ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

ロシアは世界のスケトウダラ漁業のリーダーの立場を維持する リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-27 08:27:33 | 日記

 

2024年07月26日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシアは世界のスケトウダラ漁業のリーダーの立場を維持する]

今年2024年漁期、ロシア漁業は同年上期130万トン以上のスケトウダラを漁獲、このセクターの競争相手でもある米国のほぼ2倍の生産を行い、世界の当該漁業のリーダーの立場を維持している。

今年2024年上期、ロシア極東海域におけるスケトウダラの生産量は130万800トンに達し、前年2023年同期を2万1,000トン、1.6%上回り、製品出来高も1.3%増加、68万7,000トンとなった。

ロシア漁業は現在の世界情勢、制裁措置から国内市場において需要がある製品の生産にも力を入れており、ともなってフィレを減少させスリミを増産する等生産構造を調整している。

今年2024年、7月4日までの製品生産は前年2023年同期と比較し、冷凍スケトウダラ(H&G・W/R)が1.3%増、スリミ24%増、一方、フィレ10%減、その端材から生産されるミンス13%減となっている。

現在、ロシア漁船団は、今年2024年漁期も、1月-4月のオホーツク海抱卵スケトウダラ操業、所謂“Aシーズン”を終え、第2の主要漁場となる西部ベーリング海域で操業を展開している。

今年2024年漁期の100日間におよぶオホーツク主要3海域(カムチャツカ・クリール/西カムチャツカ/北部オホーツク)“Aシーズン”の漁獲量は82万7,000トンで、前年2023年同期比2万4,000トン増の生産となった。

盛漁期、115隻のトロール漁船がスケトウダラ操業に着業、1日あたりの漁獲量は、最大で1万トンを記録した。

当該操業完了時点において、オホーツク海主要3海域におけるスケトウダラのTAC開発率は87%で、夏場の西カムチャツカ大陸棚操業の2万トン-3万トンと、秋季“Bシーズン”9万トン-10万トンが残枠となるが、科学研究機関によると漁業状況と向けられる操業努力量を勘案した時、当該海域の年末までのTAC開発率は93%-94%に達すると見積もられている。

同“Aシーズン”、製品の生産は、一連の制裁措置による海外市場の不確実性から、フィレとミンスを前年と同水準の6万トンとし、スリミを40%増産させ3万トンまで引き上げ、冷凍スケトウダラ(H&G・W/R)も8%増、更にスケコも増産となった。

西部ベーリング海域のTACは70万トンに設定されており、これは、この15年間で最大となっている。

報告日、79隻がこの操業に着業しており、同年7月4日までの生産量は14万5,000トンで、これは前年2023年同期を28%下回っており、年末まで操業期間があることから、状況の改善が期待されている。

なお、北海道機船漁業協同組合連合会(担当者:原口聖二)は、今年2024年明け、同年の世界のスケトウダラの漁獲予想量を、ロシア195万トン、米国150万トン、日本15万トン、政府間協定その他10万トン、計370万トンとする予想グラフィックを発表している。

これは、前年2023年の実績の12%増となる。

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2024年8月期 ロシア水産物輸出関税4.5%  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-27 07:06:47 | 日記

2024年07月26日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2024年8月期 ロシア水産物輸出関税4.5%]

ロシア経済発展省は、2024年8月期の水産物製品を含めた輸出関税率を4.5%に設定すると発表した。

ロシア政府は、2023年9月21日付決定No.1538により、水産物を含めた広範な商品の輸出関税を、ルーブルとドルの為替レートに連動させて設定、同年10月1日からこれを施行することとした。

レートは1ドルあたり95ルーブルを超える時、輸出関税は7%となり、80ルーブル未満の時ゼロとなる。

これまで、2023年10月期、11月期が7.0%、同年12月期と年明け2024年1月期5.5%、2月期4.5%と推移、3月期が5.5%と上昇、4月、5月、そして6月期も据え置きの5.5%だったが、7月期に4.5%に引き下げられ、当該月は据え置きとなった。

