ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

韓国 自国EEZ2022年度管理期間TAC設定を発表

2022-06-29 19:36:41 | 日記

2022年06月29日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[韓国 自国EEZ2022年度管理期間TAC設定を発表]

韓国海洋水産部は本日2022年6月29日、新年度管理期間となる2022年度(2022年7月-2023年6月)の自国EEZの水棲生物資源TAC設定を発表した。

新年度から新たに、タチウオ、キグチ、そしてサワラがTAC魚種に指定され、対象となるのは15魚種、17漁業種となり、総量は前年度比6割増の約45万トンとなる。

韓国の自国EEZにおける漁獲量は約100万トンであり、カヴァー率は4割強となった。

日本EEZとまたがり資源と位置付けられるスルメイカは、微増(+2%)の8万5,590トン(日本EEZ7万9,200トン)の設定となった。

特に、韓国EEZのスルメイカの1/3を生産している西海2艘引きの当該魚種設定は、前年度の1万3,650トンから更に上積みされ、1万5,030トンとなった。

各魚種のTAC設定の推移、並びに日本、韓国、ロシア、そして中国のスルメイカのTAC設定・漁獲勧告と漁獲情報は、別表、別図のとおりとなっている。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア産業企業家同盟 投資目的漁獲割当設定に関し大統領府長官ワイノへ書簡送付

2022-06-28 14:20:18 | 日記

 

2022年06月28日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア産業企業家同盟 投資目的漁獲割当設定に関し大統領府長官ワイノへ書簡送付]
*ロシア産業企業家同盟(アレクサンドル・ショーヒン)は投資目的の漁獲割当の設定について、業界としての意見書をロシア大統領府長官アントン・ワイノに送付し、この問題の検討を促した。
同連盟には漁業部会が設置されており、主に、全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ゲルマン・ズベレフがその部会長を務めている。
ロシア農業省が、新たな漁獲割当として、“投資クオータ”第2弾、カニ漁獲割当オークション第2弾、そして投資目的の市場価値の高い魚種のオークションを設定する方針を示し、ロシア漁業庁長官シェスタコフは、先に行われた第25回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムにおいて、投資目的漁獲割当第2弾の設定に言及し、当該プロジェクトの開始を2025年としたい旨の意向を表明、そのためには2023年内に関連法令を施行する必要があると指摘した。
これに対し、業界は、第2弾の設定を急ぐ必要性を共有せず、これを支持しないことを確認、特に“投資クオータ”第1弾の造船プロジェクトが、いまだに計画の10%しか達成されていないことを強く指摘し、延期するべきであることで意見の一致をみている。
また“投資クオータ”の第2弾の実施で、スケトウダラとニシンのロット・パッケージの内容が違う”投資クオータ”第1弾の参加者の漁獲割当が削減されてしまう可能性があることから、更に4%がこの補償調整向けとして配分されることとなっているが、第1弾の申請受付が開始された2018年当時よりTACは増加し、アクチュアルな配分数量も連動して2021年に7%増加しており、過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”の配分と比較しても、その補償を行うことの根拠が乏しいことから、これを不要とする判断を促すことで合意がとられている。
カニの漁獲割当配分については、2018年に向う15年間の資源利用契約を漁業者と政府が締結したにもかかわらず、それに反し、漁獲割当オークションの第1弾が行われた経緯があり、更に2弾を設定することは、不合理で、これについては2033年の契約の満了後にすべきであること、加えて、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当を100%オークションで配分することについては、社会的、経済的影響を考慮し、これに支持しないことで意見の一致をみている。
*ロシア産業企業家同盟
(Российский союз промышленников и предпринимателей,  РСПП)
ロシアの企業家、実業家による公共組織。ソビエト連邦末期の1991年に産業界の首脳を集めて組織された。 日本の経団連に相当。会員企業は100以上の団体、32万以上の企業から構成され、国内総生産の60%を占める。
*アントン・ワイノ(Антон Эдуардович Вайно)
1996年モスクワ国際関係大学を卒業し、国際関係の学位を取得する。外務省入省後は東京の駐日ロシア大使館に勤務した後、本省に戻り第二アジア局勤務。2002年ロシア大統領府儀典局に勤務、後に儀典・予定局(儀典・組織局)副局長、2007年には第一副局長を務める。2008年ロシア連邦政府官房副長官を経て、首相府儀典局長兼官房副長官。2011年ロシア連邦大臣兼内閣官房長官。2012年5月22日から、大統領府副長官。 2016年8月12日、大統領府長官のセルゲイ・イワノフが事実上解任されたことを受け、昇格する形で後任の長官に就任した。駐日ロシア大使館に勤務した経験から日本語が堪能。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢 ロシア産一次原料先行き不透明 ドイツのスケトウダラ・フィレ使用冷凍食品業界

