ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

ロシア ベーリング海 混獲・漁獲物海中還元の事実の有無 行政処分が覆る  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-28 12:30:03 | 日記

 

2024年06月28日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア ベーリング海 混獲・漁獲物海中還元の事実の有無 行政処分が覆る]

ペトロパブロフスク・カムチャツキー市裁判所は、今般、ロシアFSB東部北極地域(カムチャツカ)国境警備局が違反指摘したベーリング海での漁船船長の混獲の取扱いにかかる行政処分を、証拠不十分等として、これを覆し、手続きを終了した。

当局は、今年2024年1月31日、ベーリング海で操業を行った“サハリン・リージング・フロート” (Сахалин Лизинг Флот)所属ロシア漁船“ムイス・チュプロワ”(Мыс Чупрова)の漁獲データに疑義をもち、混獲して海中還元した漁獲物を記録しておらず、違反行為があったと結論付け、これを指摘した。

当局は西部ベーリング海の特定海域500m以浅において、単一魚種だけの漁獲は不可能である旨の全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・カムチャツカ支部カムニロのリポートに基づきこれを行ったとしている。

“ムイス・チュプロワ”の漁獲データは、単一魚種のみの報告だった。

しかし、“ムイス・チュプロワ”の船長が、弁護士をたて、行政訴訟を起こし、ペトロパブロフスク・カムチャツキー市裁判所は、混獲と漁獲物海中還元の事実を立証・検証することが不可能として行政処分を覆す決定を下した。

 

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#84 洋上風力発電と漁業 海外の経験 英国 BP 雇用凍結 新たな洋上風力発電PJ停止へ

2024-06-28 09:50:16 | 日記

 

2024年06月28日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#84 洋上風力発電と漁業 海外の経験 英国 BP 雇用凍結 新たな洋上風力発電PJ停止へ]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

エネルギー世界大手の一角を占める英国BPは、雇用凍結を実施し、新たな洋上風力発電プロジェクトを停止する。

新社長マレー・オーチンクロスは、同社の株価を圧迫していた化石燃料からの撤退を撤回した。

BP幹部は、不満を持つ投資家への対応として、雇用を凍結し、新たな洋上風力発電プロジェクトを停止する。

BPの元財務責任者オーチンクロスは、前任者のバーナード・ルーニーの電撃退任後、株主への価値提供に注力すると約束し、2024年1月に社長に就任した。

BPは、一部の再生可能エネルギー・プロジェクトに予想以上にコストがかかることが判明し、ロシアによるウクライナ侵攻後に石油とガスからの利益が急増しており、環境目標をめぐって株主から圧力を受けている。

BPのライバルであるシェルも2024年6月初め、グリーン成長への野心を縮小し、低炭素ソリューションに携わるスタッフを約200人削減、利益率の高い石油プロジェクトに重点を移し、ガス事業を拡大するという独自の計画を発表している。

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日本で資源管理の“優等生”と評されるノルウエーが乱獲の継続を試みている 割当譲渡協定は“盗品交換”  Europeche

2024-06-27 16:22:58 | 日記

 

2024年06月26日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[日本で資源管理の“優等生”と評されるノルウエーが乱獲の継続を試みている 割当譲渡協定は“盗品交換”]

日本の一部の識者とされるグループにおいて、資源管理の優等生と評されるノルウエー漁業が、「無責任な行動」をとり、乱獲を試みていると批判を浴びている事実が存在している。

ノルウエー政府は2024年6月17日、英国、フェロー諸島とともにNEAFC海域のサバの向う3年間有効とする漁業協定に合意したと発表した。

TAC設定(2024年漁期:沿岸国73万9,386トン)に対する国別割当は、ノルウエー31%(22万9,210トン)、英国27.48%(20万3,211トン)、そしてフェロー諸島が13.35%(9万8,708トン)としている。

EU加盟国漁業事業者団体連合会“ユーロペッシェ”(Europeche)はこの3国間協定について、前回の国別配分協定で適用された割当量から大きく逸脱、過度に膨らんだ一方的な設定を行い、継続的な乱獲を正当化し、協定に盛り込まれた漁獲割当の相互間の譲渡も人為的に増加させた割当、つまり“盗品”の交換だと批判、欧州委員会と欧州理事会に対し、この「無責任な行動」に対して断固たる措置を講じるよう求めている。

(以下関連情報)

2024年06月19日 日刊みなと新聞

[ノルウェー、英国、フェローは24~26年の漁業協定に合意(ノルウェー貿易水産省]

