2024年06月28日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア ベーリング海 混獲・漁獲物海中還元の事実の有無 行政処分が覆る]
ペトロパブロフスク・カムチャツキー市裁判所は、今般、ロシアFSB東部北極地域(カムチャツカ)国境警備局が違反指摘したベーリング海での漁船船長の混獲の取扱いにかかる行政処分を、証拠不十分等として、これを覆し、手続きを終了した。
当局は、今年2024年1月31日、ベーリング海で操業を行った“サハリン・リージング・フロート” (Сахалин Лизинг Флот)所属ロシア漁船“ムイス・チュプロワ”(Мыс Чупрова)の漁獲データに疑義をもち、混獲して海中還元した漁獲物を記録しておらず、違反行為があったと結論付け、これを指摘した。
当局は西部ベーリング海の特定海域500m以浅において、単一魚種だけの漁獲は不可能である旨の全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・カムチャツカ支部カムニロのリポートに基づきこれを行ったとしている。
“ムイス・チュプロワ”の漁獲データは、単一魚種のみの報告だった。
しかし、“ムイス・チュプロワ”の船長が、弁護士をたて、行政訴訟を起こし、ペトロパブロフスク・カムチャツキー市裁判所は、混獲と漁獲物海中還元の事実を立証・検証することが不可能として行政処分を覆す決定を下した。