2022-06-24 13:20:49 | 日記

 

2022年06月19日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ウクライナ情勢 ロシア産一次原料先行き不透明 ドイツのスケトウダラ・フィレ使用冷凍食品業界]

スケトウダラ・フィレを二次原料にフィンガー・スティック・フライ等を製造するドイツの冷凍食品業界は、ウクライナ情勢によるロシア産一次原料の調達の先行きの不透明さから安定した経営の確保に危機感を募らせている。

ドイツは、ロシア産スケトウダラH&G(ドレス)を一次原料に中国で二次加工されたフィレのEU最大の輸入国で年間約8万トンを輸入してきた。

EUは、ウクライナ情勢によりロシアに対して一連の制裁措置を講じているが、白身魚は適用除外となっている。

ロシアが現在、フィレ等、中国の二次加工に依存しない高次加工製品の生産を強化しており、EUは当該製品の直接的な輸入も可能となっている。

ドイツの冷凍食品業界がウクライナ情勢による貿易全体の不透明さに加え、特に危惧しているのはロシアのスケトウダラ漁業のMSC認証が停止することだとしている。

この影響を受け、スケトウダラ・フィレの輸入を米国のみに依存する場合、その調達価格が高騰する可能性があるとドイツの冷凍食品業界は指摘し、今後の安定した経営の確保に危機感を募らせている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道隣接サハリン州 太平洋サケマス増殖事業 科学研究機関 稚魚放流のタイミング勧告情報提供

2022-06-21 16:44:46 | 日記

 

2022年06月20日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[北海道隣接サ州 太平洋サケマス増殖事業 科学研究機関 稚魚放流のタイミング勧告情報提供]

ロシア科学研究機関は、北海道に隣接するサハリン州(サハリン島並びにクリール諸島)の太平洋サケマス増殖事業を支援するために、孵化場からの稚魚の放流に適したタイミング、条件を決定するための勧告情報を各事業者に発信している。

今年2022年、サハリン州では6月期に当該稚魚放流が展開されている、

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・サハリン支部サフニロは、サハリン州の各事業者の孵化場が稚魚放流する河川の河口沿岸、40以上のステーションにおける1998年から今年2022年現在の水温の遠隔監視データと直近の気象条件を合わせて分析し勧告をおこなっている。

サハリン島南部と南クリール諸島のステーション配置は別図のとおりとなっている。

北海道に隣接するサハリン州では、今年2022年も太平洋サケマス増殖事業において10億尾以上の稚魚を放流する計画となっている。

現在、サハリン州には70施設のサケマス孵化場があり、昨年2021年、13億粒の採卵が行われている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポスト英国EU離脱 EU 英国による通商協定の一部破棄発表に対し法的措置を示唆

2022-06-19 03:46:26 | 日記

 

