алеут“(アレウト)社には、密漁の伝説”Тигиль”(チギリ)が所属していた。

この2隻は、”Тигиль”を連想させるようにロシア海域から姿を消し、米国西海岸へ現れた後、リトアニアにわたっていたが、それまでの間、カニ操業にかかる様々な、疑いがもたれていた。

リトアニア首相アルギダス・ブトケヴィチュースが、“Juros Vilkas”のストーリーを知っていれば、別な視点でバレンツ海の事件をみていたことだろう。

 (関連過去情報)

 2014年02月04日 カムチャツカ発
[ロシアのカニ密漁の伝説”Тигиль”(チギリ) ]
”Тигиль”(チギリ)は、1981年、米国で建造され、1990年代後半、”Фиер Си”(フィエル・シ)の船名でロシアの密漁の世界に入り伝説が始まった。
1999年、”Фиер Си”の船長はカニの違法漁獲により有罪判決を受けた。
当時の船主は、米国のMBIで、ロシアの”Марине Ич”(マリン・イチ)が、その運航を行っていた。
2000年代に入り、船主がカムチャツカの”Вектор”(ヴェクトル)に変わり”Тигиль”という現在の船名になったが、その運命は変わらず、違法操業が続けられることとなった。
2009年には、科学調査目的で”Тигиль”は操業(*報告担当者 原口聖二: ロシアFOC/IUU取締情報 04"Тигиль"事件参照)を行ったが、それは密漁を隠す隠れ蓑で、同年、国家に没収された。
その後、”Тигиль”を、翌年の2010年に、ロシア財産管理当局が、カムチャツカ ”Алеут”(アレウト)へ бербоут-чартер(ベルボートチャーター:裸用船)することとなった。
しかし、2011年には、”Тигиль”は神がかり的に、海上安全保障から消え、カニの漁場に出現、再び国家に押収されるも、裸用船契約は延長された。
ロシア財産管理当局が密漁船を没収し、再び漁場に送り込む循環について、ロシアFSBは約1年間、捜査を行ったが、結局、その責任者は無罪となった。
現在、ロシア財産管理当局は、没収船の管理に頭を悩ませている。
船体は錆び、環境への悪影響が指摘され、年間の管理経費は150百万ルーブルとされている。
これが、密漁船が没収後、再び漁場に送り込まれてきた循環の理由の一つだったのかもしれない。
最近、米国の友人がシアトルに”Тигиль”と呼ばれるカニ漁船が入港したと教えてくれた。
その船が、ロシア国家の所有であることを伝えると驚いていた。
現在、ロシアで漁獲したカニ製品を米国へ販売する、カニ業界の再編成が行われており、リトアニア出身のアメリカ市民で、シアトルの”リトアニアグループ”が中心になっているとの情報もある。
2013年12月25日、ロシアは、「IUU(違法、無報告、無規制)漁業を防ぎ、排除する国家行動計画」を策定した。
これが単なる宣言ではなく、実効ある計画となるよう関係機関の行動に期待する。

 2009年10月01日 カムチャツカ発
[FSB北東管区国境警備局9月期漁船拘束情報]
ロシアFSB北東管区国境警備局(ペトロパブロフスクカムチャツキー)は、9月期の活動における拘束船4件を次のとおり発表した。
1. 2009年09月15日
船名 СДС "Виктория"(ヴィクトリヤ) ロシア旗
船主 "Топаз"(トパーズ)社 コルサコフ
内容 漁業活動、輸送に関する許可証がないにもかかわらず、25,210尾の活ガニ、6トンのニシンとスケトウダラを船内所持していた。またチェックポイントも不通過だった。
2. 2009年09月15日
船名 ТР "Kuseki Maru" (くせき丸) カンボジア旗
船主 "Sea flower Co. Ltd." (シーフラワー)社 マーシャル諸島
内容 漁業活動、輸送に関する許可証がないにもかかわらず、14,320尾の活ガニ、2トンのスケトウダラを船内所持していた。またチェックポイントも不通過だった。
*3. 2009年09月19日
船名 КРПС "Тигиль"(チギリ) ロシア旗
船主 "Вектор"(ヴェクトル)社 "КамчатНИРО"(科学調査国営単一企業カムチャトニロ)
内容 国境警備艇が近づいた時、製品を海中へ投棄した。科学調査およびコントロール操業については、生物資源の海中還元は認められていない。また、調査目的の対象外のアブラガニ製品を船内に所持していた。
4. 2009年09月15日
船名 РШ "Сигма"(シグマ) カンボジア旗
船主 不明(プノンペン)
内容 漁獲製品を海中投棄したことを視認したが、漁業、運搬活動に関する許可証はなかった。またチェックポイントも不通過だった。

