内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

迷走する感染予防指針に振り回される教員たち

2020-09-03 19:38:59 | 雑感

 昨日の記事で話題にした感染予防対策に基づいた授業方式の話を続ける。
 今、怒りと不安と安堵とが交錯した不思議な気持ちである。
 今朝方、三年生向けに各科目の授業方式を説明するための一覧表を作成していて、あと一科目の方式だけ報告待ちというところまで仕上げておいた。ところが、である、今さっき学部長から転送されてきた学長室の新しい指針によると、すべての教室で一メートル間隔の確保はもはや必要なく、教室収容上限人数まで受け入れてよいことになった。
 なんなの、これ。今までの私の準備はすべて無駄になったってことでしょ。これまでさんざん教員たちを授業方式について悩ませておいて、土壇場でチャラにするって、現場の苦労に対する配慮がなさすぎじゃネ。
 ただ、すでに二グループ分割方式を採用し、学生にも告知してある場合、それはそのままでかまわないという。しかし、この中途半端な方針は、感染予防対策上、どんな根拠があってのことなのか。それとは関係なく、まあせっかくご準備なさったのですから、それはそれでどうぞってことですか。
 でも、これでもし全員を受け入れた教室でクラスターが発生したら、どう言い訳するのか。二分割方式を遵守した教員たちからは、そらみたことかという批判が出ることは間違いないし、そのクラスター発生による感染拡大の危険に晒されるのは、当該の教室の学生とは限らないから、深刻な感染拡大を大学外にも広げる危険なしとしない。
 教員たちに選択の余地を与えるのは悪いことではない。私も通常の全員出席の対面授業を望んでいる。二分割方式で行うと今朝方学生たちに通知した月曜日の授業の初回も、先程、全員を受け入れる対面授業に変更すると学生たちに伝えた。他の教員たちについては、各自の判断に任せる。日本学科だけ足並みを揃えたところでほとんど意味はなく、むしろ各教員が学生たちと話し合い、現状においてもっとも自分たちにとってやりやすいと感じられる方式を採用してくれればいい。来週金曜日、一通りすべての授業の初回が終わった時点で教員会議を開き、翌週からの方針を話し合う。