二日間に渡る日仏シンポジウムは無事終了した。
主催者である早稲田大学からストラスブール大学日本学科への連絡が諸般の事情で10月後半になってからと遅く、ストラスブール大学側から見込める参加者が当初から少なく、参加を打診された本人が希望しても、日本への渡航費の捻出が難しかったり、すでに一月の予定が決まっていたりして、12月も下旬になってようやく参加者が確定するという有様だったのだが、全体として内容豊かなシンポジウムであったし、よりワークショップに近い形でという主催者の意図もある程度は実現されていた。
すでに二十年の歴史がある早稲田大学演劇博物館とストラスブール大学日本学科との学術的な協力関係をさらに発展させていきたいという点では双方異存はない。ただ、次回はストラスブールでの開催となると、とりわけ財政上の困難に直面せざるを得ず、見通しは必ずしも明るくない。しかも、日本学科が中心になるよりも、芸術学部演劇学科が中心になったほうがより密な協力関係が構築できるだろうというのが日本学科長と私の共通した見解で、その上で、どう協力関係を学際的に展開していくかが今後の課題となる。