 2013年11月15日 モスクワ発
[ロシア国会はカムチャツカ地方議会から提出された密漁没収船の処分方法を論議する]
ロシア国会はカムチャツカ地方議会から提出された、密漁拿捕没収船の処分を円滑にする法改正案を検討している。2013年11月14日、カムチャツカ地方議会から、国会天然資源・環境委員会に、漁業と水棲生物資源保護関連法、国家財産法等の改正案が提出された。現行法では、水棲生物資源を違法に漁獲し、当局により拘束され、裁判の結果、没収された漁船は、競売にかけられることとなり、仮に落札されなかった場合には、スクラップ処分にしなければならない。問題なのは、没収漁船が連邦財産庁へ引き渡される前のこう留中、管理が行き届かないため、かなり酷い状態になっており、競売が成立せず、結果、国家への収入を減らしていることだ。また、環境被害を防ぐための最低限の没収漁船の管理は、国家予算にとって無駄な経費となっている。(*報告担当者 原口聖二: これまで、密漁→拿捕→罰金“国家予算”→漁船競売成立“国家予算”→漁船引渡→密漁の流れを繰り返し、同じく極東市場へ製品を供給したい米国カニ業界は、この循環に意図的なものがあると批判してきた。密漁船の老朽化は勿論だが、競売が成立しなくなってきた理由として、ロシア当局の取締強化、関係各国とのIUU漁業協定の促進、資源減少等により、このビジネスに見切りをつける者が多くなってきたためとも考えられる。)

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ロシアFOC/IUU取締情報191"Киссе Мару-11"(第11きっせい丸)

2014-10-17 07:56:15 | 日記

2014年10月16日 サハリン発

[サハリン国境警備局がカニ密漁ロシア船を拘束]

ロシアFSBサハリン国境警備局は、2014年10月15日、アニワ岬(中知床岬)南東22マイルのロシア排他的経済水域においてカニ密漁ロシア船"Киссе Мару-11"(第11きっせい丸)を拘束したと発表した。

当局が"Киссе Мару-11"を検査し、違法に漁獲された活ズワイガニ(オピリオ)4,314個体(3トン以上)と、ニシン1トン以上、スケトウダラ2.5トン(報告担当者 原口聖二 :原文に言及はないがニシンとスケトウダラは漁労用の餌と推察)を船内に所持していたことが分かった。

なお、"Киссе Мару-11"の最終の日報によると、水棲生物資源の所持なく、修繕のため、日本の網走港へ寄港したデータとなっている。


(参考関連情報“Киссе Мару-11”Kissemaru-11”第11きっせい丸“事件)


2013年01月09日 サハリン発
[サハリン国境警備局がカニ密漁船を拘束]
ロシアFSBサハリン国境警備局は、今年2013年に入り、アニワ岬(中知床岬)南東ロシア排他的経済水域において2隻のカニ密漁船を拘束したと発表した。
1隻目はカンボジアFOC船"Сепия"(セピア)で、当局が検査したところ、1トン以上の活ズワイガニ(オピリオ)と、2トン以上の冷凍ニシン、スケトウダラ、および専用漁具が発見された。
また、同様にロシア船"Киссе Мару-11"(第11きっせい丸)から約4.5トンの活ズワイガニ(オピリオ)と専用漁具が発見された。
この2隻はこれらの漁業活動を認める許可を所持しておらず、当局により拘束された。
なお、2隻が所持していた活カニ約5.5トンは生息地へ海中還元され、当局の活動により、国家への損害420万ルーブル以上が未然に防がれた。

