昨夕、ほぼ四日ぶりに食事(と言えそうなもの)を再開した。といっても、空っぽな弱った胃に負担になるようなものはもちろん摂取できるはずものなく、野菜コンソメのだしの素を解いて卵を二つ落としたスープを飲んだだけである。それでも、ちゃんと味のある温かいものが喉から胃の腑まで広がっていくのを感じられただけで幸いであった。まだ液体が喉を通過するときに痛みを感じるが、食べ物の味を感じられる喜びがそれを打ち消してくれる。
今朝になって体が昨日よりは軽快になっているのが感じられた。見たところ、口蓋垂及び口蓋扁桃の炎症は縮小している。咳はまだときどき出る。その度に喉の奥がヒリヒリ痛む。唾を飲み込むときもまだ少し痛む。悪寒はまったく感じない。昨日までは感じていた膝から下の倦怠感はなくなった。体温もほぼ平熱に戻ったが、なにか体全体の輪郭がぼやけているようなだるさは残っている。全体として快方に向かっているのだとは思うが、昨日までは感じなかった圧迫感を気管及び気管支のあたりに感じるようになる。炎症部位が拡大あるいは下降しているのかも知れない。
昼過ぎ、四日ぶりに入浴する。体をきれいにすることができて気持ちがよかったが、浴槽から立ち上がろうとして立ちくらみがする。入浴後、体組成計で計測してみる。この四日間で体重が四キロ減少し、BMIが二〇ちょうどまで下がっているのに対して、普段は一五%前後の体脂肪率が二一%にまで跳ね上がっている。これはそれだけ筋肉量が急激に落ちてしまったことを意味している。それだけこの四日間で体力を消耗してしまったのだ。
無思慮で無益な日本滞在が招いた、金銭には換算できない高い代償である。