2015年11月17日
モスクワ発
[ロ日漁業委員会代表にサフチュクが任命される]
ロシア漁業庁は、2015年11月11日付命令No.2286-rにより、ロ日漁業委員会とロ日漁業合同委員会のロシア側代表に同庁副長官ピョトル・サフチュウク(Пётр САВЧУК)が任命されたと発表した。
ロシア外務省はこの決定を日本国政府へ通報することになる。
ロ日漁業委員会は、1984年12月7付ソ日地先沖合漁業協定に基づいて設置されており、毎年、翌年のロ日双方の200海里水域における相手国漁船の割当量等の操業条件について協議を行っている。
ロ日漁業合同委員会は、1985年5月12日付日ソ漁業協力協定に基づいて設置されており、北西太平洋の遡河性魚種の保護再生産と合理的利用に関する協力について協議を行っている。
(関連過去情報)
2015年05月25日 一般社団法人北洋開発協会
[ロシア漁業庁極東漁業担当副長官候補者ピョトル・サフチュク]
ピョトル・サフチュク(Савчук Петр Степанович)
2006年10月8日 沿海地方第4招集議会議員(統一ロシア)選出
2011年12月4日 沿海地方第5招集議会議員(統一ロシア)選出
1960年7月12日 ウクライナ・キエフ生
1983年 極東水産技術専門学校卒業“航路・航海技術”
1984年-1995年 太平洋漁業探査・科学調査船団管理局 共産主義青年同盟委員会書記
1995年-1997年 太平洋漁業探査・科学調査船団管理局副局長
1997年 “РОЛИЗ”(ロリズ)社副代表
2001年-2007年 “РОЛИЗ”(ロリズ)社代表
2007年-2008年 管理会社“БАМР”(バムル)副社長
2008年-2010年 管理会社“БАМР”(バムル)社長
2010年-2011年 "Находкинская база активного морского рыболовства" (ナホトカ海洋漁業基地)代表
2011年11月 "Русское море добыча"(ルスコエモーレ・ダブイチャ「ロシアの海 生産」)社極東代表
*報告担当者 原口聖二:ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(ルスコエモーレ「ロシアの海」)の一部だった"Русское море добыча"(ルスコエモーレ・ダブイチャ「ロシアの海 生産」)は2014年に社名変更。現在は“Русская рыбопромышленная компания”(ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ「ロシア漁業会社」)。
2015年05月20日 ウラヂオストク発
[ロシア漁業庁は極東に副長官を置く可能性がある]
ロシア水産業界紙(WEB)は、漁業生産の約65%が極東地方によるものであり、その重要性から、一部情報によると、同地方ウラヂオストクに副長官を置くことが検討されていると伝えた。
現状、同庁副長官は4名で、ワシリー・ソコロフが漁業組織、国際協力、科学研究等、ウラヂミル・ソコロフが漁業監視、船団・港湾管理等、ナデジダ・シェビナが法令、人事等、そしてイリーナ・ロマネンコが金融、経済等をそれぞれ管理している。
漁業庁副長官の任命と解任の権限は農業大臣となっており、現在、新たな同庁副長官の候補として名前があがっているのは、*“ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ”(“Русская рыбопромышленная компания”)社の極東地域の代表ピョトル・サフチュウク(Пётр САВЧУК)とされている。
*報告担当者 原口聖二:“Русская рыбопромышленная компания”“ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ”は、ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の一部だった"Русское море добыча"(“ルスコエモーレ・ダブイチャ”「ロシアの海 生産」)の変更後の社名。
2014年10月29日 モスクワ発
[“ルスコエモーレ・ダブイチャ”「ロシアの海 生産」が社名変更へ]
ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の一部だった"Русское море добыча"(“ルスコエモーレ・ダブイチャ”「ロシアの海 生産」)の社名が“Русская рыбопромышленная компания”(“ルスカヤ・ルイボァプロムシレナヤ・カンパニヤ”「ロシア漁業会社」)に変更されることがわかったとロシアメデイアは伝えた。
現在、“ルスコエモーレ・ダブイチャ”「ロシアの海 生産」は、“ルスコエモーレ”「ロシアの海」グループに含まれていないが、その主要株主は共通となっている。
“ルスコエモーレ・ダブイチャ”「ロシアの海 生産」は、中国、韓国資本の不祥事を起こした漁業会社の買収を続け、ロシア最大のスケトウダラ漁業会社となった経緯にある。
なお、同社の社名変更は数日中に公式に発表されるとしている。
2013年10月28日 モスクワ発
[ロシア大手“ルスコエモーレ”「ロシアの海」のスケトウダラ関連漁業会社買収6社に]
ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の"Русское море добыча"(ルスコエモーレ・ダブイチャ)による、中国、韓国資本の不祥事を起こした漁業会社の買収が続いている。
“ルスコエモーレ”「ロシアの海」が、スケトウダラ、ニシン等の漁獲割当をもつ極東漁業会社の“ТУРНИФ”(トウルニフ)“Интрарос”(イントラロス)、“Востокрыбпром”(ヴォストークルイブプロム)“Совгаваньрыба”(ソフガバニルイバ)の4社に続き、"Балтстар холдинг"(バルトスタル・ホールデイング)と"Маликс"(マリックス)を買収したと、ロシアのメデイアは伝えている。
以前に買収された4社はいずれも、ロシア独占禁止庁が違反指摘した、中国企業“パシフィックアンデス”(PacificAndes International Holdings)に実質支配されていたとされる漁業会社の中に含まれているが、情報によると、"バルトスタルホールデイング"と"マリックス"についても、直接、漁獲割当を所有していないためリストにはないものの、同庁が指摘したスケトウダラ漁業の実質管理チェーンの一部とされている。
“ルスコエモーレ”「ロシアの海」はこれまでの買収により、所属漁船が合計11隻となり、これらの船団の昨年2012年の総漁獲量は18万8,700トン以上で、TACの占有率は10.7%に達し、"ルスコエモーレ・ダブイチャ"は、ロシア最大のスケトウダラ漁業者に位置づけられている。
ロシア独占禁止庁は、今年2013年7月に韓国企業が、20のロシア漁業会社を実質管理し、ロシア排他的経済水域におけるスケトウダラ年間漁獲割当を、TACの12%-15%相当(22万トン-25万トン)違法に確保していたと指摘し調査を続けている。
この件についてロシア漁業庁は、外国人漁業者が、政府間協定の許可なしにロシアの排他的経済水域で操業することはできないとし、違法が確認された場合、その企業が持っていた漁獲割当は没収され、オークションに上場されることになるとしており、“ルスコエモーレ”「ロシアの海」は、これらの韓国資本の漁業会社買収の機会をうかがっていると伝えられている。