2010年11月01日 ウラヂオストク発
[沿海地方国境警備局がFOCカニ密漁密輸船を拘束]
ロシアFSB沿海地方国境警備局は4,800個体以上の活タラバガニ、アブラガニ、ケガニを密漁し、密輸を試みた違法商業船“Хонта”(ホンタ)を拘束した。
10月24日、当局所属警備艇“Приморье”(プリモーリエ)は、ゾロトイ岬北のロシア領海“において”Хонта”を発見し停船させ検査した。
”Хонта”はシェラレオーネ旗で母港はフリータウンとわかり、乗組員計19名は、ロシア人13名、マレーシア人5名、そして韓国人1名で構成されていた。
検査した当局職員は”Хонта”の船内から13トンの活ガニと冷凍スケトウダラを発見したが、この商業船は、これらの漁業活動を満たす許可証を所持していなかった。
更に”Хонта”の船長は“Топаз-888”(トパーズ888)という、別の船名の関連書類一式も所持していた。
”Хонта”はこれらの違反を摘発され当局により、ナホトカ港へ連行された。
なお、当局は、同期のパトロール活動においてロシア経済水域で違法にカニを所持していたロシア旗ネヴェリスク基地所属の“Kissemaru-11”(第11きっせい丸)も拘束しコルサコフ港へ連行したと加えて発表した。
これまで、沿海地方当局は同様の違反で小型商業船を13隻拘束したが、その内11隻がベリーズ、カンボジア、パナマ、シェラレオーネなどのFOCだった。

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ロシア上院本会議で議長ワレンチナ・マトヴィエンコが流し網漁業の問題解決を約束する

2014-10-17 07:44:32 | 日記

2014年10月16日 モスクワ発

[ロシア上院本会議で議長が流し網漁業の問題解決を約束する]

ロシア上院本会議において議長ワレンチナ・マトヴィエンコが、同院として流し網漁業について積極的に対応していくと語った。

ロシア排他的経済水域における流し網漁業は、繰り返し、カムチャツカ地方選出議員等から、ロシア経済と環境に悪影響を与える旨の主張がなされてきた。

本会議で質問を受けたマトヴィエンコは、この問題について既に、ロシア漁業庁と解決に向け取組を開始しているので安心してほしい旨を発言、積極的な対応の推進を約束すると加えた。

 

2014年10月15日 モスクワ発

[ロシア上院食料農業政策環境評議会が流し網漁業の取扱いについて協議]

2014年10月14日、火曜日、ロシア上院食料農業政策環境評議会の拡大会議が開催され、カムチャツカ地方の水産分野への追加的支援について協議が行われた。

この中で、同地方に2008年から、16の水産加工場や沿岸インフラに投資が行われているが、漁業発展のための阻害要因が存在し、その一つが、日本漁船によるロシア排他的経済水域における流し網漁業だとの指摘がなされた。

会議に出席した、カムチャツカ地方水産部長ウラヂミル・ガリツインは、日本漁船の流し網漁業が廃止されると、単純に1万トン、同地方の沿岸漁業の生産が上積みされると言及した。

ロシア連邦上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコは、以前からロシア排他的経済水域における流し網漁業の全面禁止を主張してきた経緯にあり、そのための段階的削減措置を支持している。

議長を務めた同評議会委員長ゲンナジー・ゴルブノフは、カムチャツカ地方の主張を支持することを、今回の拡大会議のとりまとめとした。

 (関連過去報告)                  

2014年09月10日 モスクワ発

[ロシア連邦上院が再び流し網漁業禁止案を準備する]

2014年9月9日、ロシア連邦上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコは、近い将来、ロシア排他的経済水域における流し網漁業全面禁止案が上院から下院へ送られることになるだろうと語った。

マトヴィエンコは、以前からロシア排他的経済水域における流し網漁業の全面禁止を支持してきた経緯にあり、この操業にかかわる日本人に打撃を与えるだろうが、これらはロシア経済と環境に被害を与えていると語った。

また、マトヴィエンコは、日本は「途方もない圧力」の下ではあるが、ロシアへの制裁に参加しているとしつつ、この禁止案が現段階で、ロシアからの報復として正式にリストされているものではないと加えた。

