ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア産スケトウダラ中国加工 もう元に戻らない可能性がある

2021-07-30 16:39:00 | 日記

 

2021年07月30日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア産スケトウダラ中国加工 もう元に戻らない可能性がある]

世界のスケトウダラ生産350万トンの内、ロシアが180万トン、米国が150万トンを占めている。

ロシアのスケトウダラ漁業は洋上でH&G(ドレス)を生産し、漁獲量の約2/3を中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出することで成立してきた。

しかし、新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策以降、中国の冷凍水産物輸入規制により、ロシア産製品の輸出が極端に鈍化、2021年1月-5月、中国のH&Gを中心とする原料ベースでのロシアからの冷凍スケトウダラ製品輸入量は、41万3,900トンから10万500トンに激減した。

ロシアは国内外市場向けフィレの生産、アジア・アフリカ諸国等新規市場への製品供給に取り組んだが、今春のスケトウダラAシーズン操業においても前年の80%の漁獲は行ったことから、ロシア極東地方と、保税状態において韓国等に相当量の過剰在庫があるとされている。

ロシア水産物加工流通協会常務理事アレクサンドル・ファミン(報告担当者 原口聖二:元日ロ漁業委員会ロシア側代表)は、CV19以前のように中国加工能力が戻らない可能性があると指摘、この問題は規制ばかりでない経済的事情があると説明している。

ファミンは、CV19以前、まるで中国は掃除機のようにロシアのH&Gを中心とするスケトウダラ低次加工製品を一掃していたと語り、中国人自身がスケトウダラをあまり食べず、それをフィレ加工して、EU、米国、および他の国に再輸出していたと指摘、ただし、それは中国の労働力が、ほとんど価値がない時までのことだと言及した。

また、近年、中国の生活水準が上がり、ともなって賃金が上昇、中国企業がスケトウダラを買入して再加工することに経済的メリットが無くなっていると説明、その結果、伝統的に中国に輸出されていたスケトウダラ製品が、ロシアの冷蔵庫に落ち着き、行き場を失い、過剰在庫になっていると語った。

なお、スケトウダラ製品の過剰在庫に加え、太平洋サケマス操業が開始されたことから、当該製品滞留問題が深刻化しており、中国への製品供給が再開されない場合、業界は最大3億5,000万ドルを失う可能性があるとの観測を業界団体の代表者は明らかにしている。

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スケトウダラ国際市場動向 ロシア産冷凍製品 中国加工 EU市場

2021-07-29 18:39:28 | 日記

 

2021年07月28日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[スケトウダラ国際市場動向 ロシア産冷凍製品 中国加工 EU市場]

世界のスケトウダラ生産350万トンの内、ロシアが180万トン、米国が150万トンを占めている。

ロシアは洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出、米国は日本へすり身として輸出することを、それぞれ仕向けの主流としてきた。

新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策以降、中国の冷凍水産物輸入規制により、ロシア産H&Gの輸出が極端に鈍化していると伝えられており、EUフィレ市場との相関動向を注目する必要がある。

今般、2021年1月-4月・5月の貿易情報が確認されたので、これをリポートする。

1 2021年1月-5月の中国の冷凍スケトウダラ製品輸入

①2021年1月-5月、中国のH&Gを中心とする原料ベースでのロシアからの冷凍スケトウダラ製品輸入量は、情報どおり前年同期の41万3,900トンから10万500トンに激減した。

②これを米国産が補填したわけでもなく、同国からの輸入も前年同期の1万4,000トンから5,900トンに減少した。

③さらに、韓国、日本からの輸入も3,000トンヴェルで前年と変化を示していない。

④ロシア産製品の中国の輸入平均単価はkgあたり1.19ドルで、前年同となっている。

2 2021年1月-4月のEUの冷凍スケトウダラ・フィレ輸入

①2021年1月-4月のEUの中国(主にロシア産H&G原料再加工)からの冷凍スケトウダラ・フィレ輸入量は4万750トンで、前年同期を7,250トン、15%下回った。

②これを米国産が補填したわけでもなく、同国からの輸入も前年同期の3万2,770トンで、前年同期を3%下回っている。

③さらに、自国でのフィレ加工を推進したロシア産の取引量も前年同の1万600トンとなっている。

④2021年4月、中国(ロシア産H&G原料再加工)からの冷凍スケトウダラ・フィレの数量が落ちているにもかかわらず、EUの輸入平均単価はkgあたり2.58ユーロで、前年同期を0.3ユーロ下回っている。

