ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

2023年 ロシア漁業はどう変わるか リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2022-12-31 06:47:48 | 日記

2022年12月31日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2023年 ロシア漁業はどう変わるか 操業日誌・操業許可証等の電子媒体化 投資目的漁獲割当第2弾]

年明け2023年、ロシア漁業はどう変わるか。

操業日誌・操業許可証等の電子媒体化、投資目的漁獲割当第2弾の実施など、多くの革新的変更が行われることになる。

①操業日誌・操業許可証等の電子媒体化

2022年6月28日付ロシア連邦法No.229で、操業日誌と操業許可証を電子媒体へ移行するための関連漁業法が改正され、2023年3月1日発効する。

電子操業日誌は既に使用されているが、発効運用は2023年3月1日で、法的根拠をもつことになる。

加えて2023年12月1日まで移行猶予期間が設定される。

②投資目的漁獲割当に手続き実施

ロシア漁業庁長官シェスタコフは2022年末の記者会見で、投資目的漁獲割当第2弾の規則を整備等行って、2023年夏には“投資クオータ”とカニ漁獲割当オークションの手続きを完了したいと語った。

ロシア上院は、投資目的漁獲割当第2弾設定のための法案を2022年12月23日採択した。

当該法案は、2022年12月20日、下院第2読会、第3読会を一気に通過していた。

法案の発効を2026年に延期する業界の要望に基づく修正案も認められず、農業省が強硬に主張したとおり、2023年となった。

極東海域“投資クオータ”のスケトウダラとニシンについては、更に20%、第1弾の調整向けに4%、第1弾と合わせるとTACの計44%以内まで配分される。

漁船建造等、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、主要対象資源のTACの更に約半分が対象となり、第1弾を合わせると、当該資源のTACのほぼ全量がオークションで配分される。

さらに、カニ漁獲割当について中小企業保護の観点から、これにカテゴライズされる企業の過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”による漁獲割当を、係数1.2をもって調整することが提案されている。

③引き上げ資源利用税の適用

ロシアは、2022年11月21日付連邦法No.444により、水棲生物資源利用税の改正を行い、同年12月21日に施行された。

ロシア農業省は、これに対応した控除の要件、算定係数等の準備を行っている。

資源利用税の改正には、自国造船所により漁船更新をした者(投資目的漁獲割当利用者を除く)、自国陸上加工場へ原料供給をする沿岸漁業着業者、高次加工製品の生産者等を対象に一部控除設定がされているほか、一定期間、小規模自治体や集落形成を担う企業への税率据え置き等の条件が盛り込まれている。

④輸出規制対象企業検査

2023年3月1日から2021年に採択された動植物衛生管理法の改正が施行される。

輸出製品の商品を保管および生産するための施設の検査に関する手続きが規定され、動植物衛生管理局がこれらを監督することになる。

⑤養殖漁業への政府支援

養殖漁業発展には飼料生産能力の強化が必要であり、この支援目的で、2022年1月1日から工場建設と近代化のため最大20%の政府補助金が用意される。

ロシア農業大臣パトルシェフは、2027年までに9施設の工場建設が予定されていると語り、生産能力を22万トン増加させ、水産飼料の輸入代替への貢献度を大幅に向上させることが期待されると加えている。

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ロシア 投資目的漁獲割当第2弾設定法 プーチン署名

2022-12-30 17:58:48 | 日記

 

2022年12月30日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア 投資目的漁獲割当第2弾設定法 プーチン署名] 

ロシア大統領プーチンは2022年12月29日、投資目的漁獲割当第2弾設定のための関連法に署名した。

ロシア上院は、投資目的漁獲割当第2弾設定のための法案を2022年12月23日採択していた。

当該法案は、2022年12月20日、下院第2読会、第3読会を一気に通過していた。

法案の発効を2026年に延期する業界の要望に基づく修正案も認められず、農業省が強硬に主張したとおり、来年2023年となった。

法案は署名のため大統領プーチンに送付されていた。

中小企業保護、地域経済への影響を考慮し、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い沿岸性資源の採捕割当を100%オークションで配分する案は第2読会までに削除されている。

極東海域“投資クオータ”のスケトウダラとニシンについては、更に20%、第1弾の調整向けに4%、第1弾と合わせるとTACの計44%以内まで配分される案は維持されている。