(報告担当者 原口聖二:ルーブル安で輸出が増加傾向に向かうとき税金を徴収、ルーブル高で輸出が減少に向かう時、輸出促進のため無税に近づけるシステムとなっている。)

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2024年漁期 北海道と隣接ロシア・サハリン州のシロザケ来遊予想(サ州修正漁獲勧告)

2024-07-25 12:49:45 | 日記

 

2024年07月25日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[2024年漁期 北海道と隣接ロシア・サハリン州のシロザケ来遊予想(サ州修正漁獲勧告)]

近年、北海道に隣接するサハリン州では太平洋サケマス増殖事業において10億尾内外の稚魚放流を実施しており、一昨年2022年、初めてシロザケのみで10億粒を超える採卵が行われ、その内容を問わなければ、数量的に、双方は、ほぼ、同等の増殖事業を展開していることになる。

一般社団法人北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内 担当 原口聖二)は、2021年漁期から、シロザケの生産において増殖事業に依存度が高い北海道とサハリン州の各沿岸の当該資源漁獲量等をモニターし、双方の事業効率の比較などを行っている。

今年2024年漁期、ロシア科学研究機関はサハリン州のシロザケの漁獲勧告量を、当初の3万550トンから3万5,230トンに、今般修正、一方の北海道の来遊予想は4万9,380トン(目回り2.9kg換算)とされている。

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#89 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 ガラス繊維漂着 魚の食物連鎖危惧

2024-07-24 20:28:18 | 日記

 

2024年07月24日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#89 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 ガラス繊維漂着 魚の食物連鎖危惧]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、その後、ブレードの残骸がナンタケット島に打ち寄せられ、危険でありビーチが閉鎖される等の事態が発生、米国安全環境執行局(BSEE)は、風力発電所の建設と操業を一時停止する命令を発出した。

このプロジェクトのブレードはグラスファイバー製で残骸とともにガラス繊維が漂着、住民説明会において人体への被害、周辺海域の海洋汚染、魚の食物連鎖を危惧する指摘、意見等が噴出した。

この事件は、新興の洋上風力発電産業にとって混乱の時期に起きた。

コネチカット、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨークの沖合で計画されていた風力発電所のいくつかは、インフレと金利上昇でプロジェクトの経済性が一変したため、中止または延期されている。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

 

 

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#88 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 当局 プロジェクト一時停止発令

2024-07-22 15:03:31 | 日記

 

 

 

 

 

 

 

2024年07月22日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#88 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 当局 プロジェクト一時停止発令]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、その後、ブレードの残骸がナンタケット島に打ち寄せられ、危険でありビーチが閉鎖される等の実態が発生、米国安全環境執行局(BSEE)は、風力発電所の建設と操業を一時停止する命令を発出した。

このプロジェクトのブレードはグラスファイバー製、長さ107m、メーカはGEヴェルノヴァ(GE Vernova)社で、ロイター通信によると、同社の事故は、今回ばかりでなく英国沖の大規模なドッガーバンクAプロジェクトにおいて、今年2024年、少なくとも1基、これに加え、ドイツとスウェーデンの陸上風力タービンも近年壊れている。

この事件は、新興の洋上風力発電産業にとって混乱の時期に起きた。

コネチカット、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨークの沖合で計画されていた風力発電所のいくつかは、インフレと金利上昇でプロジェクトの経済性が一変したため、中止または延期されている。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は、2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。                                                

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

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#87 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 残骸でビーチ閉鎖

2024-07-22 14:03:29 | 日記

 

2024年07月22日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#87 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 残骸でビーチ閉鎖]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、その後、ブレードの残骸がナンタケット島に打ち寄せられ、危険でありビーチが閉鎖された。

このプロジェクトのブレードはグラスファイバー製、長さ107mとされている。

当該プロジェクトは建設中だが、最初のタービンは発電を開始していた。

この事件は、新興の洋上風力発電産業にとって混乱の時期に起きた。

コネチカット、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨークの沖合で計画されていた風力発電所のいくつかは、インフレと金利上昇でプロジェクトの経済性が一変したため、中止または延期されている。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は、2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。                                                