CV19による外食業界の弱まりが原因なのか、単価低下は米国産とロシア産についても同様となっている。

3 報告担当者仮説

①米国産の冷凍すり身の増産等、想定の範囲内の動向はあるものの、その他生産各国と市場の変化においてロシアと中国のH&G貿易ほど大きな変化は存在していない。

一方で、現時点において中国からEUへのフィレ供給量減は、これに対して劇的なものとは言えない。

中国加工フィレのEU利用者は冷凍食品メーカ(フィンガー・スティック・フライ等)業界で、出荷製品原料と末端冷凍食品との供給のタイムラグが作用している可能性があり、まだ数ケ月間、この動向を観察する必要がある。

②また、ロシアは国内外市場向けフィレの生産、アジア・アフリカ諸国等新規市場への製品供給に取り組んだが、今春のロシアAシーズン操業においても前年の80%の漁獲は行ったことから、中国再加工を待っている応分の在庫が、ロシア極東地方と、保税状態において韓国、あるいは日本に存在すると推察される。

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ロシア イワシ漁本格化へ 連続30万トン焦点に 2021年07月29日  日刊水産経済新聞【札幌】

2021-07-29 10:41:57 | 日記

 

2021年07月29日 

日刊水産経済新聞【札幌】

[ロシア イワシ漁本格化へ 連続30万トン焦点に]

北洋開発協会(北海道機船連内)によると、ロシア極東の南クリール(南千島)海域でのイワシ漁の漁獲ペースは徐々に上がり、7月25日までの1週間の週間漁獲量は7900トン、一日当たり平均では179トンとなっている。同海域では目下、9隻の漁船が操業、主に色丹島の北部と東部、択捉島とウルップ島周辺に漁場を形成している。

今年のイワシの漁獲勧告は30万トン。31万5000トンを漁獲した昨期に続く30万トン台の漁獲を目指すが、7月下旬時点での別の情報ではロシアニ百カイリ内でのイワシの累計漁獲量は「1万5000トン以上」とされ、7月26日時点で約5万トン(速報値)が漁獲されていた前年同期と比べると、鈍い出足となっている可能性がある。

一方、同海域ではサバも24万トンの漁獲勧告が示されている。昨年実績は7万8000トンで、漁獲勧告との開きは大きいが、ロシアの科学研究機関は、南クリール海域と北太平洋公海で行った資源調査と、ロシア、日本の漁獲データなどから、今年のサバの来遊資源は昨年の水準を下回ることはないとの評価を下しているという。

 

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ロシア魚粉2021年1月-5月 1割減の6万トン スケトウダラ減産に連動 2021年07月29日 みなと新聞

2021-07-29 09:44:21 | 日記

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2021年ロシア太平洋サケマス操業 盛漁期を迎える

2021-07-28 12:22:50 | 日記

2021年07月28日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[2021年ロシア太平洋サケマス操業 盛漁期を迎える]

今年2021年、ロシア漁業者による太平洋サケマス操業は盛漁期を迎えている。

同年7月18日からの1週間、極東地方ではカラフトマスを中心に約10万トンの太平洋サケマスが漁獲された。

一部地域では、漁獲物の処理能力がショートし、生産を抑制している。

同年漁期開始から7月26日までの太平洋サケマス漁獲量は、当該週で倍増、19万8,700トンとなり、この内、カムチャツカ地方が18万5,400トン、全体の93.3%を占めている。

これにマガダン州が5,100トン、北海道に隣接するサハリン州4,300トン、ハバロフスク地方2,100トン、チュコトカ自治区1,700トン、そして沿海地方100トン強と続いている。

また、魚種別ではカラフトマスが18万100トンで全体の90.6%を占め、この3/4がカムチャツカ北東部沿岸によって漁獲された。

同年7月18日からの週、カムチャツカ西部沿岸もカラフトマス操業が活発になり始めた。

カラフトマス全体の漁獲量は、直近奇数年2019年を6.2%上回っているが、伝統的漁場のサハリン北東部沿岸は大きく遅れをとっている。

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、マガダン州の漁獲増加の要因が、資源来遊ばかりでなく、シェリホフ湾(60°N)での加工処理船団の着業を指摘、同時に、チュコトカ自治区の遅れを、処理船団の不足が帰着したところと評価している。

なお、カラフトマス以外の魚種では、同年漁期開始から7月26日までに、ベニザケ1万1,100トン、シロザケ7,200トン等が漁獲されている。

 

