名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

人間ドックの再検査・大山鳴動して・・・

2010年03月11日 | セカンドルーム

 

人間ドックで指摘された項目の再検査を受けてきた。
肺と胃のX線と腹部エコー検査で問題があったところの、CTと内視鏡による精密検査である。
CT検査を受けるのは初めてで、ちょっと緊張したが、ベッドに寝ている間の数分間で、あっけなく終わってしまった。
その後、医師からたくさんの画像を前に、これが肺でこれが膵臓と胆管、これが肩の骨など等、あまり実感の持てない、我が身の輪切りを見せられた。
目利きの医師の所見によると、肺の結節影も肝外胆管拡張も認められないとの診断である。
「治療することも、これ以上の検査も必要は無いので、今まで通りの生活で構いません」、と告げられた時は、ちょっとこわもての医師が仏様のように見えた。
Netで調べていると、最悪の場合は、胆管癌、膵頭部癌、肺結核、肺癌などの何れかに当たりそうで、遊んでいても仕事をしていても、いつも不安がよぎっていた。
ひとまず、難所と思っていた山は、無事に越せたと安堵した。

次は胃の再検査で、病院からは事前の注意事項などの連絡があり、朝食抜きで病院へ向かった。
内視鏡検査も生まれて始めての体験で、直径8ミリの管が飲めるのかと不安であったが、潤滑油のような麻酔薬の効果なのか簡単に飲めた。
医師も看護士さんもとても優しく、「そこでゴックンしてください」、「ハイッ、うまくできました」とか「空気を送りますよ」など子供をあやす保母さんかメイドさんのような対応に癒されている間に終わってしまった。
医師の診断もCTの時と同じように、画像を前にして説明が始まった。
もしや胃癌かと心配していたが、胃底部透亮像は胃カメラには写っていないと告げられた。
これはX線検査の前に飲む、発泡剤やバリュームの影響で、こうしたケースはよくあることらしい。
胃ポリープは、2ミリほどの大きさが1個あるが、胃粘膜と同じような形状で心配はないし、生険などの検査も治療も必要無いと言われて、思わず胃を撫で下ろした。
最後に、「きれいな粘膜をしてますよ」、と褒められた。
画像を見ても、きれいか汚いか分らなかったが、人から見えないところを褒められて、満更でもない気分になった。

大山鳴動した割には、大事に至らなくてほっとしたが、何かと考えさせられる1ヶ月間であった。
リタイア後の10年間は、「風のように自由で気ままな暮らしがしたい」、と願っていた夢が叶い、この先をどう過ごすかを考える上で、体の状態を知りたいと思って、人間ドックの受診をした。
検査を受けなければ不安にさいなまれる事も無かったが、一方では、将来の身の処し方を自分なりに整理したり、考えたりする良い機会にもなった。
万が一の時の疑似体験をして、対処法を考えることが出来たのは、人間ドック受診の収穫であったし、老・病・死が避けられない以上、「知らぬが仏」も大切な処し方の一つであると思った。
これからは余分な検査で、無理やりに体の欠陥を抉り出して、一喜一憂しないことにしよう。
そんなことを考えながら、病院からの帰り見た名古屋の空は、澄み切って晴々としていた。

 

 


 

コメント (10)
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