内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

「この先どうなるかわからない。だからこそ、今しっかり学べ」と私は学生たちに言いたい

2020-09-01 23:52:36 | 雑感

 今日が新学期初日(そうなんですよ、9月1日から始まっちゃうのです)で、早速新入生ガイダンスを階段教室で行いました。例年と違うのは、一つの教室に新入生を一度に集めてオリエンテーションを行うのではなく、名字のアルファベット順に三つのグループにほぼ等分に分けて行ったことでした。
 例年、百数十人の学科新入生を250人収容可能な階段教室に集めてオリエンテーションを行うのですが、今日は、同じ階段教室に各回の出席者を50人未満に制限して行いました。つまり、三回同じ説明を繰り返したのです。教員も学生もマスク着用が義務であること、あらかじめ周知徹底してありました。
 私は学科長として全般的なことを簡単に説明しただけで、個々の点については担当教員に説明してもらいました。例年通りならば、一回で済むことを、三回繰り返したので、合計4時間半かかりました。その間ずっといて、必要十分な説明をし、個別質問にも丁寧に答えてくれた学科の教員たちに心から感謝しています。結果として、これまででもっとも懇切丁寧なオリエンテーションができました。
 これは初日を終えての主観的で根拠薄弱な私的感想ですが、このような過去にない形で、結果として、新入生たちをよりよく迎え入れることができたと思っています。出席教員総出で個別質問に答える時間もいつもの三倍になりましたが、それだけきめ細かに答えることができました。
 感染状況は予断を許しません。いつまた今年の三月のように大学閉鎖に追い込まれないとも限りません。そうなったらそうなったで、誰もそれを望んではいませんが、適宜対処する他はありません。
 週単位で変化する先の読めない状況の中で、さしあたりの方針を立てることさえも難しいのに、新入生たちに向かって「君たちの将来は云々」という話を単純に肯定的にはしにくい。しかし、だからこそ、今学べることをしっかり学べ、そのために私たち教員はできるだけのことをする、そう学生諸君たちに私は言いたい。