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

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2024年世界のスケトウダラ漁業予想 漁獲量370万トン ロシア産スリミ中国向け供給への関心

2024-07-21 08:17:26 | 日記

2024年07月21日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2024年世界のスケトウダラ漁業予想 漁獲量370万トン ロシア産スリミ中国向け供給への関心]
北海道機船漁業協同組合連合会(担当者:原口聖二)は、今年2024年明け、同年の世界のスケトウダラの漁獲予想量を、ロシア195万トン、米国150万トン、日本15万トン、政府協定その他10万トン、計370万トンとする予想グラフィックを発表した。
これは、前年2023年の実績の12%増となる。
今般、FAOも今年2024年の世界のスケトウダラの漁獲量を370万トンとする同様の予想を発表、これに対してロシアのスケトウダラ業界は、価格の優位性から消費者の需要はタラから更にスケトウダラへ動く可能性があるとの見解を示した。
さらに、同業界は、200万トンに近づく漁獲量の増加とともにスリミの生産量が前年2023年の5万4,000トンに対し、今年2024年は8万トンに近づくとの見込みを発表、中国に他の魚種を利用したスリミの消費文化が定着しており、これをスケトウダラに置換することへの強い関心を明らかにした。

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2024年上期 グループ企業”ルスキー・クラブ”(「ロシアのカニ」)が9,500トンのカニを生産  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-21 05:38:24 | 日記

 

2024年07月20日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2024年上期 グループ企業”ルスキー・クラブ”(「ロシアのカニ」)が9,500トンのカニを生産]
2019年、スケトウダラを年間30万トン以上生産するロシア漁業最大手“”ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ”(「ロシア漁業会社」)の系列グループ企業”ルスキー・クラブ”(「ロシアのカニ」)は、出資する子会社を通じてカニ漁獲割当オークションに参加、極東海域の上場落札ロットの約4割を獲得し、このセクターに大規模進出を果たし、2023年にも追加的に新たな割当を確保、今年2024年の生産計画を50%増の1万8,000トンと見込んでいる。
今年2024年上期は9,500トンのカニを生産し、前年2023年同期を40%上回っており、”ルスキー・クラブ”代表ユリア・ユロワが良好な生産進捗と経営状況を報告した。
また、ユリア・ユロワは今年2024年上期の製品の生産状況について言及、生冷凍とボイル冷凍の製品7,300トンを供給し、輸出においては活製品のシェアが拡大していると語り、これらの仕向け国が主に中国と韓国であり、2023年同期よりそれぞれ46%と69%増加したと加えた。

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#86 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 残骸が海岸へよる可能性

2024-07-19 17:12:45 | 日記

 

2024年07月19日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#86 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖タービン破壊事故 残骸が海岸へよる可能性]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、残骸が海岸に打ち寄せられる可能性があり、地域社会と環境の保護のために沿岸警備隊らがその回収にあたっている。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は、2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。                                                

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

https://www.youtube.com/watch?v=m09vkAIJBXQ :風力発電タービンの破壊動画

 

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#85 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 暗殺未遂でトランプの支持率は上がり洋上風力の株価は下がる   一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-07-19 16:14:27 | 日記

 

2024年07月19日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#85 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 暗殺未遂でトランプの支持率は上がり洋上風力の株価は下がる]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

米国大統領候補ドナルド・トランプは、先に洋上風力発電を現大統領ジョー・バイデンによる“グリーン詐欺”(green scam)と批判、当選の暁には、公務開始初日に、これを停止させるための大統領令を発令すると述べている。

2024年7月13日の米国ペンシルベニア州での大統領候補トランプの暗殺未遂事件以後、被害者の支持率は上昇し、一方の米国で洋上風力発電開発プロジェクトを抱えるデンマーク大手“オーステッド”(Ørsted)の株価が週明け15日、6%下落した。

フィナンシャル・タイムズ紙(WEB)が伝えた。

 

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投資目的漁獲割当から深海カニを除外する法案が検討される  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-19 11:14:28 | 日記