2022年06月19日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 EU 英国による通商協定の一部破棄発表に対し法的措置を示唆]
EUの主要機関の中で唯一、新規法案を策定する権限を持つ欧州委員会は、2022年6月15日、英国が2019年にEUと交わしたEU離脱後の通商協定の一部を破棄する計画を発表したことを受け、法的措置を講じることを示唆した。
英国が発表したのは北アイルランドとEU加盟国となるアイルランドの間の通商を定めた”北アイルランド議定書”を変更するもので、本質的な国益を守るため、他に選択肢はないと説明している。
英国は2021年1月にEUを離脱し、北アイルランドとアイルランド間の通商に関し、2019年に英国とEUで交わされた”北アイルランド議定書”が発効した。
この最大の特徴は、北アイルランドに限り、関税手続きなどをEU基準に合わせた特別な運用をすることにある。
英国本土から北アイルランドに物品を送る際は、品目によって企業が輸入関税を支払うことが必要となっている。
関税手続き上の境界線は、北アイルランドとアイルランドではなく、同じ英国内の英国本土と北アイルランドの海上に引かれ、英国本土からの物品が北アイルランドにとどまれば、英国当局は企業に税を還付する。
また、EU加盟国のアイルランドまで持ち込まれた場合は還付されない仕組みとなる。
北アイルランドへ物品を輸入している企業は、追加コストや手続きの煩雑さといった問題に直面していて、特に水産物を含む食品等の分野で厳しい対応を余儀なくされている。
他方、北アイルランドからアイルランドへの輸出では、EU市場への摩擦のないアクセスが維持されているため、輸出業者は恩恵を受けている。
これらのことから、北アイルランド漁船と同一の海域で操業を行っているスコットランド業界は、以前、EUに輸出する水産物が関税の対象となる不平等感を表明した上で、スコットランド漁船が北アイルランドに船籍登録し、漁獲物を陸揚げさせ、加工せずにアイルランドに輸送する抜け穴があり、これにより、漁獲物がEU関税から免除されることが可能となる問題が存在することを指摘していた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア漁業庁長官シェスタコフ 世界の海と変革:ロシアと海外はどのような船団を求めているのか

2022-06-17 12:05:05 | 日記

 

2022年06月17日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業庁長官シェスタコフ 世界の海と変革:ロシアと海外はどのような船団を求めているのか]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、2022年6月15日から開催された第25回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムで“世界の海と変革:ロシアと海外はどのような船団を求めているのか”と題し、基調報告を行った。

シェスタコフは、国内市場に高品質な水産物製品を提供するための船団と、科学調査船の更新の必要性を説明した。

2016年、ロシア大統領プーチンは、国内造船所で漁船建造する漁業者と陸上加工場建設を行う水産会社に優先的に漁獲割当を配分する“投資クオータ”に関する法令に署名を行った。

ソ連崩壊後、漁業者は、中古外国漁船を購入することによって船団を更新した。

プーチンが“投資クオータ”の導入を決定するまでに、平均船齢は35年に達し、損耗は90%を超え、船団の運営を維持するためのコストは増大していた。

漁業者は、操業の効率を改善するために、生産施設となる船団と漁獲物処理をアップグレードすることに投資を開始した。

ロシアでは、初めて、漁船団の建造が開始され、今日、近代的でハイテクなスーパートロール漁船では、洋上でミールが生産され、廃棄物ゼロの処理が行われている。

また、沿岸漁業向けの鮮魚流通のための様々なタイプの漁船も建造されている。

“投資クオータ”の第1弾では、投資額2,047億ルーブルにより64隻が建造されることになる。

これにより、漁船団は北部海域で80%、極東海域で40%が更新されることになる。

極東海域はロシアの漁業生産の70%を占めており、当該海域での投資プロジェクトを継続する必要がある。

また、別な枠組みで、カニ漁獲割当配分にオークションを導入し、落札者に漁船建造を義務付けするプロジェクトが設定された。

このプロジェクトの投資額は610億ルーブルで41隻のカニ漁船が建造されることになる。

“投資クオータ”とカニ漁獲割当オークションのプロジェクトにより、2025年までに105隻が建造されることになっており、現在、6隻の漁船と、3隻のカニ専業漁船が漁業者に引き渡されている。

シェスタコフは、パンデミックと新しい制裁のために、建造計画が大幅に遅れていて、現在の状況で最も重要なことは、舶用部品等の輸入代替であることを指摘し、すべての問題を解決するために、ロシア漁業庁が産業貿易省や造船業界と連携を強化していると語り、一部のプロジェクトは再設計する必要があることから、政府が実施期限を延長することを決定したと加えた。