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シェスタコフ 首相ミシュスチン択捉島訪問に随行

2021-07-28 07:21:48 | 日記

2021年07月27日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[シェスタコフ 首相ミシュスチン択捉島訪問に随行]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、2021年7月26日、択捉島を訪問した首相ミシュスチンに同行した。

現地では、キトーヴイ(内岡)にある”ギドロストロイ”(Гидрострой)グループの水産加工施設”ヤスニイ”(Ясный)において漁業分野の話し合いが行われた。

ミシュスチンは、国内市場への製品供給拡大を目的に極東連邦管区内から国内中央部・西部への冷凍コンテナ貨車での物流への助成が準備されている点を言及した。

話し合いには“投資クオータ”のメカニズムを利用して陸上加工場を建設したサハリン州企業の幹部が参加、高次加工製品のシェア拡大に生産構造が移行過程にあること、これにより輸出の経済的利益増加が見込まれること等が、報告された。

 

2021年07月27日 北海道新聞【ユジノサハリンスク仁科裕章】

[四島で第三国の免税検討 ロシア首相、択捉訪問し表明]

ロシアのミシュスチン首相は2021年7月26日、北方領土の択捉島を訪れ、北方四島に海外投資を呼び込むため、大規模な免税措置を検討していることを明らかにした。実効支配する四島開発を急ぐ構えで、日本以外も対象にする方針。日本政府は北方領土での第三国の経済活動を認めておらず、四島での日ロ共同経済活動にも影響する可能性がある。

ロシア首相の北方領土訪問は、2019年8月のメドベージェフ前首相以来2年ぶり。今回の訪問は、プーチン大統領が23日の安全保障会議で、ミシュスチン氏にクリール諸島(北方領土と千島列島)視察を指示する異例の形で行われた。

茂木敏充外相は「日本の一貫した立場と相いれず、日本国民の感情を傷つけるもので極めて遺憾」と談話を発表。森健良外務次官は26日、ガルージン駐日大使を外務省に呼んで抗議した。

択捉島を事実上管轄するサハリン州政府によると、ミシュスチン氏は、政府専用機で同島に到着。同州のリマレンコ知事の案内で島の中心地、紗那(クリーリスク)の病院や内岡(キトブイ)の水産加工施設を視察し、クルーザーにも乗船した。同島に約5時間半滞在した後、州都ユジノサハリンスクに向かった。

ミシュスチン氏は26日、四島での企業活動に関する免税や、関税免除地域の創設を検討していると説明。記者団に「日本や欧米の投資家によい決定になる」と述べた。

プーチン氏は23日の安全保障会議で、共同経済活動に関して「ミシュスチン氏がユニークで前例のない提案をした」と評価しており、免税などを指している可能性がある。

ただ、これらの制度はロシア法の下での実施を前提にしているとみられる。加藤勝信官房長官は26日の記者会見で、共同経済活動について「(日本の)法的立場を害さないことを前提とし、ロシア側との協議を精力的に行ってきた。プーチン氏の発言は留意している」と述べるにとどめた。

 

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ロシア漁業ニュースヘッドライン 2021年08月  http://kisenren.com

2021-07-26 14:14:50 | 日記

              2021年08月10日

ユーザー  各位

 

拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、ロシア漁業庁長官シェスタコフは、今年2021年上半期を終え、漁業の発展の見通しを発表し、国内市場の需要と供給、輸出への対応、漁船と科学調査船の更新、製品保管と輸送のためのインフラの更新等を指摘しました。同年7月10日現在、ロシア漁業者の漁業生産量は230万トンで前年同期を約10%下回っており、この要因は、主に今春、主要市場の中国が新型コロナウイルス拡散防止対策により水産物製品の輸入制限を行い、供給調整を強いられたスケトウダラ操業の減産と評価されると言及、ギャップが縮小され、年末までに前年と同水準の500万トンに到達できることを期待すると語り、開始された太平洋サケマス操業が順調に進捗していると加えました。また、太平洋サケマス操業については、実際の操業監視、漁業予測等、科学的支援が強化されており、同年漁期の漁獲勧告の46万トンが生産された場合、魚卵を含め国内市場の需要を十分に満たすことになるとの観測を示しました。

 今月号においては、このロシア漁業の同年上半期のレヴュー等情報を集約し、TopNews としてご報告申し上げます。

 なお、2021年7月15日、WTO漁業補助金に関する貿易交渉委員会閣僚級会合が開催されましたが、これに先立って、ロシア漁業庁は、この問題に対する同国の立場を明確に発表しています。これら漁業政策等に関する情報もあわせてお知らせ申し上げます。