漁船建造等、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、主要対象資源のTACの更に約半分が対象となり、第1弾を合わせると、当該資源のTACのほぼ全量がオークションで配分されることになる。

さらに、カニ漁獲割当について中小企業保護の観点から、これにカテゴライズされる企業の過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”による漁獲割当を、係数1.2をもって調整することが提案されている。

第 2弾により、最大30隻の高効率なトロール漁船と最大 35隻のカニ漁船が新造され、近代的な水産加工場8施設が建設されることになる。

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ロシア漁業庁長官 サケマス魚卵製品輸出禁止案を放棄

2022-12-28 21:37:56 | 日記

 

2022年12月28日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア漁業庁長官 サケマス魚卵製品輸出禁止案を放棄]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、今年2022年末の記者会見において、サケマスの魚卵の国内価格高騰抑制措置として、輸出禁止案を同年9月はじめに提出していたが、一度、これを放棄すると表明した。

ロシア漁業庁は、2014年のクリミア併合に端を発した食品輸入禁輸措置にタイセイヨウサケが含まれていること、今年2022年漁期の太平洋サケマスの不漁から、サケマス製品の国内価格高騰抑制措置として、輸出禁止案を同年9月はじめに提出したが、10月11日、関税率および非関税規制、外国貿易における保護措置に関する政府委員会で検討されたものの、修正差し戻しとして、必要に応じて再検討する扱いとなっていた。

この問題について全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ズベレフは、サケマスの輸出禁止が、製品価格の低下にインパクトを与えないと語り、確かに長期的水準で高値あることは事実だが、昨年2021年の太平洋サケマスの生産量が49万3,000トンを生産した昨年同期よりも今年2022年の価格は24%低く推移していたにもかかわらず、ロシア漁業庁の声明に市場が反応したことが原因で、カラフトマス製品が28%(32万ルーブル/トン)、シロザケは22%(44万ルーブル/トン)で本当に急騰してしまったと言及していた。

更にズべレフは、輸出禁止は反対の効果をもたらす可能性があり、利益を失いたくないサプライヤーは、国内市場での販売を控え、価格を押し上げる可能性もあると指摘、輸出禁止を支持しないと述べ、製品価格の上昇を最小限に抑えるのであれば、輸出禁止の代替として水産物の輸入関税を一時的にゼロにするか、太平洋サケマスの国内中央部・西部への鉄道物流への補助金を提供する等の措置を用意すべきだと加えていた。

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日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(12月16日)

2022-12-28 04:49:38 | 日記

 

2022年12月28日 

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(12月16日)]

韓国漁船による自国EEZでの2022年度漁期(管理期間2022年7月-2023年6月)の2022年7月1日から同年12月16日までのスルメイカの漁獲量は、2万3,650トン、前年度同期の61%で、TAC設定8万7,790トンに対する開発率が27%となっている。

沖合イカ釣りのTACは期中見直しされ、2,200トン上積みされた。

科学研究機関の勧告により、一昨年度漁期からTACを拡大させている二艘引き西海トロールは、前年度同期の60%だが、7,570トンを漁獲して、韓国スルメイカ生産の1/3を占め、今年度漁期もプレゼンスを発揮、韓国イカ漁業を牽引する位置づけとなっている。

主要漁業の沖合イカ釣りはTACが上積みされたものの、6,290トンで、二艘引き西海トロールを下回り、前年度同期の64%の生産となっている。

一昨年度漁期となる2021年1月1日から、近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されている。

近海網漁業は、新年度漁期開始から報告日までに、3,690トンを漁獲、当初枠のTAC開発率が96%となっており、留保枠の利用の可能性がでているが、生産は足踏み状態にある。

なお、大型トロールと二艘引き西海トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域において、当該EEZで報告日までに約1万650トンを漁獲、前年度漁期に続き、韓国スルメイカ漁業の半分の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、これまで日本の資源評価において、この動向が、ほぼ論議の対象外となっていることが問題点として指摘される

*日本の自国EEZの2022年-2024年のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値とした上で、7万9,200トンの設定となっている。

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国内損保 ロシア全域で船舶保険停止

2022-12-25 11:55:18 | 日記

2022年12月24日(日本経済新聞様から) 

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[国内損保 ロシア全域で船舶保険停止]