同年9月4日、ウラヂオストクで開催された、第9回国際漁業者会議の冒頭のスピーチで、ロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長ゲンナジー・ゴルブノフが、ロシアへの制裁への報復措置として、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業を禁止する提案を行い、極東の漁業者から、太平洋サケマス流し網漁業を禁止するべきだとの意見を多く寄せられていると語った経緯にある。

(報告担当者 原口聖二: 過去にも流し網漁業禁止案が上院で可決した事例があり、一方の下院において否決されてきた経緯にある)

 2014年09月04日 ウラヂオストク発(一般社団法人北洋開発協会)

[ロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長が日本漁船流し網操業中止を提案]

2014年9月4日、ウラヂオストクで開催された、第9回国際漁業者会議“Международный конгрессе рыбаков”(メジドウナロードヌイ コングレス ルイバコフ)の冒頭のスピーチで、ロシア連邦食料農業政策環境評議会委員長ゲンナジー・ゴルブノフ(Геннадий Горбунов)は、ロシアへの制裁への報復措置として、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業を禁止する提案を行った。

ゴルブノフは、極東の漁業者から、太平洋サケマス流し網漁業を禁止するべきだとの意見を多く寄せられていると語った。

次は、この会議後の時事通信の報道と、関連過去報告となっている。

 日本の流し網漁業禁止を=報復制裁でロシア議員提案

時事通信 9月4日(木)19時10分配信

【モスクワ時事】ロシアのゴルブノフ上院農水委員長は4日、ウクライナ危機をめぐる日本の対ロ制裁の報復措置として、政府間協議に基づきロシア水域で日本の漁船に許可している流し網漁業の禁止を提案した。極東ウラジオストクの国際会議での発言として、インタファクス通信が伝えた。
同席したロシア漁業庁のシェスタコフ長官は「(関係者に)損害が生じないよう慎重に対応しなければならないが、提案について必ず検討する」と約束した。ロシア外務省などと協議する必要があるとも指摘した。 

 2014年08月07日 モスクワ発

[シェスタコフがカムチャツカへ出張 経済制裁に絡め日本漁船流し網漁業の見直の要請を受ける]

ロシア連邦食料農業政策環境評議会副委員長ボリス・ネフゾロフ(Борис Невзоров)は、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフが出席した、同地方の水産業発展のための会議において、日本の経済制裁にからめ、日本漁船のロシア排他的経済水域における流し網操業の漁業協定の見直しを主張した。

ネフゾロフは、大統領プーチンが経済制裁発動国への報復措置に昨日2014年8月6日署名したことを指摘、更に日本も積極的に経済制裁に参加したと言及した上で、日本漁船の流し網操業にかかる漁業協定を見直すべきだと語った(報告担当者 原口聖二:報道ではロシアによる経済制裁報復措置国から日本は外れている)。

また、ネフゾロフは、流し網漁業の混獲とサケマスの産卵行動への影響の問題のほか、ロシア流し網漁船16隻に対し、日本漁船の隻数が30数隻でありながら、ベニザケの漁獲割当がその3分の1であることに、当該操業に疑義を抱くと言及した。

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ロシアFOC/IUU取締情報190"Корум"Атлантик"Охотск"

2014-10-10 15:03:37 | 日記

“Корум”(コルム)=“Атлантик”(アトランティク)、“Арден”(アルデン)、“Адилаид”(アディレイド)、“Охотск”(オホーツク)、そして“Чиба мару”(ちば丸)

2014年10月10日
カムチャツカ発
[カムチャツカ国境警備局がカニ密漁累犯FOC船を拘束]
ロシアFSBカムチャツカ国境警備局は、オホーツク海において違法漁獲された活タラバガニ等30トンを輸送していたカンボジアFOC船を拘束、押収した活カニは生息地へ海中還元したと発表した。
当局所属警備艇"Аргал"(アルガル)は、衛星位置監視システムで検出されない不審船を発見し、これを呼び出した。
不審船は呼び出しに応じず、ロシア排他的経済水域の外へ向け全速で逃走を開始したが、"Аргал"の追跡を受け停船、検査を受け入れた。
当局の検査により、この不審船は船名"Корум"(コルム)、船主の登記はセーシェルと判明した。
また、船内からは、違法漁獲された活タラバガニ等30トン、活カニ輸送のための専用設備が発見されたが、これらの活動を認める許可は得ていなかった。
"Корум"は、過去、2010年から2013年の間も、船名を“Атлантик”(アトランティク)、"Арден"(アルデン)、"Адилаид"(アディレイド)、"Охотск"(オホーツク)、そして"Чиба мару"(ちば丸)として、カニの密漁密輸を繰り返してきたことを当局は明らかにした。
"Корум"は、更なる検査のため、当局によりペトロパブロフスクカムチャツキー港へ連行された。
なお、"Корум"の乗組員15名はロシア人で構成されていた。