ノルウェーと英国、デンマーク自治領フェロー諸島の政府は北東大西洋サバの今期漁から3カ年有効となる漁業協定に合意したと17日、ノルウェー政府が発表した。サバは例年8月から漁期入りする。3カ国は4、5月に会合を開き、2024年漁期は21~23年に比べ漁獲圧力を減らすことで合意した。今期の総漁獲量について沿岸国は前年枠比5・5%減の73万9386トンで23年10月に合意。今回の3カ国協議で、総漁獲可能量(TAC)のうちノルウェーの割当量は31%の22万9210トン、英国は27・48%の20万3211トン、フェローは13・35%の9万8708トンとした。

今後、他の沿岸国の欧州連合(EU)、アイスランド、グリーンランドが希望すれば包括的沿岸国協定として機能する。

またノルウェーは英国との二国間協議を行い、24年のノルウェーの割当量のうち2万3660トンを英国に移譲と引き換えに、英国はノルウェーに対し英国の排他的経済水域(EEZ)に入漁して12万3300トンの漁獲を許可することで合意した。同合意は25、26年漁期にも適用される。

ノルウェーのマリアンネ・ネス漁業・海洋政策大臣は「英国とフェロー諸島は重要なパートナー。サバ管理に関する複数年契約に合意し、全体的な漁業圧力の提言に協力できることを非常にうれしく思う」と述べる。

なお、北東大西洋サバは乱獲が続いたとして20年に海洋管理協議会(MSC)認証が失効。さらに英国のMCS(海洋保護協会)は23年、同海域のサバを海洋への影響評価を掲載する「グッドフィッシュガイド」の「最良な選択」から削除し「改善が必要」に格下げした。欧州の小売団体や消費者団体などはサバの購入停止を訴えるなどの反発も起きている。

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2024年7月期 ロシア水産物輸出関税4.5%  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-27 01:28:01 | 日記

2024年06月27日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2024年7月期 ロシア水産物輸出関税4.5%]

ロシア経済発展省は、2024年7月期の水産物製品を含めた輸出関税率を4.5%に設定すると発表した。

同年3月期以来、据え置きを示している。

ロシア政府は、2023年9月21日付決定No.1538により、水産物を含めた広範な商品の輸出関税を、ルーブルとドルの為替レートに連動させて設定、同年10月1日からこれを施行することとした。

レートは1ドルあたり95ルーブルを超える時、輸出関税は7%となり、80ルーブル未満の時ゼロとなる。

これまで、2023年10月期、11月期が7.0%、同年12月期と年明け2024年1月期5.5%、2月期4.5%と推移、3月期が5.5%と上昇、4月、5月、そして6月期も据え置きの5.5%だった。

(報告担当者 原口聖二:ルーブル安で輸出が増加傾向に向かうとき税金を徴収、ルーブル高で輸出が減少に向かう時、輸出促進のため無税に近づけるシステムとなっている。)

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EUのスケトウダラ・フィレの輸入量と価格の推移等(2024年3月) リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-26 11:03:06 | 日記

2024年06月26日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[EUのスケトウダラ・フィレの輸入量と価格の推移等(2024年3月)]

近年、世界のスケトウダラ生産量は350万トンで、ロシアが180万トン-190万トン、米国が昨年2022年の約3割減を除き150万トンを占めている。

スケトウダラ生産において、ロシアは洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出、米国は日本へすり身として輸出することを、それぞれ仕向けの主流としてきたものの、ロシアについては、新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策による中国の冷凍水産物輸入制限により、当該貿易が鈍化、2021年初めから韓国でのコンテナ積み替え経由等、仕向けの構造が大きな変化を示したが、ポストCV19となった2023年現在、中国への直接輸出ルートの回復が顕著となっている。

CV19の間、フィレの最終市場となるEUへ米国が供給を増加させ、ロシアも“投資クオータ”を利用した高次加工漁船と自国陸上加工でフィレを増産し、中国加工を介さない当該市場への直接アクセスを拡大させてきたが、EUがウクライナ情勢からロシアの新規の輸出者リスト登録の更新を停止していることから、大きな供給増加が期待できない状況となった。

これらのことから、ロシアは国内市場への供給拡大にも取り組みを開始している。

状況下、北海道機船漁業協同組合連合会は、米国から日本へのすり身の輸出価格、中国からEUへのフィレの輸出価格等をモニターすることでスケトウダラの国際市場価格を把握することに取り組んでいる。