また、一方でシェスタコフは、新たな水産分野での投資の必要性を指摘した。

シェスタコフは市場への高品質な水産物製品供給のための冷凍・冷蔵運搬船の更新、建造を対象とするプロジェクトのための投資漁獲割当第2弾の設定を提案し、加えてロシア漁業の資源基盤の拡充を目的に科学調査船団の更新が必要であることを訴えて基調報告を結んだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サハリン税関当局 日本向け水産物輸出契約の代金回収不正を摘発

2022-06-16 14:42:31 | 日記

 

2022年06月16日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[サハリン税関当局 日本向け水産物輸出契約の代金回収不正を摘発]

今般、サハリン税関当局は日本への水産物輸出代金7,000万ルーブルにかかる通貨法違反の事実を明らかにした。

地元ニュース・サイト(WEB)が伝えた。

ロシア企業がサハリン産の冷凍魚、カニ製品等の水産物を2016年から2019年にかけて、日本企業との契約に基づき130万ドル相当輸出したが、代金回収は双方の合意により2年、3年、そして5年と延長されていた。

2021年12月に日本企業は最終的支払いを行うことになっていたが、96万4,000ドル(7,030万ルーブル)が未回収の扱いとなっている。

一方、ロシア企業は、債権回収、法的措置等、何ら行動を起こしていない。

ロシアの法律では、居住者(ロシア企業)は、非居住者に譲渡した商品について、ルーブルまたは外貨で代金を受け取らなかった場合、責を負うことになっている。

このことから、サハリン税関当局は、ロシア連邦行政法15.25条第4項に基づく違法容疑で行政事件として7件の起訴手続きをとった。

有罪が確定した場合、未回収代金の30%以下の罰金が科せられることになる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カムチャツカ地方大手水産が経済危機で一部活動を停止 “ヴィチャズ・アフト”(Витязь-Авто)

2022-06-14 02:56:45 | 日記

 

2022年06月14日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[カムチャツカ地方大手水産が経済危機で一部活動を停止]

ペトロパブロフスクカムチャツキーを根拠とするカムチャツカ地方最大手水産会社“ヴィチャズ・アフト”(Витязь-Авто)がロシア国内の経済危機により一部活動を停止した。

“ヴィチャズ・アフト”は、漁労から加工、流通小売まで行う垂直統合型ビジネスを行ってきたが、加工部門の一部を停止し、小売店舗を閉鎖した。

新型コロナウイルスのパンデミック以前となる2020年初めまであった小売7店舗は、後に3店舗となり、そして、2022年の現在、全て閉店となったことが分かった。

“ヴィチャズ・アフト”は、サケマス、スケトウダラ等を中心に1日あたり120トンの加工処理施設を運営、小売店では、プレミアムの“Mirandel”と大衆向け“Kamvita”の2つのブランドをもって、魚卵、スモーク、フィレ等、様々な製品を販売してきた。

“ヴィチャズ・アフト”の代表者は、加工部門の一部停止と小売店舗閉鎖の最終的意思決定を導き出したものは、ウクライナの事情による一連の制裁措置だと説明し、高金利、自国通貨の変動、他国との関係により、自社ブランドに対する需要減少と生産コストの上昇、とりわけエネルギー・コストの増加を指摘した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポスト英国EU離脱 アイルランド EU漁業共通漁業政策の不均衡悪化を抗議

2022-06-12 01:44:08 | 日記

 

2022年06月12日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ポスト英国EU離脱 アイルランド EU漁業共通漁業政策の不均衡悪化を抗議]

アイルランド業界は英国がEUを離脱したことにより、共通漁業政策による漁獲割当配分の不均衡が悪化したとして、この是正を求め関係機関へのロビー活動を強化している。

アイルランド漁業生産者機構“IFPO”によると、EUの共通漁業政策により、アイルランド海域でのEU漁業国の年間漁獲量は、約2億5,000万ユーロ(356億円)相当で、自国アイルランドのほぼ2倍となっている。