                                                  敬具

 (国際漁業対策事業部;原口聖二)

 

 

TopNews ロシア漁業 2021年上半期レヴューと展望

・WTO 漁業補助金問題にかかるロシアの見解(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外29件)

・“投資クオータ”の第2弾は極東地方に限定される見込み(投資クオータ関連外6件)

・南クリール海域スケトウダラ・マダラ操業概況(ロシア漁業者スケトウダラ・マダラ・ニシン操業関連外7件)

・2021年 ロシア太平洋サケマス漁獲速報(太平洋サケマス操業関連外10件)

・北太平洋公海部サンマ漁業 中国・台湾漁船約30隻が操業中(サンマ操業関連)

・サハリン州トロール漁船 スケトウダラ操業で網目規制違反(ロシアFOC/IUU漁業取締関連外1件)

・米国スケトウダラ漁業 魚体小型化でフィレ生産鈍化(その他ロシア漁業関連情報等外3件)

・韓国近海スルメイカ操業 2020年度管理漁期結果(韓国漁業関連外3件)

・韓国冷凍スケトウダラ市場動向 2021年07月(韓国スケトウダラ市場価格モニタ)

・ポスト英国EU離脱 6ケ月 スコットランド漁業の苦しみが続く(ポスト英国EU離脱関連)

 

計68オリジナル報告

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ロシアのフィッシュミール月別生産量と価格の推移(2021年5月)

2021-07-21 12:55:42 | 日記

2021年07月20日

レポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシアのフィッシュミール月別生産量と価格の推移(2021年5月)]

日本よりロシアは漁業生産量でわずかにリードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)が圧倒的に多く、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなっている。

ロシアは、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産拡大を、“2030年までの漁業発展戦略”に盛り込んでいる。

(生産量)

ロシアのフィッシュミール生産量は2018年、初めて10万トン台となり、以後、2020年まで生産を拡大させ、12万トン台となっている。

毎年、1月-4月、生産量が大きくなるのは、主に100万トン近く漁業生産が行われるオホーツク海抱卵スケトウダラ操業の残滓、これに次いで6月-8月、生産がやや大きくなるのは、太平洋サケマス操業の残滓と推察される。

さらに、ここ2年-3年、10月-12月に生産が大きくなる傾向を見せているのは、拡大を続けるイワシ漁業によるものと推察される。

今年2021年、同年5月末までの生産量は、6万400トン、前年同期比91%で、これは、新型コロナウイルス拡散防止対策による製品主要仕向け先の中国の輸入制限により、生産調整を行い、減産を余儀なくされたオホーツク海抱卵スケトウダラ操業の漁獲量にシンクロしている。

(価格)

2012年から2013年のロシアのフィッシュミールの平均価格は、トンあたり3万ルーブル台だったが、2014年12月に5万ルーブルを記録すると、翌2015年1月には6万ルーブルを超え、以後、2019年までは平均7万ルーブル台で推移、2020年の平均価格は8万1,600ルーブル強となった。

今年2021年1月-5月の平均価格は9万100ルーブルで、更にこれを上回る高値となっている。

 

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米国スケトウダラ漁業 魚体小型化でフィレ生産鈍化

2021-07-21 10:43:31 | 日記

2021年07月21日

リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[米国スケトウダラ漁業 魚体小型化でフィレ生産鈍化]

今年2021年漁期、米国アラスカのべーリング海でのスケトウダラ操業は、漁獲物が小型化し、フィレの生産が鈍化しているとロシア業界紙(WEB)が伝えた。

フィレ生産には個体重量700g-800gが効率的だが、今漁期400g前後が漁獲物の中心となっており、フィレ生産は最低限なものとなっている。

米国漁業界は、このことから、近い将来、当該魚種のフィレ価格が上昇に向かうとの観測を示している。

みなと新聞が伝えた米国海洋漁業局NMFSまとめの同年7月10日までの米国スケトウダラ主製品出来高は別表のとおりとなっている。

 

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WTO漁業補助金問題 ロシアは是々非々を促す

2021-07-20 17:51:42 | 日記

 

2021年07月20日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[WTO漁業補助金問題 ロシアは是々非々を促す]