2024年07月19日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[投資目的漁獲割当から深海カニを除外する法案が検討される]

ロシア上院関連委員会において、投資目的漁獲から深海カニのベニズワイガニとトゲズワイガニを除外する法案が検討された。

この問題についてロシア農業省漁業分野管理部長イヴゲニー・カッツが説明を行ったが、まだ関係省庁間の合意がとられていないことが指摘された。

この問題は今後も議論が継続されることになる。

一方、ロシア漁業庁は今年2024年春に深海カニ漁獲割当オークション第1弾の落札者との資源利用契約解除をすべて完了している。 

今年2024年4月、深海カニ漁獲割当オークション第1弾の落札者"コルヴェト"(Корвет)社、“アムール・ルイブプロム”(Амуррыбпром)社との資源利用契約解除が最後となった。

これは、ロシア漁業庁2024年4月22日付命令No.202に基づいている。

低い採算性から、深海カニの漁獲割当は業界から敬遠されがちで、計6ロットに分割された当該漁獲割当の配分に7回にわたるオークションの実施を必要とした。

継続して上場されていたのは、日本海のベニズワイガニとオホーツク海のトゲズワイガニの漁獲可能量の16.666%のパッケージ6ロットで、2020年10月30日に開催された第4回目のオークションにおいて、初めて沿海地方の“テフィダ”(Тефида)社が4ロットを申請、やはり、競争は成立しなかったものの、規則に基づき、スタート・プライスでこれを獲得した。

残枠となった深海カニ漁獲割当2ロットの第5回目のオークションが、2021年2月2日に開催されることになり、応札申請受付は同年1月28日が締め切りだったが、これにハバロフスク登記のアムール・ルイブプロム社1社のみが申請、同様に競争は成立しなかったものの、規則に基づき1ロットを獲得した。

最後の1ロットをめぐる第7回目の残枠オークションは、2021年5月31日、電子サイトで行われコルヴェト社が落札していた。

しかし、その後、テフィダ社については、2022年3月、ロシア独占禁止庁が、同社が米国資本により不当に管理されていると認定、その後、訴訟判決結果等、一連の経緯を受け、ロシア漁業庁が2023年7月、資源利用契約を打ち切っていた。

オークションの落札者には15ケ年間の漁獲割当を獲得すると同時に、全長50m以上のカニ漁船の建造が義務付けされていた。

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没収されたロシア極東海域カニ漁獲割当 再販オークション 再設定  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-19 11:13:00 | 日記

2024年07月19日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[没収されたロシア極東海域カニ漁獲割当 再販オークション 再設定]

国家によって没収されたロシア極東海域カニ漁獲割当再販オークションの実施が2024年7月11日に設定されていたが、応札申請がなく、当該オークションは不成立となった。

ロシア漁業庁は、これを受け、再びのこの再販オークションを2024年8月7日に実施すると発表した。

応札申請受付は、今日2024年7月19日から同年8月5日までとなっている。

落札者は、向こう15年間の漁獲割当配分を受けると同時に、全長50m以上のカニ漁船の建造プロジェクトの実行が義務付けされる。

上場される対象資源は、西サハリン海域のズワイガニ(オピリオ)とケガニ、沿海地方海域のハナサキガニ、東サハリン海域のハナサキガニ、南クリール海域のイバラガニ、そして東サハリン海域のアブラガニで、これらの漁獲割当は、極東業界で最もコネクションを利用する人物として知られ、“ダリモレプロドクト“(Дальморепродукт)の実質オーナーで、2010年の刑事事件の後、海外に出たドミトリー・ドレムリュガの関連企業“メルリオン”(Мерлион)が2019年10月、オークションによって落札された経緯のあるパッケージ・ロットとなっている。

2024年1月、“メルリオン”は、検察総局から、極東海域における水棲生物資源を違法に利用、取引を行い、組織的に利益を上げるため、ロシア連邦の権利を侵害し、国家の財産に損害を与えたと指摘を受け、その後、連邦漁業庁との間で締結された漁獲割当配分合意は無効となり、当該漁獲割当は国家によって没収されていた。