“IFPO”は、英国がEUを離脱し、独自の漁獲割当を確保したことで、ロックオール島周辺海域漁場を失い、漁獲割当の不均衡がより悪化したことを指摘している。

アイルランド漁船への漁獲割当は、自国海域の許容漁獲量のわずか18%である一方、一部のEU加盟国の年間漁獲割当が不明な中、未利用となっている許容漁獲量が存在していると推察されており、これをアイルランド漁船に再配分することを“IFPO”は求めている。

EU加盟国は、英国のEU離脱により、これまでの英国海域での漁獲量の25%(金額ベース)を譲渡することになった。

これらの英国への漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。

譲渡は、2021年に60%、2022年に70%、2023年に80%、2024年に92%と段階的で、2025年の終わりにこのプロセスを100%完了することになる。

非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。

分析によると、アイルランドは2026年までに漁獲割当の約15%を失うことになるが、これはフランス漁業が失うと予想されるレベルの約2倍となっている。

このことからアイルランドは英国とEUの貿易協力協定がアイルランド漁業に不当な負担をかけていると抗議を続けている。

アイルランドは、英国のEU離脱の結果による漁業者への補償を求めざるを得なくなり、昨年2021年、EUが同国へ860万ポンド(約13億1,000万円)の救済支援を行った経緯がある。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西部・中央部への太平洋サケマス輸送 北極海航路定期便化を目指す 原子力コンテナ商船“セヴモルプチ”(Севморпуть)

2022-06-07 16:23:06 | 日記

 

2022年06月06日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[カムチャツカ地方 西部・中央部への太平洋サケマス輸送 北極海航路定期便化を目指す]

国営原子力企業”ロスアトム“(Росатом)の子会社、”アトムフロート“(Атомфлот)は、北極海航路の定期便化に取り組んでいる。

“アトムフロート”は今年2022年夏秋、原子力コンテナ商船*“セヴモルプチ”(Севморпуть)により、ペトロパブロフスクカムチャツキーと、ムルマンスク、サンクトペテルブルグを結び2航海を行う計画だと発表した。

カムチャツカ地方は、同地方で生産された太平洋サケマスのロシア西部・中央部への輸送について北極海航路の定期便化に強い関心を示している。

近年、同地方の製品の西部・中央部への輸送は、沿海地方を通じ、主に鉄道で行われているが、ウラヂオストクの冷凍冷蔵庫不足等により物流が滞ることが指摘されている。

カムチャツカ地方にとって太平洋サケマス漁期の物流問題は重要で、ペトロパブロフスクカムチャツキーからサンクトペテルブルグまでの北極海航路輸送は鉄道輸送の1/2の所要時間であり、期待が寄せられている。

*“セヴモルプチ”(Севморпуть)

1988年(ソ連時代)に建造されたKLT(КЛТ)-40タイプ原子力発電所を備えた砕氷輸送船。全長260メートル。原子力発電所で建造された非軍事商船4隻の中で最大。北海航路にちなんで名付けられ、プロジェクト10081唯一の船舶。コンテナで製品を北部の遠隔地に輸送することを目的としており、厚さ1メートルまでの氷を粉砕して航行可能。2019年現在、原子力発電所を備えた唯一の運航貨物船。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道隣接サハリン州 太平洋サケマス 各漁業区の操業期間が決定する

2022-06-07 12:29:23 | 日記

 

2022年06月07日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[北海道隣接サハリン州 太平洋サケマス 各漁業区の操業期間が決定する]

北海道に隣接するサハリン州の遡河性魚種生産管理委員会は、今年2022年漁期の太平洋サケマス操業の各漁業区の操業期間を次のとおり決定した。

サハリン北西漁業区(エリザヴェート岬からポギビ岬) 7月1日-9月30日

サハリン北東漁業区(エリザヴェート岬からテルペニア岬) 7月15日-8月31日

テルペニア湾漁業区 7月22日-8月10日(先住民族伝統漁限定)

カムチャツカ・クリール(サハリン州管轄域)漁業区 6月22日-8月31日(占守島周辺沿岸ではベニザケのオホーツク海への移動に配慮し7月15日-8月15日の間操業停止)