EUのスケトウダラ・フィレの輸入量と価格の推移は北海道機船漁業協同組合連合会作成、日本すり身価格の推移は株式会社ニッスイ様の情報を借用、別図のとおりとなっており、ロシアが中国加工を介さない独自フィレ製品のEU市場への供給をこれまで拡大させたこと、国際市場価格の完全なシンクロナイズが分かる。

一方、EUは、2024年から2026年の新たな自主関税割当(ATQ)制度から、ロシア産の主要なスケトウダラ等の白身魚を含め水産物製品を除外、輸入免税はなくなり、13.7%の標準関税が設定され、さらに、第3国が加工した製品についてもこれが対象になった。  

2023年12月の強烈なロシア産、ロシア産原料中国加工製品の駆け込み輸入があったことが分かる。

EUの輸入免税がなくなり、ロシアのスケトウダラ漁業における高次加工は、益々、すり身生産に傾注すことになると予想される。

 

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日本で資源管理の“優等生”と評されるノルウエー漁業 “サバの強奪国”として批判を浴びている事実  北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-06-26 08:27:35 | 日記

 

2024年06月26日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[日本で資源管理の“優等生”と評されるノルウエー漁業 “サバの強奪国”として批判を浴びている事実]

日本の一部の識者とされるグループにおいて、資源管理の優等生と評されるノルウエー漁業が、“サバの強奪国”として批判を浴びている事実が存在している。

ノルウエー政府は2024年6月17日、英国、フェロー諸島とともにNEAFC海域のサバの向う3年間有効とする漁業協定に合意したと発表した。

TAC設定(2024年漁期沿岸国73万9,386トン)に対する国別割当は、ノルウエー31%(22万9,210トン)、英国27.48%(20万3,211トン)、そしてフェロー諸島が13.35%(9万8,708トン)としている。

この行動にアイスランドやアイルランドの業界は、ノルウエーらを身勝手な“サバの強奪国”と称し批判声明を発表している。

アイスランド漁業者協会は、2024年の当該TAC設定自体が、科学的勧告を33%上回っていると指摘、この3国間協定が「責任の共有と長期的な資源保護に対するコミットメントの欠如を示している」と声明で述べている。

全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ズベレフもNEAFCにおける国別漁獲割当に合意がないことから、ロシアも自身でそれを設定せざるを得ず、このサバをめぐる問題は、世界の水棲生物資源をめぐる競争の激化と、世界漁業の再編の加速を改めて裏付けるものだと述べたとロシア業界紙(WEB)は伝えている。

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2024年漁期 北海道と隣接ロシア・サハリン州のシロザケ来遊予想(漁獲勧告比較)

2024-06-25 17:15:12 | 日記

2024年06月25日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[2024年漁期 北海道と隣接ロシア・サハリン州のシロザケ来遊予想(漁獲勧告比較)]

近年、北海道に隣接するサハリン州では太平洋サケマス増殖事業において10億尾内外の稚魚放流を実施しており、一昨年2022年、初めてシロザケのみで10億粒を超える採卵が行われ、その内容を問わなければ、数量的に、双方は、ほぼ、同等の増殖事業を展開していることになる。

一般社団法人北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内 担当 原口聖二)は、2021年漁期から、シロザケの生産において増殖事業に依存度が高い北海道とサハリン州の各沿岸の当該資源漁獲量等をモニターし、双方の事業効率の比較などを行っている。

今年2024年、秋サケ操業漁期前、ロシア科学研究機関によるサハリン州の漁獲勧告量と、日本の来遊予想の比較を行った。

日本の来遊予想が尾数であり、重量で双方を比較するため、その目廻りを2.9kg/尾で換算した。

 

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プーチン 水産物為替レート連動輸出関税引き下げ 国内市場への供給貢献とのリンケージ案等提出指示 リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-25 09:27:45 | 日記

 

2024年06月25日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[プーチン 水産物為替レート連動輸出関税引き下げ 国内市場への供給貢献とのリンケージ案等提出指示]

ロシア大統領プーチンは、2024年6月24日、ロシア産業企業家同盟(РСПП:日本の経団連に相当)との会合で、政府に対し、業界が求めている水産物為替レート連動輸出関税引き下げについて、国内市場への製品供給貢献を条件とする案を同年8月1日までに提出することを指示すると表明した。

ロシア大統領プーチンは、2024年4月末、ロシア産業企業家同盟との会合において、全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ(ВАРПЭ)会長ズベレフが、スケトウダラ、マダラ、そしてカニ製品の輸出関税の撤廃を求めたことに対し、これを支持して、関係省庁に検討を指示すると発言した経緯がある。