ロシア経済開発省は、WTOにおける漁業補助金問題の交渉状況を概説、同国が加盟国に対し、是々非々の対応を促す立場をとっている旨を明らかにした。

2021年7月15日、WTO漁業補助金に関する貿易交渉委員会閣僚級会合が開催され、ロシアからは経済開発大臣のマキシム・レシェトニコフが出席した。

レシェトニコフは、ロシアの漁業補助金が水棲生物資源の持続可能な水準での管理と利用、漁業全体の発展を確保することを目的としていると指摘、すべての補助金の完全かつ無条件の廃止につながるアプローチを批判していると報告した。

また、持続可能な利用を確保したいという共通の願望が、WTO規則に反する非競争的措置の使用につながるべきではないと強調、加盟国に対し、国連の目的と関係のない大勢主義的な貿易と経済の目標を推進することを控えるよう求めていると加えた。

 

2021年07月16日 日本国外務省

[鷲尾英一郎外務副大臣のWTO漁業補助金貿易交渉委員会閣僚級会合への参加]

2021年7月15日、午後3時(日本時間)から約10時間20分、WTO漁業補助金に関する貿易交渉委員会閣僚級会合がオンライン形式で行われたところ、概要は以下のとおりです。日本からは、野上浩太郎農林水産大臣、鷲尾英一郎外務副大臣が参加しました。

今回の会合は、2001年にWTOドーハ・ラウンド交渉の一部として開始されて以来継続している漁業補助金交渉において、初めて閣僚級で行われた会合です。会合では、オコンジョ=イウェアラWTO事務局長(Dr. Ngozi Okonjo-Iweala, Director-General of World Trade Organization)が議長を務め、WTO加盟国から、閣僚レベルでは約100か国が参加し、活発な議論が行われました。

鷲尾外務副大臣からは、我が国は、海洋資源の持続的利用を目的とするSDGsに基づいて、本件交渉の早期妥結にコミットしており、オコンジョ事務局長に全面的に協力する旨述べました。また、国際的な課題である漁業資源管理に、全ての加盟国が協力して取り組むべきと指摘し、日本は、各国の漁業資源管理体制の構築を支援するために、(1)資金、(2)人材・技術・モノ、(3)知見・経験の共有の3本柱からなる支援枠組の具体化を進め、持続可能な漁業の達成に貢献する決意を表明しました。

今回の会合では、年末に開催予定の第12回WTO閣僚会議(MC12)を念頭に、早期の交渉妥結に向けて引き続き精力的に交渉を行っていくことを確認しました。

(参考)WTO漁業補助金交渉

2001年にドーハ・ラウンド交渉の一部として開始された交渉。SDGs(2015年国連で採択)において、2020年までに、違法・無報告・無規制(IUU)漁業、過剰漁獲能力及び過剰漁獲につながる漁業補助金の禁止等が目標として掲げられている。

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韓国スケトウダラ 市況回復の兆候  2021年07月20日 みなと新聞

2021-07-20 09:59:02 | 日記

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日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業 2020年度管理漁期結果

2021-07-16 13:51:40 | 日記

2021年07月15日

リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業 2020年度管理漁期結果]

韓国漁船による自国EEZでの2020年度漁期(管理期間2020年7月-2021年6月)のスルメイカの漁獲量は、3万2,910トンで、前年度同期の16%減、TAC設定8万9,000トンに対する開発率は37%で終漁となった。

また、2018年度漁期に試験的にTAC設定が導入され、2019年から正式枠となり、通期で1万1,000トンを生産して動向が注目された二艘引き西海トロールの生産は、7,340トンで前年同期の66%にとどまったものの、全体の漁獲の約1/4の生産を行い、一定のプレゼンスを維持、2021年度新漁期のTAC設定の増枠につながった。

一方、主要漁業の沖合イカ釣は1万3,900トンで前年同期を11%下回った。

なお、資源回復を目的に、今年2021年1月1日から、近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されており、1,000トン強の漁獲データが報告された。

 

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韓国のスルメイカ TAC6%減で決着 業界の不満受け調整か  2021年07月16日 日刊水産経済新聞【札幌】

2021-07-16 12:24:32 | 日記

 

2021年07月16日

日刊水産経済新聞【札幌】

[韓国のスルメイカ TAC6%減で決着 業界の不満受け調整か]

北海道機船連によると、韓国のスルメイカの2021年度(21年7月-22年6月)の漁獲可能量(TAC)が12日付で決まり、前年比6%減の合計8万3834トンとなった。