北クリール漁業区 6月18日-8月31日

南クリール漁業区 択捉島 7月11日-9月20日 国後島 8月1日-9月10日

報告担当者 原口聖二:今回の決定に資源来遊の弱さが指摘されているサハリン南西漁業区とアニワ湾漁業区の取扱いは盛り込まれていない。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア 2022年第1四半期フィッシュミール生産 5万1,000トン 前年同期比121%

2022-06-06 14:20:25 | 日記

2022年06月05日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア 2022年第1四半期フィッシュミール生産 5万1,000トン 前年同期比121%]

ロシア漁業は、2022年第1四半期、前年同期比121%となる5万1,000トンのフィッシュミールを生産した。

漁業生産量において日本の400万トンに対し、ロシアは500万トンで近年リードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)より大幅に遅れ、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなってきた。

しかし、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産を拡大しており、2018年に初めて10万トンを突破、以後、右肩上がりで成長し、昨年2021には14万3,400トンに達した。

毎年1月-4月、生産量が大きくなるのは、主に100万トン近く漁業生産が行われるオホーツク海抱卵スケトウダラ操業の残滓、これに次いで6月-8月、生産がやや大きくなるのは、太平洋サケマス操業の残滓と見られる。

さらに、ここ2年-3年、10月-12月に生産が大きくなる傾向を見せているのは、拡大を続けるイワシ漁業によるものと推察される。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(5月20日)

2022-06-05 17:39:21 | 日記

2022年06月05日 

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(5月20日)]

韓国漁船による自国EEZでの2021年度漁期(管理期間2021年7月-2022年6月)の2021年7月1日から2022年5月20日までのスルメイカの漁獲量は、4万1,670トン、前年度同期の137%で、TAC設定8万3,830トンに対する開発率が50%となっている。

科学研究機関の勧告により、各漁業種の内、唯一、TACを拡大させた二艘引き西海トロールは1万3,160トンを漁獲して、当初枠を全量開発、留保枠の利用に入っており、双方合算枠の1万3,650トンに対する開発率が96%を超えている。

当該操業は前年度同期の184%の生産となっており、全体の1/3を占めプレゼンスを発揮、今漁期、韓国イカ漁業を牽引する位置づけとなっている。

主要漁業の沖合イカ釣りは、1万1,350トンで、二艘引き西海トロールを下回り、前年度同期の96%の生産となっている。

前年度漁期となる2021年1月1日から、近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されている。

近海網漁業は、新年度漁期開始から報告日までに、3,600トンを漁獲、当初枠のTAC開発率は94%となっているが、留保枠の利用に至らない可能性がでている。

なお、大型トロールと二艘引き西海トロールが、操業海域が東経128度以西に限定されている規制において、当該EEZで報告日までに2万1,440トン以上を漁獲、今漁期、韓国スルメイカ漁業の半分を上回る生産を西岸沖合漁場が占める実績を示し、これまで日本の資源評価において、ほぼ論議の対象外だった動向を示す結果となっている。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

他国のEEZに禁漁期間設定する中国 領土主権侵害 ヴェトナムに次いでフィリピンも反発

2022-06-03 17:35:29 | 日記

2022年06月02日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[他国のEEZに禁漁期間設定する中国 領土主権侵害 ヴェトナムに次いでフィリピンも反発]

南シナ海の一部海域に中国政府が一方的に禁漁期間を設定し、これを表明したことについて、フィリピン政府が、ヴェトナム政府に次いで、管轄権の侵害だと声明を出した。

これを受け中国外交部報道官趙立堅は、2022年6月1日、中国が管轄海域で水棲生物資源を保護するための真っ当な措置だと表明、フィリピンの非難は受け入れられないと言及したと“CRI Online”が伝えた。

中国は、今年2022年も、南シナ海12°00′N–26°30′N海域について5月1日-8月16日の間、漁業活動を禁止すると先に発表していた。

更に趙立堅は、“国連海洋法条約”を含む国際法を履行する義務の具現化でもあると語り、沿岸国としての義務を客観的かつ正しく遂行しながら、確実に履行することや、南シナ海の漁業の持続可能な発展をフィリピンと共同で促進する必要があるとの見解を示したとされている。