ロシア政府は、2023年9月21日付決定No.1538により、水産物を含めた広範な商品の輸出関税を、ルーブルとドルの為替レートに連動させて設定、同年10月1日からこれを施行した。(報告担当者 原口聖二:レートは1ドルあたり95ルーブルを超える時、輸出関税は7%となり、80ルーブル未満の時ゼロとなる。ルーブル安で輸出が増加傾向に向かうとき税金を徴収、ルーブル高で輸出が減少に向かう時、輸出促進のため無税に近づけるシステムとなっている。)

ロシア漁業界によると、特にスケトウダラ業界は“投資クオータ”による莫大な投資、一連の制裁措置による製品輸出の収益性の低下等により、経営のインデクスが極めて低下しており、輸出関税の免税を求めていた。

当日の会合においてプーチンは、このほか、アフリカ、南米、東南アジアの新市場における海外経済活動のための持続可能なサプライチェーンとインフラを構築するための追加支援策、新たな漁業分野の人材育成計画案等の提出を政府に対し求めた。

 

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ロシア業界 来年2025年スケトウダラTAC設定 需給バランス考慮 科学的勧告より少ない数量を求める  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-25 08:22:38 | 日記

2024年06月24日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア業界 来年2025年スケトウダラTAC設定 需給バランス考慮 科学的勧告より少ない数量を求める]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、来年2025年のスケトウダラのTAC設定について、その需給バランスを考慮し、ロシア業界が科学的勧告よりも少ない数量を求めていることを明らかにした。

主な対象はベーリング海域の設定と指摘されている。

今年2024年3月、ロシア科学研究機関は来年2025年の極東海域におけるスケトウダラのTAC設定について、前年となる今年2024年より12%増の255万4,300トンを勧告した。

スケトウダラ漁業者協会、漁船船主協会、そして全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペは、パンデミック後の輸出の再構築と、非友好国による制裁の発動による供給体制の変化等を指摘している。

シェスタコフは、TAC設定は①科学的根拠に基づく資源評価、②市場分析、そして③漁業者の事業計画等に基づき行われ、国家予算を含め、収益性と輸出収入を維持することが重要だと語り、引き続き、フィレ、ミンス、すり身等の高次加工製品を増産し、当該セクターを付加価値産業化して、輸出量を増加させる方針に変化はないと加えた。

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ロシア漁業 南極オキアミ復活操業 第1航海を完了 “復活の日” 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-25 08:18:11 | 日記

 

2024年06月24日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業 南極オキアミ復活操業 第1航海を完了]

長い休止期間を経て、ロシア漁業が南極オキアミ操業を再開、“復活の日”を迎え、今年2024年3月6日-5月22日、BMRTタイプ漁船“コマンドル”(БМРТ“Командор”)が着業、同年6月3日、第1航海を完了した。

当該期間、CCAMLR(南極海洋生物資源の保存に関する委員会)海域操業船は、“コマンドル”を含め11隻だった。 

“コマンドル”はサウス・オークニー諸島AchA(АчА)海域を主漁場として利用した。

この海域のオキアミのTACは約560万トンで、これに対し、年間の漁獲量は8%未満となっている。

“コマンドル”には科学的支援や製品加工技術の研究を任務として、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ大西洋支部アトラント・ニロの科学オブザーバが乗船した。

“コマンドル”の洋上加工製品は、主にフィッシュミールとなったと伝えられている。

CCAMLR海域でのロシア漁船による本格的なオキアミ操業は1992年以来行われておらず、2008年から2010年、着業船1隻により短期間で小規模なわずかな実績が残っている。

ロシア政府は、2021年6月30日付No.1767により、2030年までの同国漁業発展戦略に基づく、南極漁業に関する計画を承認し、南極オキアミ漁業への復活を目標に掲げ、世界の大洋でのプレゼンスの向上と、当該資源の加工による新たなハイテク産業の創出に向かって行動を続けている。

オキアミは地球上で最大量の水棲生物資源であり、その漁獲可能量は数百万トンレヴェルと推定されている。

オキアミについては、優れた栄養特性が確認されており、缶詰製品から養殖の餌等、幅広い産業用途があり、特に高品質なオイルについては、世界の経験が示すように健康食品業界でも需要がある。

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、オキアミ漁業支援のためデータベースも既に作成していた。

