2023年10月31日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア科学研究機関 南部-中部クリール海域キタノホッケ(シマボッケ)資源調査]
全ロシア海洋漁業研究所サハリン支部サフニロは、南部-中部クリール海域(日ロ政府間協定海域Ⅱ-2区)のキタノホッケ(Pleurogrammus monopterygius:通称シマボッケ)の資源調査を行い情報を収集した。
調査は、同研究所職員が、2023年8月-9月、商業漁船に乗船して行われた。
南部-中部クリール列島沖合では、最大20隻の中型トロール漁船によって、ほぼ周年にわたり、キタノホッケが漁獲されている。
この時期、ウルップ島(得撫島)周辺海域で活発に商業漁業が展開され、調査では、26回のトロール漁獲物を対象に4,912個体の測定と150件の生物学的分析が行われた。
キタノホッケはスケトウダラ、マダラ、カレイと並んでクリール列島海域の伝統的な商業漁業対象となってきたが、2019年まで資源量が著しく減少していた。
しかし、近年、キタノホッケの資源構造に改善が見られ、肯定的な傾向が確認されており、今年2023年の漁獲実績も前年同期を大幅に上回っている。
今回の調査期間、漁獲されたキタノホッケの体長は30cm-52cm、平均44.2cm で、7歳魚-10歳魚、体長43cm-46cmが支配的だった。
今年2023年のキタノホッケは2021年、2022年と比較して大型で、平均体長は3.1cm上回っている。