 (関連過去情報 "Корум"=“Атлантик”=“Охотск”事件)

 2013年10月21日 カムチャツカ発
[オホーツク海で密漁FOC船2隻が拘束される]
ロシアFSBカムチャツカ国境警備局は、2013年10月21日、オホーツク海においてカニ等を密漁した、パナマ籍とカンボジア籍のFOC船を拘束したと発表した。
同年10月15日、当局所属航空機がロシア排他的経済水域において、不審船"Фридом"(フリドム)を発見、ロシア国境へ侵入を試みたため、関連情報を警備艇"Нева"(ネヴァ)へ通報した。
"Фридом"は逃走を開始したが、"Нева"に追跡され、警告射撃を受け停船、ようやく当局の検査を受け入れた。
"Фридом"の船内からは違法に漁獲された活カニ10トンが発見されたが、その活動を認める許可は受けていなかった。
"Фридом"はカンボジア籍、母港はプノンペン、乗組員16名はロシア人で構成されていた。
また、翌16日、当局は、パナマ籍"Корум"(コルム)を発見し、これを検査した。
"Корум"の船内には、活カニを運搬するための専用機器等が設備されており、カニを漁獲するための餌と推察されるニシンとスケトウダラを所持していた。
しかし、"Корум"は同様に、これらの活動を認める許可は受けていなかった。
"Корум"の乗組員15名もロシア人で構成されていた。
これらの密漁FOC船2隻は、更なる検査のため、当局によりペトロパブロフスクカムチャツキー港へ連行された。

 2013年04月03日 モスクワ発
[密漁密輸FOC船の拘束事件が相次ぐ]
ロシア国境警備当局は、色丹島南東、ロシア排他的経済水域において、違法に活ウニを12トン所持していたカンボジアFOC小型漁船“Атлантик”(アトランティク)を拘束した。
“Атлантик”は、以前、やはり密漁を行い没収、処分(*報告担当者 原口聖二:競売された物件と推察)された経緯にある“Охотск”(オホーツク)と呼ばれた船だった。
この事件の2日後、当局は、タタール海峡において、ロシア人とウクライナ人が乗船する、3隻のFOC船を拘束した。
これらは、カンボジア籍の“Mild”“Lux”、そしてシエラレオネ籍“Ebisu”で、密漁したケガニ1.5トンや専用漁具が発見された。

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“黄金の秋”を迎えるシェスタコフ

2014-10-09 12:34:51 | 日記

2014年10月08日 モスクワ発

[“黄金の秋”を迎えるシェスタコフ]

本日、2014年10月8日、国際養殖会議が開催され、その枠組みの内で、養殖エキシビジョン“Золотая осень”(ゾロタヤ・オーセニ“黄金の秋”)が設定され、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフが、2030年までの漁業発展プログラム等を提案した。

シェスタコフは、今日、養殖漁業は急速に成長しており、世界市場における製品供給が50%に近づいていると報告、一方で、この10年間、ロシア国内漁業生産量における養殖のシェアは、年間で全体の3-4%程度相当で、13万-15万トンに過ぎないと指摘した。

また、シェスタコフは、養殖漁業のメリットは、ロシア市場へチルド製品を供給できること等で、専門家は、ロシアの淡水や沿岸において100万トンまで生産を拡大することが可能だと推計している旨言及した。

更に、シェスタコフは、養殖漁業に関する補助金や短期投資クレジット等、政府としての支援策の準備、2030年までの漁業発展プログラムにおける位置づけ等について紹介を行った。

