今日は朝から雲が厚く
風の冷たい一日だった。
午後遅くになって
ようやく雲が切れて青空が戻ってきた。
円空彫り教室の先輩のお宅で
観音菩薩の彫り方を教わってきた。
所狭しと作品が並べられ
数十本の鑿や小刀が引き出しに整理され
毎日熱心に取り組まれている様子がうかがえた。
部屋の片隅には、小さな作業スペースがあり
原寸図を描き終えて
これから取り掛かるとのことだった。
4歳年上の先輩は仕事から退き
夫婦共通の趣味が木彫であったことから
今は円空仏の模刻を楽しんでおられる。
住まいは、市営の高齢者向き住宅で
8階の部屋からは御岳や伊吹山が眺望でき
眼下には街並みが広がっていた。
お二人とも体に不自由はないが
部屋の構造は全てバリアフリーで
玄関や風呂トイレなども車椅子対応がなされ
各部屋には緊急通報システムが設置されている。
公営住宅で、高齢者専用の住宅があることも
実際に中を見たのも初めてだ。
元気な高齢者が、地域の中で自立し
安全快適な生活を営める施設のニーズは
今後も増えていくことだろう。
円空彫りを教わるつもりだったが
何かと示唆に富むひと時を過ごすことが出来た。