三日間のワークショップに「参加」と言えば明らかに言い過ぎであり、「陪席」と言っても白々しく、現実により相応しい言葉を厳正に選べば、初日は一応身体的に会場に形だけ出席し(それにもかかわらず、セッション後、レストランではしっかりデザートまで図々しくいただき)、二日目と三日目は、自宅で試験の採点その他雑用を片付けながら、ZOOMをオンにして発表をストリーミングのように聞き流していたという偽善的で不誠実この上ないアリバイ工作を行っていたに過ぎませんでした。これはワークショップのオーガニゼーションに問題があったからではなく、もっぱら私個人のパーソナルな問題です。
ワークショップ一週間前になってようやく全発表のアブストラクトが送信されてきました。それをざっと読んで、「お呼びでないよなぁ~」と深い溜息をつき、それでも直前になってすべて欠席というのはちょっと角が立つかもしれないなあと、小心者の私は愚考し、初日だけはストラスブールからコルマールまで移動しましたが、正直に言うと、気も体も重かった。私なんか居なくてもまったくワークショップにとって問題ないし、その場に居れば居たで何か発言を求められかねないけれどそれはどうしようもなく鬱陶しかったからです。
なんかもう、ワールドワイドなニホンケンキュウはイングリッシュが唯一の共通言語で、それでバリバリガンガン、バイリンガルみたいにディスカッションできるニンゲンしか、もう必要としていないんですよね。そういうユニフォームでクリアーでフレンドリーなコミュニケーションのセカイにおいて、母語以外辛うじてフランス語しかできない私は、議論の余地なく、「オアコン」なんだよね。
この三日間のワークショップはそのような現実を罪もない藁人形に情け容赦なく楔を打ち込むごとくに私に思い知らせてくれたのでありました。
ワークショップに参加された若く将来有望な研究者の皆さん、私があなたたちと再び相まみえることはないでしょうけれど、他人事ながら今後のますますのご活躍を心より祈念いたしております。