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かに密漁・密輸防止輸入手続説明会、紋別への影響必至

2014-10-07 08:24:24 | 日記
かに密漁・密輸防止輸入手続説明会、紋別への影響必至
(10月5日付け)
 カニの密漁・密輸防止のための輸入手続きに関する第3回説明会が3日、紋別漁協大会議室で開催された。カニの輸入業者や通関業者ら約60人が出席して、輸入手続きなどの説明に耳を傾けた=写真=。水産庁水産漁政部加工流通課の阿部智課長補佐によると、日ロ両国の協定書発効は早ければ「12月10日」の可能性がある、とした。協定発効による紋別経済への影響は必至と見られる。
 経済産業省では9月10日から10月9日まで、資源保護の観点から協定発効前に船積みされたカニの取り扱いの変更についてパブリックコメントを開始。変更内容等に対する理解を深めてもらおうと同説明会を稚内や札幌、紋別など全国6会場で開催している。
 2月に行われた第2回説明会では、協定発効前に船積みされたカニについての証明書は不要とされていた。
 今回の説明会では阿部課長が、4月中の協定発効予定が7ヵ月以上遅れたことに関し「ロシアとの確認手続きに時間がかかった」などと経緯を説明した。
 輸入手続きの変更点については経済産業省農水産室の松島隆男課長補佐が「ロシア連邦漁業庁の証明書は協定発効日以降に船積みされたカニにしか発給されず、船積みから輸入が同発効日をまたぐ場合は輸出者との日程調整が必要」と強調した。
 質疑応答では通関業者から、「生鮮貨物なので事前確認にはどれくらいの時間がかかるのか」などの質問があった。
 水産庁によると、ロシア側はすでに同協定発効の準備を整えていて、正式な発効日は経産省のHPで発表される。
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ロシアFOC/IUU取締情報189“Талис”

2014-10-06 12:19:37 | 日記

2014年10月03日 サハリン発

[トーゴFOC船がカニ密漁で拘束される]

ロシアFSB国境警備当局は、今年2014年9月下旬、大規模なカニの密漁を行ったトーゴFOC船を拘束したと同年10月3日発表した。

当局が、サハリン南東オホーツク海において、航空機の協力も受け、トーゴFOC船“Талис”(タリス)を検査したところ、活ズワイガニ(オピリオ)24トン、専用漁具、そして、漁労用の餌4トンを発見したが、これらの活動を認める許可は得ていなかった。

“Талис”が環境に与えた損害は、現在の調査段階で、1,350万ルーブルと見積もられている。

なお、“Талис”の乗組員はロシア人とウクライナ人で構成されていた。

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ロシアFOC/IUU取締情報188 ”Старк”

2014-10-04 19:05:31 | 日記

2014年10月03日
ウラヂオストク発
[カニ密漁トーゴFOC船船長は43万ルーブルの罰金を支払うことになる]
カニの密漁とロシアの国境横断に関する規則違反を行ったトーゴFOC船のロシア人船長は罰金43万ルーブルを支払うことになる。
2014年9月24日、沿海地方北部テルネイ沿岸において、トーゴFO船 ”Старк”(スタルク)は、ロシア国境警備当局の検査により、許可なく違法に漁獲したカニ製品と約900の専用漁具を発見され拘束されていた。
 なお、当局によると”Старк”乗組員はロシア人で構成されており、沿海地方海域で密漁密輸を繰り返すFOC船としてリストされていた。

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ロシアFOC/IUU取締情報187“EBIS”CORUM“

2014-10-03 19:59:33 | 日記

2014年10月03日 モスクワ発

[ロシアFSB国境警備局が2隻のFOC船を拘束]

ロシアFSBサハリン国境警備局は2014年10月2日、サハリン周辺ロシア排他的経済水域において、航空支援も受け、2隻のFOC船を拘束したと発表した。

カンボジアFOC船“EBIS”はチェックポイント通過義務違反で当局によりコルサコフ港へ連行された。

また、カンボジアFOC船”CORUM“は検査により、船内から違法に漁獲したカニ製品30トンが発見され、ペトロパブロフスクカムチャツキー港へ連行された。

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