2023年12月31日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2024年 ロシア漁業はどう変わるか サケマス定置網漁業投資貢献義務法発効等]
年明け2024年、ロシア漁業はどう変わるか。
サケマス定置網漁業投資貢献義務法発効、魚卵製品のデジタル・ラベル表示義務化、バレンツ海のカニ漁獲割当オークション第2弾の実施など、多くの革新的変更が行われることになる。
①サケマス定置網漁業投資貢献義務法発効
2024年9月1日、サケマス定置網漁業投資貢献義務法が発効する予定となっている。
ロシア極東地方のほとんどの太平洋サケマス漁場利用の契約が2027年-2028年に更新をむかえる。
これに対応した太平洋サケマスなど遡河性魚種を漁獲する定置網漁場利用にかかる投資等、貢献義務の設定法に大統領プーチンが2023年7月24日付で署名している。
漁場利用契約において、電子オークションの実施や、地域の社会経済開発への参加に合意すること等を盛り込むもので、含まれる義務のリスト、形式等は、連邦政府によって決定され、これらの条件は遡河性魚種生産管理委員会によって調整されることになる。
また、これらの条件を調整するために、オークションの実施の可能性も盛り込まれている。
②魚卵製品へのデジタル表示の義務化
2024年、サケマスとチョウザメの魚卵製品へのデジタル・ラベル表示が義務化されることになる。
2023年11月29日付政府命令No.2028によって当該要件規則が承認されている。
③“投資クオータ”利用水産加工場の生産量管理規則発効
2024年9月1日、“投資クオータ”利用水産加工場の生産量管理規則が発行する予定となっている。
ロシア政府は、2023年11月3日付命令No.1853により“投資クオータ”を利用して建設された水産加工場の義務履行の検証のため、当該漁獲割当を使用した製品の歩留まり係数等を含む、新たな算定管理規則を決定している。
資源利用者となる水産加工場は、製品生産量等の年次報告を翌年の2月1日までにロシア漁業庁へ提出しなければならない。
④カニ・エビ製品の韓国への新たな原産地証明取得手続規則発効
2024年3月1日、カニ・エビ製品の韓国への輸出のための電子原産地証明手続規則が発効する。
ロシア農業省は2023年6月9日付命令No.560により、これを承認している。
⑤北部海域(バレンツ海)カニ漁獲割当オークション第2弾実施
2024年、北部海域(バレンツ海)カニ漁獲割当オークション第2弾が実施される。
極東海域のカニ漁獲割当オークション第2弾が、2023年10月16日から同18日までの3日間実施され、これが完了している。
上場されたのは、当該オークション第1弾の残りTAC50%の内、48%以内、向こう15年間のカニ漁獲割当27ロットとなった。
第2弾のオークションによる落札額(資源利用税収)は2,145億ルーブルに達した。