今年の計画で書いた様に、45真空管シングルアンプの製作経緯について、何回かに分けて投稿して行きます。
私は、シャーシ製作も含めて一から自作する様な技量は有りませんので、中古の機種を購入し、そこから改造して行きます。
ベースとなる中古機種の選定条件としては、優先順に以下です。
①デザイン:これ重要です!。デザインが良くないと音も良く感じませし愛着も沸きません。
②重量:20kg以下。移動やひっくり返しての作業を考えると、この重さが限界です。
③トランス:有名どころのメーカー品。特性の良いと思われる電源トランス、出力トランス、チョーク。
④基板を使わない、直配線。回路構成がシンプルである事。改造し易い。
部品類は、最低限トランス類だけでも使えれば良しとします。
そこで目を付けたのが、以前から気になっていたサン・オーディオのシングル・アンプキットです。
購入前にネットで調査したり、サンオーディオに直接電話して、仕様の確認をさせて頂きました。
ポイントは、電源トランスの仕様(出力系)、出力トランスの仕様(1次側仕様、2次側仕様)。
・電源トランスは、300B、2A3共用。出力管のフィラメント用としてAC2.5V系、6.3V系が有ります。
300Bの時は、AC6.3Vからショットキーダイオードで整流して5Vを作るそうです。
・出力トランスも300B、2A3共用。1次側に2.5kΩと3.5kΩが、出力側に8Ωと16Ωが有ります。
これなら今後色々と改造や発展させる事が出来て楽しそうです。
そして今回購入した物がこちらです。『SUN AUDIO SV-2A3』。年代は不明ですが、かなり古そうです。
フロントパネルやツマミ類、電源フィルムコンデンサから見て、特別バージョン(周年記念)、或いは購入者で追加されたと思われます。
まず到着した状態の外観を確認します。多少キズや汚れが有りましたが良しとします。
刺さっていた球は以下。
電圧増幅管:6SN7。メーカー不明。⇒どうせ交換するので不問。
出力管:2A3。ロシア SOVTEK製。(写真左の2本)
整流管:5U4G。ロシア SOVTEK製。(写真右の1本)
出力管と整流管はトランスよりも背が高い。見た目は気になりませんが、ひっくり返して作業する時に支障が有ります。
球を外してみます。あれれっ??? 2A3が180度回転して挿してある。
※UX4ピンは、フィラメント・ピンが太い。180度回転しても無理すれば刺さってしまうので注意が必要。
「音出し確認済」という事だったのだけど、どういう事?このまま通電したら球を壊す所だった。危ない!!
偶然にも通電前に球を外して助かった。。。
球を正しくセットして、いざ電源オン!。
入手した状態での音を確認、聴いてみます。初の直熱管です。ドキドキ。
出てきた音は、今迄の我が家のアンプには無い、何ともダイナミックで開放的な音です。これが直熱管、無帰還の音?
迫力があり音像は大きいけど聴き込むと何だか歪っぽく感じる。無帰還だから仕方が無いのか。耳が疲れる。
※私がその様に感じるだけかも知れません。あくまでも個人的な感想ですので悪しからず。
この音って、まさしく数年前にサンオーディオ秋葉原のショールームで爆音で聴かせて頂いた音に近い。
好きな人は好きなんでしょう。
しかし私の場合、今までとは違う音なので違和感さえ覚えます。私の好みには少し合いません。
この歪の原因は、接点等の汚れからくるものも有るかも知れません。
まずは、分解して綺麗にします。~続く~
完成までの道のりは長そうです。