国内損害保険各社は2023年1月1日から、ロシアやウクライナの全海域で戦争による船舶の沈没などの被害を補償する保険の提供を停止する。

日本経済新聞が伝えた。

ロシアのウクライナ侵攻から約10カ月が経過するが、戦争が収束するめどはいっこうに立っていない。海外の再保険会社がロシア関連のリスクの引き受けを拒否したことが、今回の判断の背景にある。

東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険の3社が23日から船主への通知を始めた。日本企業が参加する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」からの液化天然ガス(LNG)の輸入などに影響する可能性がある。

船舶保険はほぼ全ての船舶が加入している。被害を補償する保険がなければ、航行は極めて難しくなる。今回の措置の対象には、ウクライナに近い黒海やアゾフ海だけでなく、ロシア東部や北極海航路などの全海域が含まれる。

これまでウクライナやロシアの海域を航行する場合、軍事行動に伴う被害でも補償を受けるには、主契約とは別に「船舶戦争保険」に加入する必要があった。航行する際には事前に保険会社に通知して補償条件や保険料を確認し、割増保険料を払うことで補償を受けることができた。今後は保険に加入することができなくなる。

世界最大の保険市場を運営するロイズ保険組合を中心とした英国の委員会は22年2月、ウクライナ周辺を「リスクの高い地域」に指定し、4月には対象をロシア全域に広げた。損保各社は危険海域の拡大にあわせ、沈没リスクなどを補償する船舶保険で高めの保険料を設定する地域を広げてきた。

無保険の状況が続けば、ロシアから日本への資源輸入に影響を与える公算が大きい。損保各社は保険サービスの提供を再開することが可能か、再保険会社との交渉をクリスマス休暇明けから始める見通しだ。だが、再保険会社が再び引き受けに転じるかは不透明な情勢だ。

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ロシア 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 上院採択

2022-12-25 07:36:20 | 日記

 

2022年12月24日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 上院採択] 

ロシア上院は、投資目的漁獲割当第2弾設定のための法案を2022年12月23日採択した。

当該法案は、2022年12月20日、下院第2読会、第3読会を一気に通過していた。

法案の発効を2026年に延期する業界の要望に基づく修正案も認められず、農業省が強硬に主張したとおり、来年2023年となった。

法案は署名のため大統領プーチンに送付される。

中小企業保護、地域経済への影響を考慮し、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い沿岸性資源の採捕割当を100%オークションで配分する案は第2読会までに削除されている。

極東海域“投資クオータ”のスケトウダラとニシンについては、更に20%、第1弾の調整向けに4%、第1弾と合わせるとTACの計44%以内まで配分される案は維持されている。

漁船建造等、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、主要対象資源のTACの更に約半分が対象となり、第1弾を合わせると、当該資源のTACのほぼ全量がオークションで配分されることになる。

さらに、カニ漁獲割当について中小企業保護の観点から、これにカテゴライズされる企業の過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”による漁獲割当を、係数1.2をもって調整することが提案されている。

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#8洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国東部選出上下院議員 漁業補償国家基金設置に取り組む “影響を証明するのは漁業者任せになる”

2022-12-23 10:27:53 | 日記

 

2022年12月23日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二  “影響を証明するのは漁業者任せになる”

[#8洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国東部選出上下院議員 漁業補償国家基金設置に取り組む]

“影響を証明するのは漁業者任せになる”

米国上院議員エドワード・マーキー(マサチューセッツ州)と下院議員セス・モールトン(同州)は、洋上風力発電開発に伴う漁業損失を補償するための国家基金の設置に取り組んでいる。

両議員は、法案の用意について、資金の根拠、公平な配分システムを保証するとしている。

東部沿岸地域の漁業者からの洋上風力発電プロジェクトへの反対意見は日に日に高まっている。

両議員は、2022年12月21日、漁業分野が被る潜在的な経済的損失を補償するための国家基金を設立する計画を発表した。

現在、洋上風力発電事業者による潜在的な漁業者への損害について、補償を満たす国家的枠組みは存在していない。

歴史的な漁場の喪失、水棲生物資源の生息地の劣化、風力発電事業者にリースされた区域での新しい漁業制限等、漁業分野に深刻な経済的ダメージをもたらす可能性がある。

一部の洋上風力発電事業者は、独自の監視パネルを備えた資金用意の準備をしているが、多くの事業者はまだ補償プランを確立していない。

漁業者団体は、このアプローチを批判しており、洋上風力発電の影響を証明するのが漁業者任せで、政府が明確な要件を示さないため、洋上風力発電業界が補償交渉で優位に立つことになると指摘している。