なお、今回のスタート・プライスの設定は約22億ルーブルとなっている。

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日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業2023年度管理期間操業結果(6月30日)  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-18 14:38:27 | 日記

2024年07月18日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業2023年度管理期間操業結果(6月30日)]

韓国漁船による自国EEZでの2023年度漁期(管理期間2023年7月-2024年6月)のスルメイカのTAC管理漁獲量は1万8,950トンで、前年度同期比68%、TAC設定7万9,000トン(実証試験枠を除く)に対する開発率は24%にとどまった。

主要漁業沖合イカ釣りの漁獲量は3,760トン、前年度同期比44%、TAC開発率が16%で終わった。

2020年度漁期から近海網漁船(小規模漁業)にもイカのTAC管理が導入されている。

これまで、近海網漁船の操業規制に関する情報がなく、海域利用の実態が不明だったが、専門家の情報により、主漁場が西岸沖合であることが分かった

近海網漁業は、2023年度漁期開始から報告日までに、前年度を11%上回る4,550トンを生産、主要漁業沖合イカ釣りを上回り、西海トロールに次いで韓国近海イカ漁業を牽引する存在となった。

2023年度漁期から西南海区中型トロールのTAC実証試験が開始されており、1,580トンを生産した。

これを正式TAC管理漁業種と合算すると生産量は2万530トンで、前年度同期比76%となった。

大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域で約1万1,710トン、さらに近海網が4,360トンを漁獲しており、韓国スルメイカ漁業の実に8割の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示し、日本の資源評価において、この動向を論議の対象外としてきたことは、大きな問題点として指摘される。

また、遂に、日本の科学研究機関は2023年度のスルメイカの資源評価のための情報として、韓国西海での漁獲量を除外してしまった。

日本の科学研究機関は韓国のスルメイカの月別漁獲量を4月-10月が秋季発生群、12月-3月を冬季発生群、11月を半々と分類していた。

日本の科学研究機関によると、韓国西海での漁獲量を2022年漁期まで1%未満-20%と推定していた。

しかし、韓国管理機関の情報をもとにすると、2017年漁期から2023年漁期までの間、西海での漁獲量のシェアは38.2%-79.4%で推移している。

韓国西海での漁獲量を除外した理由について、秋季発生系群と冬季発生系群の親魚量算定の時のアンバランスの発生等が考えられるが、日本の科学研究機関からは、明確な発信は現時点で確認されていない。

*日本の自国EEZの2022年度-2024年度のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値として、7万9,200トンが設定されているが、最終年度となる2024年度については、この間の資源悪化と、その対応としてのリスク低減を理由に、当初配分を2万9,000トン、残る5万200トンを国が留保することとなった。

 

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ロシア 国際条約海域交渉合意未達の場合の独自TAC設定の準備を行う  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-07-18 04:04:33 | 日記

2024年07月18日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア 国際条約海域交渉合意未達の場合の独自TAC設定の準備を行う]
ロシア漁業法の改正によって、国際漁業における地政学的リスクを考慮することが可能になり、ロシア政府は、国際条約海域における漁獲可能量(TAC)の承認手続きを決定する権限を与えられた。
これに基づきロシア漁業庁は、TACが設定される水棲生物資源を特定し数量を決定することが可能となる。
同時にロシア漁業庁は、国際条約に基づく委員会が当年の12月1日までに開催されない場合、またはそのような条約に規定された決定が国家間機関によって採択されない場合、ロシアのEEZで次年度に漁獲する水棲生物資源を特定し数量を決定することが可能となる。
また、ロシア漁業庁は、当年度の特定魚種の漁獲量に関する国家間機関の決定、またはそのような決定がない場合は、直近に採択された決定に従うことになる。
なお、水棲生物資源の特定と数量の決定に関する命令は12月15日までに行われる。

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世界のスケトウダラ市場 2032年 31億8,000万ドルに達する  日刊みなと新聞

2024-07-17 19:46:26 | 日記

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