夜明け前、大船から鎌倉方面へとジョギングに出かけた。大船駅前ホテルから北鎌倉駅まで最短経路は2,2キロくらい、鎌倉駅まで5キロ余りである。ただ、県道の歩道は狭く、側溝を単にコンクリート板で蓋しただけの箇所も多く、決して走りやすくはなかった。
北鎌倉駅前には7時前着いた。近隣の名刹はまだ開門していない。当然、訪問客はいない。円覚寺正門までの階段を駆け上がり、閉ざされた門前で一礼する。東慶寺も建長寺にも門前で一礼。鶴岡八幡宮の境内は通過できた。すでに拝殿の開門を待つ人たちが散見された。
横大路を鎌倉市川喜多映画記念館方向に進み、寿福寺総門前に出る。ここも境内には入れなかったが、総門脇の表示板によると、寺背後の山腹にある墓地には行けるようだ。
墓地には北条政子と源実朝の墓である五輪塔が山腹の岩をくり抜いた奥処にある。ここにも誰もない。鳥の声が聞こえるだけ。二人の墓の前で手を合わせる。携帯も所持していたが、墓を写真に撮る気にはなれなかった。五輪塔が置かれた奥処を見つめていると、ちょっと吸い込まれそうな気がして怖くなった。
寿福寺を後にし、銭洗弁財天を目指す。結構距離があり、しかも急坂でしんどかった。ここもまだ受付開始前。トンネルを潜り抜けて境内を見回しただけで、来た道を戻り、鎌倉駅を目指す。
鎌倉駅前バスターミナルに着いた時点ですでに10キロ以上走っている。ここからまた大船まで走って戻にはあと5キロ以上走らなくてはならない。そこまで調子良かったので走れなくはなかったが、駅前に止まっている大船駅行のバスが目に留まる。一瞬、乗っちゃおうかと気持ちが揺らぐ。
でも、時刻表を見ると、出発まで、まだ20分ある。ぼーっと待っているのは堪え難い。で、鶴岡八幡宮脇を抜けて、円覚寺方面をバスに追い抜かれないかぎり走り続けることにする。円覚寺前のバス停で時刻を確認する。あと二、三分で来る。というわけで、円覚寺前からは大船駅まではバスで戻る。