両議員は、立法提案について、現在の州ごと、またはプロジェクトごとの漁業補償戦略に反対するものであり、合理化された国家の対応が必要だと言及、漁業への影響緩和と補償プログラムをできるだけ早く確立することを提唱していくと加えた。

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ポスト英国EU離脱 英国 EUとの漁業協定交渉 2023年操業条件に合意

2022-12-22 03:18:22 | 日記

 

2022年12月22日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ポスト英国EU離脱 英国 EUとの漁業協定交渉 2023年操業条件に合意]

英国とEUは2022年12月20日、双方の来年2023年の操業条件を決めるための漁業協定に基づく交渉に合意した。

英国漁業はこの合意により、2億8,200万ポンド(3億4,180万ドル)相当、14万トンの漁獲割当を確保した。

また、EUは10億ユーロ(9億4,000万ドル)相当、35万トンの漁獲割当を確保した。

英国にとってEU離脱にともなう独立した沿岸国としての漁業交渉は今回で3度目となった。

EUは、英国のEU離脱により、これまでの英国海域での漁獲量の25%(金額ベース)を譲渡することになった。

これらの英国への漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。

譲渡は、2021年に60%、2022年に70%、2023年に80%、2024年に92%と段階的で、2025年の終わりにこのプロセスを100%完了することになる。

非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。

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ロシア漁業庁 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 下院第3読会での採択を発表

2022-12-21 11:13:46 | 日記

2022年12月21日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業庁 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 下院第3読会での採択を発表]

ロシア漁業庁は投資目的漁獲割当第2弾設定のための法案が、昨日2022年12月20日(モスクワ時間)下院第3読会で採択されたと発表した。

法案の発効は来年2023年の見込みとなる。

中小企業保護、地域経済への影響を考慮し、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い沿岸性資源の採捕割当を100%オークションで配分する案は第2読会までに削除されている。

極東海域“投資クオータ”のスケトウダラとニシンについては、更に20%、第1弾の調整向けに4%、第1弾と合わせるとTACの計44%以内まで配分される案は維持されている。

漁船建造等、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、主要対象資源のTACの更に約半分が対象となり、第1弾を合わせると、当該資源のTACのほぼ全量がオークションで配分されることになる。

さらに、カニ漁獲割当について中小企業保護の観点から、これにカテゴライズされる企業の過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”による漁獲割当を、係数1.2をもって調整することが提案されている。

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2022年 ロシア スケトウダラすり身生産 2万8,000トンを見込む 米国減産は日本市場参入への好機

2022-12-21 10:04:51 | 日記

 

2022年12月21日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2022年 ロシア スケトウダラすり身生産 2万8,000トンを見込む 米国減産は日本市場参入への好機]

今年2022年、ロシア漁業は高次加工化戦略により、カニカマ原料となるスケトウダラの冷凍すり身生産が、前年2021年の3倍-4倍となる進捗となっている。

今年2022年11月中旬までに、前年2021年同期の6,000トンの4倍となる2万4,000トンのスケトウダラの冷凍すり身が生産されており、この内1万4,000トンが洋上生産となっている。

前年2021年の当該製品の生産量は最終的に8,000トンだったが、今年2022年は最大で2万8,000トンに達する見込みとなっている。

昨年2021年、ロシア漁業最大手”ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ “(Русская рыбопромышленная компания「ロシア漁業会社」)所属スーパー・トロール漁船“ウラヂミル・リマノフ”(Владимир Лиманов)が洋上すり身を、また、サハリン州水産グループ“ギドロストロイ”(Гидрострой)社傘下の色丹島“クラボァザヴォドスク”(Крабозаводск)工場が陸上すり身の生産を開始した。

“ギドロストロイ”は、陸上ばかりでなく、トロール漁船“アレクサンドル・コサレフ”(Александр Косарев)と“パヴェル・クタホフ”(Павел Кутахов)の船内に生産ラインを改装設置し、洋上すり身の生産も開始している。

更に、最近では2022年10月、「ロシア漁業会社」)所属スーパー・トロール漁船シリーズの“カピタン・ヴドヴィチェンコ”(Капитан Вдовиченко*写真)が北クリール海域で試験操業を開始している。

ロシア漁業は、日本市場をめぐり、米国と競争する必要があると指摘している。

現在の2万8,000トンの生産量は、国内練り製品メーカへの需要を満たすばかりでなく、余剰を海外に輸出するのに十分であり、加えて、今後3年で生産量は5万トンに達する可能性があることから輸出戦略が求められている。

ロシア漁業にとって、ここ数年の米国の減産傾向は、日本市場への参入の好機であり、この促進の必要性が指摘されている。

専門家は、現在、日本市場が、ドルに対する円の下落の影響を受け、製品価格が上昇し消費が減退しているが、マーケティング戦略によりこれを再拡張できると分析している。

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“モスクワは涙を信じない” ロシア 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 下院第2読会第3読会一気に通過へ

2022-12-21 08:38:12 | 日記

2022年12月21日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二“モスクワは涙を信じない”

[ロシア 投資目的漁獲割当第2弾設定法案 下院第2読会第3読会一気に通過へ] 

投資目的漁獲割当第2弾設定のための法案が昨日2022年12月20日(モスクワ時間)下院第2読会を通過、一気に第3読会で採択の見込みとなった。

当初、第2読会の設定は同22日の予定だったが、これが早まった。

法案の発効を2026年に延期する業界の要望に基づく修正案も認められず、農業省が強硬に主張したとおり、来年2023年となる。

中小企業保護、地域経済への影響を考慮し、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い沿岸性資源の採捕割当を100%オークションで配分する案は第2読会までに削除されている。

極東海域“投資クオータ”のスケトウダラとニシンについては、更に20%、第1弾の調整向けに4%、第1弾と合わせるとTACの計44%以内まで配分される案は維持されている。

漁船建造等、投資義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、主要対象資源のTACの更に約半分が対象となり、第1弾を合わせると、当該資源のTACのほぼ全量がオークションで配分されることになる。

 

 

「モスクワは涙を信じない」

いくら涙を流し、苦しみを訴えても、またどんな問題があろうと、それは相手の同情を引かず、問題の解決に役立たない。

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ウクライナ侵攻 影を落とす 漁業分野は日露の最後のかすがい

2022-12-20 10:48:15 | 日記

2022年12月19日

毎日新聞

[ウクライナ侵攻 影を落とす 漁業分野]

2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、さまざまな対露漁業に暗い影を落とした。北方領土・貝殻島周辺のコンブ漁は例年より3週間遅れ、6月22日に始まった。「今年はもうだめかと諦めていた」。

前浜での操業や拾いコンブも含め、コンブ漁が唯一の収入源だという60代の漁業者がそう振り返った。

出漁できたものの、漁業者を待ち受けていたのはロシア国境警備局による臨検だった。

操業承認書を調べられ、携帯電話の画像をチェックされた漁業者もいた。

臨検を受けた漁船は延べ366隻に及んだ。違反はなかったが、臨検は前年(87隻)の4・2倍という異常な件数だった。

根室市の納沙布岬からわずか3・7キロ先の「日本固有の領土」にもかかわらず、ロシアの顔色をうかがって操業せざるを得ない漁業者の思いは、いつもの年以上に複雑だった。

対露漁業はこのほか三つの枠組みがありどれも大きな影響を受けた。

主権を棚上げする形で1998年に始まった北方領土周辺の安全操業ホッケ漁を巡っては「対サハリン技術・人道支援費」の未払い問題が浮上。

出漁が2週間遅れた。

戦争の長期化は来年の操業にも影を落としている。

例年であればいずれの枠組みも翌年の操業条件を決める交渉が11、12月に行われるが、今年はいまだに始まっていない。

底引き船業界を束ねる道機船漁業協同組合連合会の原口聖二常務は「漁業分野は日露の最後のかすがい。国益を考えて権益を確保すべきだ」と操業継続の重要性を訴える。

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ロシア農相 フィッシュミール生産量 2027年までに22万トン上積み リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2022-12-20 05:38:31 | 日記

 

2022年12月20日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア農相 フィッシュミール生産量 2027年までに22万トン上積み]

ロシア農業大臣パトルシェフは、同国下院で、フィッシュミールの国内生産量について、2027年までに22万トン上積みが期待されるとの見込みを明らかにし、これを完了した時、水産飼料の輸入代替への貢献度を大幅に向上させることが出来ると述べた。

ロシア漁業は、今年2022年1月-10月、別図のとおり前年同期を16%上回る13万5,400トンのフィッシュミールを生産している。

漁業生産量において日本の400万トンに対し、ロシアは500万トンで近年リードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)より大幅に遅れ、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなってきた。

しかし、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産を拡大しており、2018年に初めて10万トンを突破、以後、右肩上がりで成長し、昨年2021年には14万3,400トンに達した。

パトルシェフは、ロシアの養殖漁業の発展について説明し、今年2022年の生産量が前年比1万3,500トン増の37万トンと予測されると語り、8年間で2倍に成長している点を指摘、このセグメントへの水産飼料の需要について言及した。

また、来年2023年1月1日から、フィッシュミール工場建設と近代化のために新しいタイプの補助金を準備していると述べ、2027年までに9施設の工場建設が予定されていると言及、生産能力を22万トン増加させ、水産飼料の輸入代替への貢献度を大幅に向上させることが期待されると加えた。

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ロシア産カニ製品 米国制裁禁輸  代替輸出市場で2/3カヴァー

2022-12-16 17:01:24 | 日記

 

2022年12月16日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア産カニ製品 米国制裁禁輸  代替輸出市場で2/3カヴァー]

米国は2022年3月11日、ウクライナ情勢による制裁措置として、ロシア産水産物の輸入禁止を発表、同年6月23日に当該猶予期間を終えている。

米国市場の閉鎖後、ロシアのカニ製品輸出のかなりの部分がアジア市場に分配供給された。

2022年1月-9月、中国、韓国、そして日本は、前年同期より7,600トン多くカニ製品を輸入し、失われた米国輸入の2/3をカヴァーしている。

これらに加え、インドネシア、ベトナム、シンガポール、そして中東諸国等の有望な輸入国も見え始めている。

なお、ロシア漁業は、今年2022年漁期1月-9月、前年同期と同じく約9万1,000トンのカニ類を漁獲している。

 

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#7 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国東部大西洋沿岸9州 単一補償管理機関設置へ

2022-12-14 14:19:14 | 日記

 

2022年12月14日

リポート 北海道機船漁業協同組連合会 原口聖二

[#6 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国東部大西洋沿岸9州 単一補償管理機関設置へ]

米国東部大西洋沿岸の9つの州(メイン州・ニューハンプシャー州・マサチューセッツ州・ロードアイランド州・コネチカット州・ニューヨーク州・ニュージャージー州・メリーランド州・バージニア州)は、洋上風力発電の地元漁業への影響緩和と補償問題解決を目的とする単一の地域基金管理者の設置に向けた行動を進めている。

各州は、洋上風力エネルギーの開発と漁業分野の維持を両立させることの重要性を認識し、漁業分野への影響緩和と補償のための基金管理者の設置に関し、漁業分野、洋上風力発電開発者、事業者らの意見、情報を求めている。

これらのとりまとめは、財務管理機関および関心のある一般市民に通知される。

これは、2022年6月に内務省海洋エネルギー管理局 (BOEM)が発表した漁業分野への影響を緩和するための枠組み草案に対応したもので、影響を受ける大西洋沿岸沖合の漁業者と洋上風力発電事業者にとって、公正、公平で透明な方法で機能するシステムを目指しているとし、影響を受ける漁業関係者の経済的損失に対する資金を調達し、適性に分配するため、大西洋沿岸沖合を対象に単一の地域管理者を設置する最善の方法を選択すると加えている。

BOEM がバージニア・ ビーチ距岸24カイリの“バージニア”プロジェクトと、ニューヨーク州モントーク距岸東方沖合26.5 マイルにある“サンライズ”プロジェクトの環境影響に関する草案を 用意しており、2022年12月16日、官報で公開され、2023年2月14日までの60日間がパブリック・ コメントの期間となる。

これらの洋上風力発電プロジェクトは、審査段階の4番目と5番目の案件となっており、最初の“ヴィンヤード”と“サウス・フォーク“の2つのプロジェクトはBOEMによって承認されている。

ただし、マサチューセッツ州沖で建設中の“ヴィンヤード”のプロジェクトについては“米国漁業代表者連合”と“責任ある沖合開発同盟 (RODA)”が、マサチューセッツ州沖で建設中のプロジェクトを停止させるための訴訟を起こすなど、環境上の理由等からますます抵抗が強まっている。

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