快晴の名古屋を出て、東海北陸道から中部縦貫道経由で、高山へ向かった。
いつもは助手席に乗るユキに代わって、今日は助手が乗り込んできた。
ナンバー2と思っているユキは、荷台に押しやられて不本意な表情をしている。
途中で休憩をした「ひるがの高原サービスエリア」は、一頃に比べると雪も少なくなったが、観光客は名残りの雪を楽しんでいた。
中部縦貫道も路面に雪は無く、乗鞍岳が穏やかな姿で出迎えてくれた。
飛騨の人たちは、岳の変わらぬ姿を見て、故郷へ帰ったことを実感すると言われている。
片足を都会に置いていても、近頃は、その気持ちが分かる様になってきた。
家の周りも、強い日差しで雪解けが一挙に進んでいた。
今日のような暖かい日が続けば、田んぼの雪も数日で消えることだろう。
先週までは、雪に覆われていた庭のわさびが、春の日差しを浴びて、かわいらしい若葉が顔を出していた。
茎を1本掘ってかじって見たら、ツンと鼻を刺す辛味に甘さもまじって、早春の香りがいっぱいだ。
葉がもう少し育てば、それを摘み取ってお湯をかけ、鰹節とまぶしたお浸しも、春の食卓を飾る一品になる。
春の訪れが遅い飛騨でも、今日は、あちこちでその足音が聞けた。
何かとあわただしい名古屋の5日間であったが、心身ともにリフレッシュすることが出来た。
思ったよりも飛騨は暖かく、山里へのシフトは容易に出来そう。