中国は南シナ海の約90%に対する領有権を主張し、周辺に沿って一方的に*“九段線”を引き、人工島を建設しながら軍事基地化して論議を触発している。

なお、2016年7月12日、オランダ・ハーグの国際常設仲裁裁判所は、九段線とその囲まれた海域に対する中国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする所謂*“南シナ判決”を下している。

*九段線、またはU字線、牛舌線は、南シナ海にある南沙群島(スプラトリー諸島)や西沙諸島(パラセル諸島)の領有権及び両諸島周辺の領海、排他的経済水域(EEZ)、大陸棚といった海洋権益問題に関して、1953年から中国と台湾がその全域にわたる権利を主張するために地図上に引いている破線で、断続する9つの線の連なりにより示される。

2012年5月15日から中国の発行するパスポートの査証欄に九段線が印刷されている。

*南シナ海判決

1982年の国連海洋法条約附属書VIIに基づく南シナ海問題に関するフィリピンと中国の国際仲裁判決。

通称、南シナ海仲裁判決(裁定)。

この事件は、中華人民共和国が、海域や島々の領有権を有すると主張してきた、いわゆる九段線に囲まれた南シナ海の地域について、フィリピンが国連海洋法条約の違反や法的な根拠がない権益の確認を国際常設仲裁裁判所に対して申し立てた仲裁裁判となる。

2013年からフィリピンは中国に対して警告を行ってきたが、中国側が拒絶してきたため、2014年、フィリピンは常設仲裁裁判所に対してパネルを設置し、仲裁を要望した。

2016年7月12日、オランダ・ハーグの国際常設仲裁裁判所は、九段線とその囲まれた海域に対する中国が主張してきた歴史的権利について、「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断を下した。

判決の概要

中国による九段線で囲まれた海域に対する歴史的権利等の主張は、国連海洋法条約に反するもので認められない。

スカボロー礁、ガベン礁(北側の礁のみ)、ケナン礁(ヒューズ礁を含む)、ジョンソン南礁、クアテロン礁及びファイアリー・クロス礁は、いずれも「岩」であり、12海里の領海のみを有する(排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚を生成しない)。

南沙諸島の「高潮高地」(例えば、イツアバ島、パグアサ島、ウエストヨーク島、スプラトリー島、ノースイースト島、サウスウエスト島)はいずれも、国連海洋法条約121条3項で定める「人間の居住又は独自の経済的生活を維持すること」ができる海洋地勢ではなく、EEZ及び大陸棚を生成しない。

ミスチーフ礁、セカンドトーマス礁及びスビ礁は、いずれも満潮時に海面下に沈む「低潮高地」であり、いかなる海洋権限も有さない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア 早いイワシの漁場形成 今漁期既に1万3,000トン漁獲

2022-06-03 15:11:27 | 日記

 

2022年06月03日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア 早いイワシの漁場形成 今漁期既に1万3,000トン漁獲]

ロシア漁業者による表層漁業は早い展開を見せている。

今年2022年漁期、イワシ資源の漁場形成は早く、5月30日までに既に1万3,000トンが生産された。

昨年2021年同期は、まだ漁獲がない状態だった。

一方、サバについては、まだ集約的な漁獲はされていないが、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロは、両資源ともに良好な状況と評価している。

チンロは、昨年2021年夏季の調査で、両資源について北太平洋からカムチャツカ半島海域までの大規模分布を確認しており、その資源量をイワシ380万トン、サバ120万トンと算定していた。

先に、科学調査船“チンロ”(ТИНРО)が、今年2022年漁期の表層魚等の魚群形成調査を目的にウラヂオストクを出港、クリール列島太平洋側海域と北太平洋公海部で包括的な調査を行うことになる。

対象海域において、ロシアEEZに来遊するイワシ・サバの魚群形成の規模等に関する情報を収集し、色丹島クラボザヴォドスク(穴澗)に開設された研究基地“オケアニチェスカヤ”(Океаническая)等と連携して当該漁業予測を発信することをヴニロは計画している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする