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2017年07月31日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国KMI スルメイカ資源 単独国管理では限界]
韓国海洋水産開発院(KMI)は、2017年7月30日、日中韓3カ国の近海の漁獲を発表、スルメイカについて単独の管理では限界があり、関係国間の協力強化が必要だと指摘した。
韓国一般紙(WEB)が伝えた。
昨年2016年、韓国近海の漁獲量は、44年ぶりに100万トンを下回り、日本では公式統計が作成された後、60年ぶりに最悪の漁獲量を記録した。しかし、中国は史上最高の実績を収めたことが分かった。 特に価格が史上最高値を更新しているスルメイカについては、韓国は22%、日本は47%減少した一方で、中国はむしろ増加しており、回遊する魚種(またがり資源)の日中韓の共同管理の必要性が指摘された。韓国海洋水産開発院(KMI)は、“中国の漁業統計年鑑”と、韓国統計庁、そして日本の農林水産省の資料を比較分析し、日中韓3カ国の近海の漁獲を発表した。日中韓の近海の漁獲を比較分析した資料が出てきたのは今回が初めてだ。 この資料によると、近海の漁獲量は、韓国の92万トンに対して、中国が1,328万トンで14.4倍、日本が290万トンで3.2倍となっている。中国は、2007年1,136万トン、2016年1,328万トンで、この10年の間に17%増加した一方、韓国は2007年115万トン、2016年92万トンで20%減少、日本も2007年389万トン、2016年290万トンで26%減少した。昨年、韓国と日本の両国が2015年比でそれぞれ12%と9%減少し、史上最悪の漁獲量を記録したのに比べ、中国はむしろ1%増加し、史上最高の実績を3年連続更新した。特に回遊性の魚種(またがり資源)のスルメイカについて中国の漁獲量が目立つ。 韓国は2007年の17万4,479トンに対して2016年には12万1,757トンで30%減少、日本は2007年の25万3,494トンに対して、2016年には6万7,800トンで73%も減少した。一方、中国は、2007年の34万463トンに対して、2016年には38万8,634トンで14%増加した。 中国の漁獲量がこのように増加したのは、自国の漁場が荒廃し、韓国、北朝鮮、日本など東アジア海域だけでなく、領土の南端に隣接する、台湾、ベトナムなど東南アジアの海域まで操業区域を拡張しながら行った違法な操業の影響も大きい。特に、北朝鮮と東海(日本海)の操業協定を締結した2004年以降、北朝鮮水域はもちろん、韓日中間水域の北端に位置する大和堆漁場でスルメイカの違法操業を続けており、取締の強化が急がれると指摘されている。韓国海洋水産開発院(KMI)研究室長イ・ジョンサムは、スルメイカ等、関係国を回遊する魚種(またがり資源)については、いずれの国の単独の漁業管理に限界があると言及、関係国間の協力強化が必要だと指摘した。