イカ釣りや大型トロールなど主要沖合漁業が13%減の6万5384トンと減少した一方、19年度に正式導入された西海トロールは22%増の1万3653トン、20年度途中から導入された自治体管理の近海網は52%増の4797トンとそれぞれ増加した。

韓国の20年度のイカ漁獲実績は、前年比16%減の3万2910トン。

いずれの漁業種もTACを余し、全体の消化率も4割弱にとどまったことから、新漁期のTACの増減は実質的には大きく影響しないとみられる。

21年度イカTACについては当初、前年比14%減7万3834トン案が伝えられたが、韓国の水産業界から設定方法や、共通資源を利用する外国船の漁獲を把握しないままの減枠設定に対し、不満が噴出していた。

最終TACはこれを受け調整されたものとみられ、当初案にちょうど1万トンを加えた数値となった。

“サバ減少 アジは増加”

また、韓国のその他の魚種の21年度TACも決定した。

主要魚種ではサバが18%減の10万1715トン、アジが8%増の3万1779トン、ベニズワイガニが9%減の2万3273トンなどとなった。

 

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“またがり資源スルメイカ” 韓国 2021年度TAC決定 施行前に修正 1万トン戻す わずか2千トン減

2021-07-14 12:54:19 | 日記

2021年07月14日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[“またがり資源スルメイカ” 韓国 2021年度TAC決定 施行前に修正 1万トン戻す わずか2千トン減]

日本EEZとまたがり資源となる韓国EEZのスルメイカの2021年度漁期(管理期間2021年7月-2022年6月)のTACについては、7万3,834トン、当初設定前年度対比1万2,096トン減で施行準備がされていたが、これを修正、1万トンを戻し、8万3,834トンで最終決定された。

2021年7月12日付で韓国海洋水産部がこれを施行した。

前年度となる2020年度管理期、韓国漁船の漁獲量は最終的に3万3,000トン弱にとどまっている。

新漁期のTAC設定について韓国業界は、算定方法に問題があると指摘していた。

現在、韓国国立水産科学院では、TACの算定のために、複数のデータを入れる重要な要因の一つとして、過去3年間の平均漁獲量を用いている。

業界の関係者は、海況、着業隻数、操業日数などに影響を受けるにもかかわらず、単純に漁獲量を重視するのは乱暴だとし、荒天などにより操業期間が減少すると、TACも減少する構図となっていることを言及、これに加えて大きな問題として、中国漁船の違法操業による膨大な乱獲、そして、“またがり資源”であるにもかかわらず、当該漁獲量に関する情報がなく、全体の資源量がわからない中でTAC設定をすること自体非合理だと指摘していた。

スルメイカの資源利用者となる沖合イカ釣り、大型トロール、中型トロール、西海トロール(二艘引き)、そして、2020年度下半期からTAC管理(自治体管理)に加わった近海網の不満は大きかった。

一部には、スルメイカのTAC設定に行政がこだわる背景に、水産業をよく知らない政界の圧力があるとの指摘もあった。

 

 

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サ州遡河魚種委員会 国後島太平洋サケマス操業期間を意思決定

2021-07-12 17:01:17 | 日記

2021年07月12日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[サ州遡河魚種委員会 国後島太平洋サケマス操業期間を意思決定]

近年の資源来遊の弱まりを理由に今年2021年漁期、科学研究機関から禁漁が提案された国後島沿岸のカラフトマス操業について、今般、サハリン州の遡河性魚種生産管理委員会は、当該魚種に限定せず、“太平洋サケマス”操業と対象魚種を広げ、操業開始を同年8月1日とする意思決定を行った。

ただし、別途、シロザケを区分けし、このための操業期間が設定される可能性もある。

択捉島は、先だって“太平洋サケマス”操業の開始が同年7月11日となっている。

南クリール沿岸全体の太平洋サケマスの漁獲勧告量は1万7,835トンで、この内、カラフトマスが4,300トン、シロザケ1万3,505トン、ベニザケ29トン等となっている。

国後島のカラフトマスの禁漁問題の関連情報は、同年5月開催された北海道さけ・ます増殖事業協会、北海道定置網漁業協会、そして北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内)の会合で既に報告されている。

会合では、カラフトマスの移動経路から、当該資源の北海道沿岸への来遊と、禁漁(漁具を設置しない)期間に関する情報等、ロシア側の措置によるシロザケの来遊への影響が関心事項として指摘され、今後の動向観察に留意していく必要があることが確認された経緯がある。

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