名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

読後感

2007年04月11日 | セカンドルーム
先日、名古屋へ行った折に、名駅に出来た紀伊国屋書店でまとめて本を買ってきた。
団塊とか格差がすっかり流行語になっているので、その二つのキーワードを含む題名に引かれて買った「団塊格差」を読んだ。
アンケートを集計して分析した結果からは、キーワードを解くヒントは余り得られなかった。
「彼らの60年とこれからを考える」と述べているが、十把一絡げで評価される団塊の人たちもたまらないだろう。
所得が低いから不幸で、多いから幸せと言い切ることは出来ないし、団塊とかシニア、熟年など広い階層をひとくくりにして論じる傾向が強いけど、そこからは実態が余り見えてこない。

次に読んだ、浅田次郎の「月島慕情」は面白かった。
浅田の短編は好きだし、演歌的な題名と月島にちょっとした思い出があったので、平積みにしてあった中から1冊を選んだ。
人情の機微や男女の交情を切なく描く筆は泣かせるし、辛い過去や悲しみを引きずって生きる人を暖かく表現する優しさも胸を打つ。
結末も苦労人の作者らしい思いやりがじわっと伝わって来て、安直な格差論より説得力がある。
自分に忠実な生き様こそが、世代や階層、貧富を超えて大切であることがよく語られている。
コメント
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