ここ数年、当該資源を最も利用しているのはノルウエーで、中国も近代的漁船を投入し努力量を上げている。

最近の調査研究結果では、南極オキアミのバイオマスは1億2,500万トンと算定されている。

両国による年間漁獲量は60万トンだが、これを200万トンまで拡大する計画とも伝えられている。

一方、ロシアは当該漁業に適した漁船を失ってしまったことから、ここで操業を行っていなかった。

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2024年北海道隣接サハリン州太平洋サケマス人工孵化稚魚放流実績(6月17日) 

2024-06-22 04:35:32 | 日記

2024年06月22日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[2024年北海道隣接サハリン州太平洋サケマス人工孵化稚魚放流概況(6月17日)]

ロシア漁業庁サハリン・クリール地域管理局は、今年2024年の北海道隣接サハリン州太平洋サケマス人工孵化稚魚放流の概況を発表した。

今年2024年、サハリン州では、78施設が太平洋サケマス稚魚放流事業を展開している。 

稚魚放流は、同年5月20日から開始され、6月18日までにシロザケ7億1,141万3,769尾、カラフトマス1億2,421万5,882尾、計8億3,562万9,651尾が放流された。

増殖事業(河川)放流実績対計画比、放流養殖事業(内水面)等は別表のとおりとなっている。

なお、当該放流は同年7月末まで継続される予定となっている。

2024年北海道隣接サハリン州太平洋サケマス人工孵化稚魚放流実績(6月17日時点) 

         

増殖事業(河川)放流実績対計画比 単位:尾数(6月17日時点)

孵化場ステータス等

施設数

放流計画

放流実績

計画達成率

国家予算機関”グラブリヴォド”

9

103,989,790

99,830,200

96.0%

国家施設リース

7

169,233,100

148,755,900

87.9%

民間施設

54

894,631,030

240,655,748

26.9%

生息地損害補償枠

8

10,938,280

10,938,283

100.0%

孵化場ステータス等計

78

1,178,792,200

500,180,131

42.4%

魚種別放流実績

シロザケ

カラフトマス

 

418,261,476

81,918,655

500,180,131

 

 

 

 

 

 

放流養殖事業(内水面) 単位:尾数(6月17日時点)

   

孵化場ステータス等

施設数

放流実績

   

国家予算機関”グラブリヴォド”

9

18,133,508

   

国家施設リース

7

103,400

   

民間施設

54

317,212,612

   
         

78

335,449,520

   

魚種別放流実績

シロザケ

カラフトマス

 

293,152,293

42,297,227

335,449,520

 
         

増殖・放流養殖事業計 単位:尾数(6月17日時点)

孵化場ステータス等

施設数

放流実績

   

国家予算機関”グラブリヴォド”

9

117,963,708

   

国家施設リース

7

148,859,300

   

民間施設

54

557,868,360

   

生息地損害補償枠

8

10,938,283

   

孵化場ステータス等計

78

835,629,651

   

魚種別放流実績

シロザケ

カラフトマス

 

711,413,769

124,215,882

835,629,651

 

 

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 国際漁業対策事業部 原口聖二

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ロシア国内のスケトウダラH&G卸売価格推移(2024年6月6日)  100ルーブル/kgへ一気に上昇 リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-21 08:11:53 | 日記

2024年06月21日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア国内のスケトウダラH&G卸売価格推移(2024年6月6日)]  100ルーブル/kgへ一気に上昇

2024年6月6日 H&G(25cmアップ)卸売価格(ウラヂオストク倉庫前) 100ルーブル/kgへ一気に上昇

近年、世界のスケトウダラ生産量は350万トンで、ロシアが180万トン-190万トン、米国が昨年2022年の約3割減を除き150万トンを占めている。

スケトウダラ生産において、ロシアは洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出、米国は日本へすり身として輸出することを、それぞれ仕向けの主流としてきたものの、ロシアについては、新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策による中国の冷凍水産物輸入制限により、当該貿易が鈍化、2021年初めから韓国でのコンテナ積み替え経由等、仕向けの構造が大きな変化を示したが、ポストCV19となった2023年以降、中国への直接輸出ルートの回復が顕著となっている。

CV19の間、フィレの最終市場となるEUへ米国が供給を増加させ、ロシアも“投資クオータ”を利用した高次加工漁船と自国陸上加工でフィレを増産し、中国加工を介さない当該市場への直接アクセスを拡大させてきたが、EUがウクライナ情勢からロシアの新規の輸出者リスト登録の更新を停止し、関税設定をしたこと等から、大きな供給増加が期待できない現状となっている。

これらのことから、ロシアは国内市場への供給拡大にも取り組みを開始している。

状況下、スケトウダラの国際市場価格を把握するため、①米国から日本へのすり身の輸出価格、②中国からEUへのフィレの輸出価格、そして③ロシア国内のH&G卸売価格等をモニターすることが求められる。

この中にあって、インデクスとなるロシア国内のH&G(25cmアップ)卸売価格(ウラヂオストク倉庫前)は、2023年4月上旬、80ルーブル/kgまで低下を見せたが、直後の同年4月11日に90ルーブル/kgに回復、同年4月18日には95ルーブル/kgとなった。

その後約2ケ月間、これを維持したものの、同年6月20日、90ルーブル/kgに下げ戻った。

この90ルーブル/kgが約8ケ月間維持された後、2024年2月26日、84ルーブル/kgに下落した。

同年4月1日、再び90ルーブル/kgに戻り、同年5月27日、87ルーブル/kgと3.3%再下落したものの、同年6月6日、一気に100ルーブル/kg(180円/kg)に上昇したことが確認された。

 

100ルーブル/kg台の価格は、2022年11月以来となる。

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ロシア農業大臣 遠方漁場操業対象燃料費補助復活案作成を指示  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-21 06:52:35 | 日記

 

2024年06月21日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア農業大臣 遠方漁場操業対象燃料費補助復活案作成を指示]

ロシア農業大臣アクサナ・ルートは、ロシア漁業庁に対し、遠方漁場操業対象燃料費補助の復活案作成を指示した。

ロシア内閣は、今年2024年2月、公海、外国水域等、遠方漁場で操業を行うことを条件とした燃料費の補助金支払いに関する命令を無効とする決議を行った経緯がある。

対象となっていた補助金は、2021年夏に決定された漁業支援策で、公海、外国水域等、遠方漁場で操業を行うことを条件に燃料費の30%を補償することを規定した命令に基づくもので、補助金の10倍金額相当の製品を国内市場と海外市場へ供給することが義務付けされていた。

一方、既に、この補助金の支払いは2022年に停止され、2023年8月には打ち切り状態となり、国家発展プログラムからも除外されていた。

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ノルウエー漁業協会 ズワイガニ許可更新に懸念表明  日刊みなと新聞

2024-06-21 06:37:25 | 日記

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ノルウエー 来年2025年1月1日 ズワイガニ漁業許可一斉更新 参加制限 陸上産業供給漁獲割当導入  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-06-18 02:21:38 | 日記

 

 

2024年06月18日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ノルウエー 来年2025年1月1日 ズワイガニ漁業許可一斉更新 参加制限 陸上産業供給漁獲割当導入]

ノルウエー貿易産業水産省は来年2025年1月1日、ズワイガニ漁業許可の一斉更新を行い、参加条件を変更すると、2024年5月下旬に発表した。

既存のすべての許可の取り消しとなり、新たな条件に基づく許可申請が必要となる。

ノルウエー漁業海洋大臣マリアンヌ・シベルトセン・ネスは、ズワイガニ漁業の収益性確保のため、より厳格な参加制限が必要だと指摘、着業者が少なければ、漁業効率が高まると言及した。

来年2025年から、ズワイガニのTACの10%が活製品出荷のために確保されることも決定された。

これは、新たにズワイガニ操業許可を取得した漁船が、陸上産業との協定締結を条件に漁獲申請し、アクセス可能となる。

漁業管理当局は、業界と協力し対話しながら、この規定を管理する最善の方法をとる任務を負うことになる。

マリアンヌ・シベルトセン・ネスは、陸上産業の活動をさらに刺激したいと考えており、原料供給漁獲割当が貢献するか否かを確認したいと語り、同時に、漁船の収益性確保が必要で、新たな操業パターン調整がプラスの波及効果をもたらす時、将来的に支援予算を用意すべきかどうかを判断することができると加えた。

ノルウエーは昨年2023年、ズワイガニ漁業許可の一斉更新を、来年2025年1月1日、行うことを決定した。

新たな許可申請には、2020年-2022年5月16日の漁業活動実績に基づき制限される。

この間、当該漁業のための漁船建造等の投資を行った者は、厳格な条件の下、制限から除外される。

すべての対象漁船所有者に一度、取り消し決定が通知され、許可は消滅し、ズワイガニ漁業許可の新しい条件が同時に通知され、申請手続きが開始されることになる。

 

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